NBAサラリーキャップ
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NBAサラリーキャップ(NBA salary Cap)とは、アメリカ男子プロバスケットボールリーグのNBAにおいて、各チームが保有する個々の選手の契約額、および全選手の契約年俸の総額を、毎年一定の上限を設けて規定する制度である。金額や条件などに関してはリーグとNBA選手組合との間での取り決めであるCBA(Collective Bargaining Agreement;NBA団体交渉協約)で定められている。大半のリーグ(NFL、NHL、MLSなど)がハードキャップであるのに対し、NBAはいくつかの例外条項に限ってサラリーキャップの上限を超えることが認められるソフトキャップを採用している。そのため、キャップを超過した総額での契約が可能であるので、更にその上に超過に応じた課徴金としてラグジュアリータックス(Luxury tax)を設定している。選手を育成しても年俸の上昇によって制限額を超過してしまい、手放さざるをえなくなるという悪循環から逃れる為、ソフトキャップを採用している。実際のサラリーキャップ総額は、リーグの前シーズンの収益から算定され、シーズン毎に変更される。例えば2007-2008シーズンのサラリーキャップは、およそ5,500万US$で、2008-2009シーズンは、5,868万US$であった。[1] 多くのプロスポーツリーグと同様に、NBAも財務状況に応じてキャップを設定しており[2]2014-2015シーズンのサラリーキャップは、6,306.5万US$で、ラグジュアリータックスは7,680万US$であった[3]。2011年のCBAでは、将来のシーズンのサラリーキャップは、リーグ収益により変更すると規定されている。2015-16シーズンのキャップは当初、6710万ドルと推定されていたが、結局7,000万ドルの大台にのり、タックスレベルは8,470万ドルに決定した[4][5]。2017年1月19日、NBAとNBA選手会は、新たなCBAを締結したことを発表し[6]、協定は2017年7月1日から2023-24シーズン終了まで適用される[7]
用語/凡例



サラリー = 年俸

キャップ = 制限

2011年 CBA = 2011年発効のCorrective Bargaining Agreement(NBA労使協定)2011-2021まで

マキシマム/マックス = 上限

ミニマム = 最低



シーズン = 通常10月にレギュラーシーズンが開幕し、翌年6月のファイナルで終了するNBAの1回の開催期間

BRI,(Basketball Related Income,) = バスケットボール関連収益

ラグジュアリー・タックス = 贅沢税

エクセプション = 例外



歴史

NBAにおけるサラリーキャップの歴史は古く、1940年代半ばに規定されたが、1シーズンのみで廃止された。リーグは1984-1985シーズンに向けて、アメリカ四大メジャースポーツ初となる本格的サラリーキャップ制を導入した1984年まで、サラリーキャップ無しで運営された。2005年発効の CBAで、サラリーは、バスケットボール関連収益(Basketball Related Income,BRI)の57 %に設定され、2011年7月30日まで、6年間継続された[8]。2011年発効のCBAで、サラリー配分は、BRIの51.2 %(30チーム分)で合意され、2011-12シーズンが開催された[9][10]。2011-2012シーズンのBRIは、33.75億ドルで、2012-13シーズンで42.93億ドル、2013-14シーズンで45.22億ドルと増加を続けている。
キャップ額の決定方法

サラリー・キャップ額はオフシーズンのジュライ・モラトリアム期間に決定され、この時点でモラトリアムは終了する。基本的な算出方法は、迎えるシーズンのBRIの予測値から利益予測値を減じ、これをリーグ所属チーム数で除して算出される。予測値は、リーグとNBA選手組合との間で協議され決定する。モラトリアム期間内に協議が整わない場合は、予め準備された方法で設定する。

キャップ導入後のNBAのサラリーキャップと選手の平均サラリーを下図に示した。[11][12][13]

サラリーキャップ

プレーヤー平均サラリー



ハードキャップに対するソフトキャップ詳細は「サラリーキャップ」を参照 NBAサラリーキャップ構成

チーム戦力の均等化を最重視し、ハードキャップ制を採用しているNFLNHLは、一切の例外認めず、従って、課徴金制度もない。これらとはと異なり、NBAでは所謂ソフト・キャップ制を採用しており、フランチャイズがプレーヤーと契約を結ぶ際にキャップの超過を許容する特徴的な例外事項設けている。これは、フランチャイズが、所属選手(フランチャイズ・プレーヤー)に対するファンからの応援を培う事を目的としている。キャップ制度がなく、サラリーに制限のないMLBの場合は、チーム戦力に偏りが生じる傾向にあるが、ラグジュアリー・タックスを設け、これを原資にリーグ全体の振興を図っている。NBAでは、ソフトキャップ制と並行してラグジュアリー・タックスを設定し、徴収分をリーグ、チームに分配することで、大きな市場を持ち財政が潤沢なチームがフリーエージェント市場を独占できないようにしている。
マキシマム選手契約

選手が契約できるマキシマム(上限)・契約、いわゆるマックス契約は、リーグ在籍年数と総サラリーキャップに基づいて算定され、6年以下の選手では、900万ドル或いはサラリーキャップの25%(サラリーキャップが5,867.9万ドルの2013-14シーズンで14,670,000ドル)、7年から9年の選手では、上限は1,100万ドル或いはサラリーキャップの30%(2013-14シーズンで17,603,700ドル)、10年以上の選手の上限は1,400万ドル或いは総サラリーキャップの35%(2013-14シーズンで20,537,650ドル)で、いずれもどちらか多い方である。[14] NBAの上限の制限に関する例外として、選手は前回の契約の105%の金額で上限を超えても契約ができる。[15]

NBAマキシマム・サラリー/2011年CBA[16]経験年数算定基準2011-20122012-20132013-20142014-20152015-20162016-2017


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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