NHK富士見ヶ丘クラブハウス
正面(2008年4月)
情報
用途クラブハウス
設計者前川國男
施工中松建設工業
NHK富士見ヶ丘クラブハウス(エヌエイチケイふじみがおかクラブハウス)は、東京都杉並区久我山の旧NHK富士見ヶ丘運動場内にあった木造2階建てのクラブハウス。前川國男が設計し、1954年に竣工。高井戸公園整備のため、2016年3月に取り壊された。
概要管理事務所は1階白壁の部屋 (2008年4月)クラブハウス東側 (2008年4月)
日本放送協会 (NHK)が所有する富士見ヶ丘運動場のクラブハウスとして1954年に竣工した。1階には、ホール、6畳和室、更衣室、浴室、厨房、トイレなどがあり、2階には食堂、厨房、6畳和室が配されている。2階の周囲には、広いバルコニーがめぐらされている。バルコニーの北側には外部階段が接続されており、建物の外部から2階に直接上がれる構造になっている [2][3]。建物の西側には、藤棚がある。
京都工芸繊維大学助教授の松隈洋(建築史家)は、「木造ながら、ル・コルビュジエの原理的な空間概念である『ドミノ・システム』のような開放的で伸びやかな空間」を生み出していると評し、「木造モダニズムの可能性を試みた意欲的な作品」であると述べている。また、彼は、回り階段や手すりのデザインについて、アントニン・レーモンドの「聖ポール教会(現在の軽井沢聖パウロカトリック教会)」の影響を指摘している[3]。
NHK富士見ヶ丘運動場は2006年3月31日に閉鎖されたが、杉並区が管理を引き継ぎ2007年3月20日に富士見ヶ丘運動場(遊び場102番)として開園、クラブハウスはその管理棟となった [4]。その後、運動場は2015年5月17日に高井戸公園整備のため再び閉鎖され、一部は8月8日より遊び場110番として暫定開放されたが、クラブハウスは開放区域には含まれず2016年3月に取り壊された。
脚注[脚注の使い方]^ a b 『建築家・前川國男の仕事』、p.288
^ ミド同人 「NHK富士見丘クラブハウス」 『新建築』1957年9月号、新建築社、p.4. なお、「富士見丘」は原文のまま。
^ a b 『建築家・前川國男の仕事』、p.135
^ 「遊び場102番(NHK富士見ヶ丘旧運動場)が開園します」 『広報すぎなみ』2007年3月11日号(No.1798)、杉並区、p.3.
参考文献
宮内嘉久 編 『前川國男作品集 -建築の方法-』 ISBN 978-4-568-60026-1、美術出版社、1990年
生誕100年・前川國男建築展実行委員会 監修(松隈洋、稲田威郎、柚花文、谷哲夫、松沢寿重、市田毅 編) 『建築家・前川國男の仕事』 ISBN 978-4-568-60036-0、美術出版社、2006年
関連項目
モダニズム建築
外部リンク.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、NHK富士見ヶ丘クラブハウスに関連するメディアがあります。