N,N-ジメチルホルムアミド
IUPAC名
N,N-dimethylmethanamide
別称DMF, dimethylformamide, N,N-dimethylformamide, DMFA
識別情報
CAS登録番号68-12-2
?61 °C, 212 K, -78 °F
沸点
153 °C, 426 K, 307 °F
水への溶解度混和
蒸気圧0.3 kPa (20 °C)
屈折率 (nD)1.4305 (20 °C), εr = 36.71 (25 °C)
粘度0.92 cP (20 °C)
構造
双極子モーメント3.86 D (25 °C)
危険性
安全データシート(外部リンク) ⇒JT Baker
主な危険性可燃性
NFPA 704210
RフレーズR61 R20/21 R36
SフレーズS53 S45
引火点58 °C
関連する物質
関連するアミドアセトアミド
ホルムアミド
ヘキサメチルリン酸トリアミド
関連物質ジメチルスルホキシド
アセトニトリル
N-メチルホルムアミド
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
N,N-ジメチルホルムアミド (N,N-dimethylformamide, 略称DMF)は、有機化合物の一種[1][2]。常温では無色で微かにアミン臭(純粋な場合は無臭)の液体。石油系炭化水素とは混合しないが、それ以外のほとんどの有機溶媒や水と任意の割合で混合する[1]。
引火性液体であり、日本では消防法により危険物第4類(第2石油類)に指定されている[2][3]。作業環境の管理濃度は、10ppmである[3]。 液体、気体、イオン性化合物、共有結合性化合物を問わず、多くの無機・有機化合物を溶解するので非プロトン性極性溶媒として好んで用いられる[2]。アニオンを溶媒和しにくいので、SN2反応はDMF溶媒下では加速される。ただし強酸あるいは強塩基の共存下で保存していると徐々に一部がギ酸とジメチルアミンとに分解される。 またカルボン酸からカルボン酸クロリドを合成する際に、塩化チオニル (SOCl2) 等の塩素化剤のほかに触媒量のDMFを添加すると、より穏和な条件でカルボン酸クロリドを生成できることが知られている。これは、DMFと塩素化剤から生成するN,N-ジメチルクロロホルムイミニウム(ビルスマイヤー試薬)が触媒的に作用しているためとされる。DMFの共鳴構造式 実験室的にはジメチルアミン塩酸塩とギ酸カリウムを加熱し、蒸気として発生するDMFを捕集することで得られる[2]。 工業的には、一酸化炭素を出発原料とするギ酸メチルと、メタノールとアンモニアから触媒により製造されるジメチルアミンとを、金属アルコラート存在下で反応させる[2]。アンモノリシス反応の一種である。 もっぱら溶媒として使用され、工業的にはアクリル繊維(ポリアクリロニトリル)の合成と湿式紡績の溶媒として大量に利用される[1]。
性質
製法
用途
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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