NHK競馬中継(エヌエイチケイけいばちゅうけい)は、日本放送協会(NHK)で放送されている、競馬中継のことである。なお番組タイトルには「競馬中継」とは表記されず、「NHK SPORTS」統一タイトル・競技マークと放送する競走の名称のみが表記されている。目次 日本中央競馬会(JRA)が行う中央競馬のGI競走のうち一部を、総合テレビとBS1で放送している。また、海外向けNHKワールド・プレミアムでも総合テレビと同時放送されている(BS1単独放送を同時放送する場合もある)。 NHKによる競馬中継は1931年7月3日に札幌競馬場のレースを中継したことをきっかけとして頻繁にラジオで実況中継を行っていたが、当時はギャンブルとしての競馬は禁止されたり許されたりということを繰り返していた上、軍国主義の時代であったため軍馬の育成に繋がるものであることが最優先で求められており、そうした側面での放送であった[1]。 戦後、テレビ放送の時代を迎え、まず東京での放送開始から間もない1953年の東京優駿(日本ダービー)をテレビで実況中継することを検討した。この時は技術的な準備が間に合わず実現できなかったが、同年6月28日に中山競馬場で開催された中山大障害(優勝馬:ハクオー)の中継でテレビとしては初めて実況中継を行った。この日は13:00から放送され、第4競走の「アラブ系障害」(2600m・優勝馬:キヨミドリ)が、テレビで実況された最初の競走となった。 以後長らく3歳牡馬クラシックレース(皐月賞、東京優駿、菊花賞)、春・秋の天皇賞、有馬記念及びGIレースではないが自らの冠名が入ったNHK杯の中継を行ってきた。ただし、GIIIのきさらぎ賞はNHKの賞であるがNHKでの放送は行っていない。 第16代NHK会長であった川口幹夫の在任期間中(1991年?1997年)、川口自身が競馬ファンだったという背景やNHKが衛星放送(BS)を積極的に推進していたこともあり番組ソフト拡充という観点を踏まえJRAに対して競馬中継の拡大を要望したところ、上記以外のいくつかのGIレースもBSで放送できるようになった。 実際には会長が海老沢勝二に交代してからの1998年の高松宮記念からBSで放送開始した。また川口在任中の1996年にNHK杯がGIに格上げされ現在のNHKマイルカップとなった。 BSでは当初衛星第1(旧BS1)で放送されていたがBSデジタル放送が始まった2000年12月からは原則としてBSハイビジョンに移行した。ただし高松宮記念(2000年から3月に開催移行)のみ、選抜高等学校野球大会と重なった場合はBSハイビジョンで野球中継を行ったため旧BS1で放送されていた[2]。 1981年に開設されたジャパンカップは当時から八大競走と同格扱いとなっていたことのある国際競走ではあるが、NHKは2011年にBS1で放送を開始するまでテレビでの中継は行われなかった。この理由はジャパンカップ開設時に同レースを放送すべきだと言う局内の意見[3]に対し、局内上層部の「ジャパンカップというレースがどんなものになるかもわからないし、このレースが今後どうなっていくのか、このレースがどう成長するかもわからない。よってテレビではやれない」と言う結論に達したからである[4]。 2011年はNHKの衛星放送が3波から2波に再編されたことに伴い、BSでの放送はBS1に変更された。上述のジャパンカップがBS1で放送されるようになった一方で、ヴィクトリアマイル・安田記念・エリザベス女王杯・ジャパンカップダート・中山大障害は放送されなくなった。また法令により、国会中継が休日に行われる場合や災害発生時は、国会及び災害報道に優先権が与えられる為、GIレースであっても放送は中止される(5月1日に行われた天皇賞(春)は、第177回国会において平成23年度第1次補正予算の予算委員会審議を大型連休返上で行った為[5]、競馬中継を中止した。地上波での競馬中継中止は史上初。さらに当初4月16日に開催予定だった中山グランドジャンプはBS1で放送する予定だったが東日本大震災の影響により7月2日に延期されたものの、その日には放送されなかった)。 2014年の高松宮記念は同時間にプロ野球中継(北海道日本ハムファイターズ - オリックス・バファローズ戦)が組まれたため102chの放送となった。また、2019年の菊花賞も同時間に第84回日本オープンゴルフ選手権最終日の中継と重なったため、総合テレビの012chで放送された。 2018年から中山グランドジャンプは正式に放送されなくなったが、2019年から高松宮記念が放送されなくなった代わりにチャンピオンズカップが2010年以来9年ぶりに放送されることになった。 2020年は、COVID-19の流行と感染拡大防止の為の無観客競馬になった影響で大幅に変更されている。皐月賞は総合テレビでは放送されずに、BS1で放送される予定だったが、改正・新型インフルエンザ等対策特別措置法32条に基づいて日本国政府から全国的に発令された緊急事態宣言の影響で放送予定が変更になり、桜花賞と天皇賞(春)も含めてNHKでは中継されなかった。なお、NHKマイルカップ以降は中継された。 放送時間は基本的にフジネットワーク(FNS)の地上波系番組(東日本は『みんなのKEIBA』、西日本は『KEIBA BEAT』)と同じ15時から16時までの1時間であるが、発走時刻などの関係で前後したり延長したりする場合がある。同時間帯の民放各社と異なるところは、NHKはその日のメインレースのみを放送し、放送時間内に発走する他の競走は放送しない点である。従ってCMや他レースの結果情報が一切皆無であることも手伝って、パドックに割く時間が民放やBS(グリーンチャンネル)の競馬中継よりも概ね長いことが特徴である。なお中央競馬以外では、凱旋門賞の生中継を2回放送したことがある(エルコンドルパサーの出走した1999年、ディープインパクトの出走した2006年)。 また、2019年までNHKマイルカップ当日の『KEIBA BEAT』は、フジテレビ系列の高知さんさんテレビとテレビ熊本での放送がなかった。 司会、実況等はNHKのアナウンサーが担当。
1 概要
1.1 特徴
1.2 NHKマイルカップ放送時のゲスト出演者
2 中継する競走の一覧
2.1 現在
2.1.1 総合テレビ
2.1.2 BS1
2.2 過去
2.2.1 総合テレビ
2.2.2 BSハイビジョン
3 アナウンサー
4 リポーター
5 かつて出演したアナウンサー・解説者など
5.1 アナウンサー
5.2 キャスター
5.3 解説者など
6 脚注
7 関連項目
8 外部リンク
概要
特徴