NFL
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レギュラーシーズンの試合数自体が各チーム17試合と非常に少なく、チケットの入手が容易ではないこともあって、観客動員は1試合の平均収容可能人員の90%以上に相当する動員を記録している[2]。収益力においてはレギュラーシーズン各チーム162試合のメジャーリーグや82試合のNBAなどを圧倒的に凌駕している。
所有権と本拠地の移動

NFLチームが高収益を上げる魅力的な投資対象であるため、チームの所有権はしばしば売買対象となる。1983年から2023年の40年間に、32チーム中19チームの所有権が移動した。

また各チームは収入を上げるため、より価格の高い特別席の割合を増やした新スタジアムの建設を追求し、建設に公的資金の投入を求めることが多い。建設ができない場合、有利な条件を求めて本拠地を移動することがある。1983年から2023年の間、6チームが本拠地を移動した。
レベニュー・シェアリング詳細は「レベニュー・シェアリング」を参照

レベニュー・シェアリングは40年以上前にその仕組みの原型は完成している。全試合の入場料収入の40%、放映権料、グッズ売り上げ、全国スポンサー収入などを一括してリーグが基金に吸収した上で、全チームに同額を配分している。これにより小都市のチームも大都市のチームに比肩する収入を得ることができる。
サラリーキャップ詳細は「サラリーキャップ#NFL」を参照

サラリーキャップというチームに所属する全ての選手の年俸の総額に、全チーム共通の上限金額および下限金額を設ける制度を導入し、かつ厳しく運用しているため、球団の支出は抑制され健全な経営を実現している。それでもNFL選手の年俸は特にトップクラスの選手を中心に非常に高い。フォーブスの2016年時点での調査によると、世界のアスリートの年収ランキングトップ100では、NFLの選手が21名ランクインしてメジャーリーグの26名に次いでおり、サッカーやNBAよりも多かった。また、NFLの選手で最も年収が多いのは、2023年シーズンのボルティモア・レイブンズラマー・ジャクソンであり、推定8150万ドルであった[20]。サラリー・キャップ順守が危うい場合、チームは高年俸選手を放出することが多い。
健全経営

レベニュー・シェアリングによる収入確保とサラリーキャップによる支出抑制が相まって、NFLはアメリカの4大スポーツリーグで最も健全な運営を行うリーグであり、ほぼ全チームが黒字経営である。ただし、年によっては赤字経営となったチームもあり、2005年度はニューオーリンズ・セインツが唯一の赤字経営球団となったが、これはハリケーン・カトリーナの影響でホームスタジアムが使えず、サンアントニオなどで公式戦を行ったからである。また、2020年シーズンはCOVID-19のために無観客試合が多数あり、多くのチームが赤字に転落した。

毎年の収支を公開する唯一のチームであるグリーンベイ・パッカーズ2021年シーズンの収支では、リーグからの全チーム同額の分配金が3億4700万ドルであり、入場料収入の60%が大部分を占める自前の収入は2億3100万ドルであった[3]。その結果、収支は7700万ドルの黒字となっている。
資産価値

スポーツチームの資産価値トップ50(2022年)[21]順位リーグチーム数
1NFL30
2NBA7
3MLB5
4プレミアリーグ4
5ラ・リーガ2
6ブンデスリーガ1
リーグ・アン1

高い人気による高収入とサラリーキャップによる健全経営の結果、NFLチームの資産価値は高い。アメリカの経済誌フォーブス2022年に発表した世界のメジャースポーツの各チームの資産価値の格付けランキングでは、ダラス・カウボーイズが80億ドルであり、NFLで最も資産価値が高いチームであると同時に、サッカークラブのレアル・マドリードなどを上回り、全世界のスポーツチームで1位となった[21]
戦力均衡の追求

NFLのリーグ運営は設立当初から「スポーツの魅力とは最高のレベルで戦力の均衡したチームが繰り広げる競争状態である」という理念のもとに行われている。そのため、戦力や資金力が特定のチームにだけ片寄ってしまうことのないように様々な戦力均衡のための制度が導入されている。

レベニュー・シェアリング (Revenue sharing)、サラリーキャップ、ウェーバー制ドラフトなどにより資金力と戦力を均衡させ、ニューヨークのような大都市にあるチームも、グリーンベイのような地方の小都市にあるチームも、可能な限り対等な条件で戦う仕組みを作っている。

サラリーキャップは上限だけでなく下限も規定しており、チームが利益を優先して出費を渋ることを防いでいる。2013年-2016年および2017年-2020年は、それぞれの4年間の総額が上限の88.8%を下回ることができないと定められている。下回った場合の差額はその4年間にチームに属した選手に分配される。ただしサラリーキャップ下限の導入は、戦力均衡のためというよりは、年俸上昇を求める選手会との交渉の結果である[22]

各チームは価格の高い特別席を増やし、ローカルスポンサーを得るなどして収入を増やし、サラリーキャップ対象とならないスタッフ報酬や施設改善に投資してチーム強化を図る傾向がある。

対戦チーム分析のカギとなるスカウティング映像(対戦相手の戦術分析用の映像)についても、リーグ機構がこれを撮影・管理しており、これを全チームが同条件で共有している。また、ドラフトで指名される可能性のある大学選手の情報についても、同様である。例えば、あるチームが知名度の低い大学に知られざる逸材を発見したとしても、その選手に関する調査を開始する前にリーグに通知しなければならない。リーグは直ちにその選手のスカウティング映像を得るため撮影チームを送り込み、その映像は全チームで共有されることになる。また、その選手を見つけたチームが、他チームより前にその映像を見ることは許されない。

さまざまな戦力均衡策が実を結び、サラリーキャップが導入された1994年シーズン以降でスーパーボウル連覇を達成したチームは、サラリーキャップ導入をまたいで連覇したダラス・カウボーイズを含めて、3チームのみで(1993年-1994年ダラス・カウボーイズ、1998年-1999年デンバー・ブロンコス、2004年-2005年ニューイングランド・ペイトリオッツ)、3連覇を達成したチームは出ていない(2022年シーズン終了時点)。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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