NFL
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NFLで最も人気のあるチームは、2017年から2022年にかけてのGoogle検索階数に基づくとダラス・カウボーイズである[16]。2000年代から2010年代にかけて黄金時代を築きスーパーボウル最多優勝記録を持つニューイングランド・ペイトリオッツが2位、スーパーボウル以前の時代を含めたNFLの最多優勝記録を持つグリーンベイ・パッカーズが3位となった[16]。パッカーズは、人口10万人程度の小さな都市を本拠地にし市民が所有する唯一のNFLチームであり、1試合平均7万人以上の観客動員数を誇る。シーズンチケットのキャンセル待ちの人数が非常に多いことでも知られており、入手まで平均956年を要するとされる[17]

アメリカにおいてNFLの放送は極めて人気が高く、2019年の年間視聴率TOP50のうち41番組が、TOP10のうち7番組はNFLゲームである[18]

ブラジルはメキシコに次いでファンが多い[19]
経営

NFLの年間の総収入は、2019年シーズンで160億ドルと推定されており、世界最大のプロスポーツリーグである[4]

NFLの1試合の平均観客動員数は、2012年シーズンのレギュラーシーズンで6万7000人を超えている[2]。最も多かったのはダラス・カウボーイズの8万8531人であり、最も少なかったのはオークランド・レイダースの5万4216人である[2]。レギュラーシーズンの試合数自体が各チーム17試合と非常に少なく、チケットの入手が容易ではないこともあって、観客動員は1試合の平均収容可能人員の90%以上に相当する動員を記録している[2]。収益力においてはレギュラーシーズン各チーム162試合のメジャーリーグや82試合のNBAなどを圧倒的に凌駕している。
所有権と本拠地の移動

NFLチームが高収益を上げる魅力的な投資対象であるため、チームの所有権はしばしば売買対象となる。1983年から2023年の40年間に、32チーム中19チームの所有権が移動した。

また各チームは収入を上げるため、より価格の高い特別席の割合を増やした新スタジアムの建設を追求し、建設に公的資金の投入を求めることが多い。建設ができない場合、有利な条件を求めて本拠地を移動することがある。1983年から2023年の間、6チームが本拠地を移動した。
レベニュー・シェアリング詳細は「レベニュー・シェアリング」を参照

レベニュー・シェアリングは40年以上前にその仕組みの原型は完成している。全試合の入場料収入の40%、放映権料、グッズ売り上げ、全国スポンサー収入などを一括してリーグが基金に吸収した上で、全チームに同額を配分している。これにより小都市のチームも大都市のチームに比肩する収入を得ることができる。
サラリーキャップ詳細は「サラリーキャップ#NFL」を参照

サラリーキャップというチームに所属する全ての選手の年俸の総額に、全チーム共通の上限金額および下限金額を設ける制度を導入し、かつ厳しく運用しているため、球団の支出は抑制され健全な経営を実現している。それでもNFL選手の年俸は特にトップクラスの選手を中心に非常に高い。フォーブスの2016年時点での調査によると、世界のアスリートの年収ランキングトップ100では、NFLの選手が21名ランクインしてメジャーリーグの26名に次いでおり、サッカーやNBAよりも多かった。また、NFLの選手で最も年収が多いのは、2023年シーズンのボルティモア・レイブンズラマー・ジャクソンであり、推定8150万ドルであった[20]。サラリー・キャップ順守が危うい場合、チームは高年俸選手を放出することが多い。
健全経営

レベニュー・シェアリングによる収入確保とサラリーキャップによる支出抑制が相まって、NFLはアメリカの4大スポーツリーグで最も健全な運営を行うリーグであり、ほぼ全チームが黒字経営である。ただし、年によっては赤字経営となったチームもあり、2005年度はニューオーリンズ・セインツが唯一の赤字経営球団となったが、これはハリケーン・カトリーナの影響でホームスタジアムが使えず、サンアントニオなどで公式戦を行ったからである。また、2020年シーズンはCOVID-19のために無観客試合が多数あり、多くのチームが赤字に転落した。

毎年の収支を公開する唯一のチームであるグリーンベイ・パッカーズ2021年シーズンの収支では、リーグからの全チーム同額の分配金が3億4700万ドルであり、入場料収入の60%が大部分を占める自前の収入は2億3100万ドルであった[3]。その結果、収支は7700万ドルの黒字となっている。
資産価値

スポーツチームの資産価値トップ50(2022年)[21]順位リーグチーム数
1NFL30
2NBA7
3MLB5
4プレミアリーグ4
5ラ・リーガ2
6ブンデスリーガ1
リーグ・アン1

高い人気による高収入とサラリーキャップによる健全経営の結果、NFLチームの資産価値は高い。アメリカの経済誌フォーブス2022年に発表した世界のメジャースポーツの各チームの資産価値の格付けランキングでは、ダラス・カウボーイズが80億ドルであり、NFLで最も資産価値が高いチームであると同時に、サッカークラブのレアル・マドリードなどを上回り、全世界のスポーツチームで1位となった[21]
戦力均衡の追求

NFLのリーグ運営は設立当初から「スポーツの魅力とは最高のレベルで戦力の均衡したチームが繰り広げる競争状態である」という理念のもとに行われている。そのため、戦力や資金力が特定のチームにだけ片寄ってしまうことのないように様々な戦力均衡のための制度が導入されている。

レベニュー・シェアリング (Revenue sharing)、サラリーキャップ、ウェーバー制ドラフトなどにより資金力と戦力を均衡させ、ニューヨークのような大都市にあるチームも、グリーンベイのような地方の小都市にあるチームも、可能な限り対等な条件で戦う仕組みを作っている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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