NHK少年ドラマシリーズ
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少年ドラマシリーズ(しょうねんドラマシリーズ)は、1972年から1983年にかけてNHK総合テレビジョンで放送された、主に小中学生向けのテレビドラマシリーズ[1]。1972年の『タイム・トラベラー』から1983年の『だから青春 泣き虫甲子園』まで99作品が放送された[1]
解説

1972年1月の放送開始から1973年3月までは毎週土曜18時枠、1973年度から1975年度は月曜から水曜日、1976年度と1977年度は月曜から木曜日の18時枠の帯番組として放送され、1978年度から1983年度までは特番として断続的に放送された。

SFミステリーコメディ、海外作品などバラエティ豊かな作品群を提供している。

帯番組時代は大半が東京のNHK放送センター制作だが、1973年から1977年にかけて名古屋放送局も一部の作品を制作した[2]。名古屋市とその近郊でロケが行われたものも多く、伊賀上野を舞台にしたものもあった。また、出演者が『中学生日記』と重複することもあった。東京制作分はSFものを重視していたのに対し名古屋制作分は原作ものを重視していた[2]

1973年度から1977年度まで18時台の海外ドラマは独立番組として放送されず、“少年ドラマシリーズ”の作品として放送された。

また、池上季実子古手川祐子紺野美沙子といった女優が少年ドラマシリーズで実質上のデビューを飾っている。
再評価

1970年代の作品は2インチVTRが高価であり、加えて著作権法の絡みなどから、作品の大半は放送後に上書き消去され、数作を除いてNHKには残っていないとされていた。しかし、フィルム撮影の『つぶやき岩の秘密』『ユタとふしぎな仲間たち』や当時の視聴者の録画テープを基にした『なぞの転校生』などとともに、現存していた作品は1989年前後にNHKソフトウェア(NHKエンタープライズ)のVISUAL VOOKレーベルなどからセルビデオで発売された。

その後1998年に「ドラマ愛の詩」の放送開始で少年ドラマシリーズが再認識されるようになり、1999年にインターネットコミュニティ上で有志が資料提供などを募る「少年ドラマシリーズ復刻キャンペーン」を展開。そして当時の視聴者・出演者・制作関係者から『悦ちゃん』、『蜃気楼博士』などVHSベータマックスUマチック等で録画されたビデオテープがNHKに寄贈された。NHKで歪みなどの映像修繕を経て、2001年に断片的でありつつも数編の作品がDVDビデオ化(販売元:アミューズ)され[3]、またNHKアーカイブス (施設)等でも一部の作品を視聴することが可能になっている(所蔵はされているが状態などの関係も有り、『蜃気楼博士』など現在一般には公開されていない作品もある)。NHKアーカイブス所蔵の作品に関しては、ごく一部ではあるがNHKオンデマンドで公開されインターネットで閲覧できる物も有る。ただし、松本清張原作の『赤い月』は、NHKソフトウェアから発売の「懐かしのこども番組グラフィティー・夕方六時セレクション (2)」にダイジェスト収録。また、『長くつ下のピッピ』は、アスミック・エースエンタテインメントより発売されているが(全4作)、こちらは短縮再編集された劇場公開版のため、内容は若干テレビ版とは異なり、注意が必要(吹き替えも違い、ピッピ役の吹き替えは岸田今日子。ただし、DVD版で第3作に当たる「ピッピの宝島」のみテレビ版と同じキャロライン洋子の吹き替えとなっており、この作品のみテレビ版の音声を流用した物と考えられる)。

また、映像以外の資料も公式にはあまり残されておらず、熱心な視聴者が記録を採っていたもの程度に留まるが、2001年にアスキー(現:KADOKAWAアスキー・メディアワークスブランド)からDVDビデオとの連動企画で少年ドラマシリーズのムック本、『NHK少年ドラマシリーズのすべて』が刊行されている。前述のNHKアーカイブスにも台本等の資料がわずかに所蔵されているが一般には公開されていない。
放送時間

期間放送時間
1972年度土曜日 18:05 - 18:35
1973年度 - 1975年度月曜日 - 水曜日 18:05 - 18:30
1976年度月曜日 - 木曜日 18:05 - 18:30
1977年度月曜日 - 木曜日 18:20 - 18:40
1978年度月曜日 - 木曜日 18:25 - 18:40(『ポンコツロボット太平記』のみ)
1979年度月曜日 - 日曜日 18:00 - 18:29(『七瀬ふたたび』のみ)
1980年度18:00 - 18:30(夏・冬)
1981年度18:00 - 18:40(夏・秋・冬)
1982年度18:00 - 18:30(春・夏)
1983年度火曜日 19:30 - 19:59(『だから青春 泣き虫甲子園』のみ)

作品一覧

タイトル放送期間原作制作局DVD及び現存状況
1
タイム・トラベラー[4]1972年1月1日 - 2月5日筒井康隆「時をかける少女」東京アンソロジーT(映像は最終話のみ、音声は全話現存)
2満員御礼1972年2月12日 - 3月25日渡辺茂男寺町三丁目十一番地」東京
3ミルナの座敷1972年4月1日 - 4月29日須知徳平東京
4とべたら本こ1972年5月6日 - 5月27日山中恒東京
5悲しみは海の色1972年6月3日 - 6月24日山下喬子東京
6怪人オヨヨ1972年7月1日 - 7月29日[5]小林信彦「オヨヨ島の冒険」「怪人オヨヨ大統領」東京
7少年オルフェ1972年9月2日 - 9月23日米沢幸男東京
8どっちがどっち1972年9月30日 - 10月28日大木圭東京


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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