ネム
作者Jaguar, Gimre, BloodyRookie 他
開発元Jaguar, Gimre, Hatchet
初版2015年3月31日 (9年前) (2015-03-31)
リポジトリhttps://github.com/NemProject
NEM(ネム)とは、分散化、経済的な自由、平等といった原則に基づいた新しい経済の枠組みを確立することを目標としたプロジェクトで利用されるブロックチェーンである[1]。2015年3月31日に開始された[2]。ネイティブ通貨はXEM(ゼム)[3]。主な機能として、P2Pセキュアなマルチシグ(多重署名)アカウント[4]、暗号化メッセージングシステム、Eigentrust++評判システム[5]が組み込まれている。電子署名アルゴリズムとしてED22519を採用する[6]。
また、NEMの機能をアップグレードさせた後継ブロックチェーンにSymbolがある。今後NEMはSymbolのサブチェーンとして統合されていく予定である[7]。 2014年1月19日、Nxt XEM NEMでは、内部通貨として「XEM」が規定され、総発行量は約90億(8,999,999,999)XEMである。これはNEMが公開された時に全て発行され、新規発行される事はない。XEMは取引手数料の支払いや、ハーベストと言われる取引承認作業を行なった人への報酬として使用される[3]。 NEMはコンセンサスアルゴリズムとしてProof-of-Importance(PoI)を採用し、ブロック生成するプロセスをハーベストという。 PoIでは、NEMアカウントの重要度(インポータンス)が所有しているXEMの数とウォレットとの間の取引数や取引額によって決まり、約1分ごとにブロックの中に入っている手数料が重要度によってウォレットに対してランダムに配分される。ただし、配分される権利はNEMアカウントの既得バランスが10,000XEM以上の保有アカウントに適用される[20]。 NEMでは、トークンを発行する機能があり、そのトークンをモザイクと呼ぶ。内部通貨XEMはモザイクの一種であり、初めから組み込まれているトークンである。トークンを作成するには、ネームスペース領域にてドメイン名を作り、その下にてモザイクを作ることになっている。またモザイクは、以下の属性を持つ[21][22]。 マルチシグとは複数当事者による署名機能である。NEMでは、指定されたウォレットからの署名が揃うまではトランザクションがウォレットに保存されず、ネットワークにブロードキャストされない。その代わりに、まず署名されてノードに送信されたらメモリに保存され、残りの署名者によって署名される仕組みになっている。つまり、一連の仕組みはブロックチェーン上で完結できるようになっている。 またマルチシグ機能は、以下のようになっている。 それにより、あるウォレットがハッキングで秘密鍵を見られて不正ログインされても、別のウォレットが署名しない限り、XEMをはじめとするトークンを送信できないようになる[21][23]。 NEMはウェブベースのアーキテクチャを採用する。各ノードはWebサーバー、データベース、コアアプリケーションで構成され、各アカウントはそれらを用いてハーベストや取引記録の保存を行う。そのノードをNEM Infracture Server(NIS)という。また、各ノードはP2Pの接続形態で相互に同期する。ウォレットはクライエントとして動作し、APIを通じてノードに接続する仕組みとなっている。つまりクライエントとサーバーが分離して処理をしている[24]。 NEM WalletとはNEMの公式ウォレットであり、XEM、モザイク、及びメッセージを送ることができる。またハーベストの設定やオンチェーンマルチシグ、ネームスペースの登録およびモザイク作成、NEMを使ったDNSサービス、アポスティーユ公証サービス等を行える[25][26][27]。 NEMは評判システムとしてEigentrust
歴史
特徴
使用
国・地域 世界
総発行量8,999,999,999 XEM
補助単位
10?6μXem (microXem)
10?3mXem (milliXem)
通貨記号XEM
XEM
ハーベスト
トークン資産管理機能
Description(説明):モザイクの説明文
Divisibility(可分性):モザイクを小数点まで分割できるようにする
Information(情報):プロパティに入れることができる任意のバイト配列
Namespace(名前空間):NEMにおけるドメイン名
Name(名前):モザイクの名称
Mutable quantity(可変発行量):流通させるモザイクの総量
Transferability(譲渡性):誰と譲渡できるのかを設定する
Levy(課徴金):モザイクの取引における手数料を設定する
オンチェーンマルチシグ
M of N 機能:N人が署名権限を持ち、そのうちM人以上が揃えば署名できる機能
署名者の追加と削除
TTLトランザクション:トランザクションに署名できる有効期間(最大24時間)
アーキテクチャNEMアーキテクチャーの概要
NEM Wallet
ノード評価システム
脚注[脚注の使い方]^ “ネム(NEM)とは?
^ a b “ ⇒NEM Launches, Targets Old Economy with Proof-of-Importance”. Coin Telegraph. Coin Telegraph. 2018年2月4日閲覧。
^ a b “仮想通貨ネムとは|初心者でもわかる仕組みとユースケースを紹介
^ “Blockchain Project Thinks Microsoft Azure License Agreement Goes Too Far
^ a b “ ⇒This Cryptocurrency Doesn't Want to Beat Bitcoin, It Wants to Beat the Economy”. Motherboard. 2018年2月4日閲覧。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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