Nのために
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Nのために
n
著者
湊かなえ
発行日2010年1月29日
発行元東京創元社
ジャンル推理小説
日本
言語日本語
形態四六判上製
ページ数246
公式サイト ⇒Nのために 東京創元社
コードISBN 978-4488024550
ISBN 978-4575517040A6判

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『Nのために』(エヌのために)は、湊かなえ推理小説2010年1月29日に単行本が東京創元社から出版され、2014年8月23日には双葉社から双葉文庫版が刊行された。

2014年10月期に、TBS系でテレビドラマ化された。
概要

この小説は五章に分けて、各章の末尾に十年後が描かれている。第一章では希美・成瀬・西崎・安藤の各々の証言と希美の十年後が描かれ、第二章では成瀬の視点で主観を物語り、第三章では前半は西崎が描いた小説『灼熱バード』の内容、後半は安藤の視点で主観を物語り、第四章では希美の視点で主観を物語り、第五章では西崎の視点で主観を物語り、希美の十年後が描かれている。

タイトルの通り、主要登場人物は全て「N」のイニシャルが付いている。
登場人物
主要人物

登場人物の内容・年齢は、12月24日にスカイローズガーデン 48階の野口宅で野口貴弘と妻の奈央子が死亡した当時による。
杉下希美(すぎした のぞみ / Nozomi sugishita)〈22〉
K大学文学部英文科4年生。野バラ荘 102号室に住んでいる。小柄。将棋が趣味。推理小説好き。成瀬とはともに高校卒業するまで愛媛県の青景島に住んでいたが、それほど親しい間柄ではなかった。しかし、共通の趣味である将棋を通じてから成瀬と親しい間柄となる。清掃会社でアルバイト中。大手住宅メーカーに内定。高校2年の秋頃までは壁も屋根も真っ白の洋館に住んでいたが、父の晋が愛人を連れて追い出されてからは、島の山頂にある幽霊屋敷に住み始める。高校卒業と同時に幽霊屋敷を出る。事件当時は野口家に招かれて、野口貴弘と将棋をしていた。事件から10年後、余命半年の宣告をうける。
成瀬慎司(なるせ しんじ / shinji Naruse)〈22〉
T大学経済学部国際経済学科4年生。タチバナアパートに住んでいる。大柄。将棋が趣味。ミルクたっぷりのマイルドなコーヒーが好み。誕生日は事件がおこる日と同じ12月24日。希美と同様に高校卒業するまで愛媛県の青景島に住んでいた。共通の趣味である将棋を通じてから希美と親しい間柄となったが、店をたたむ予定だった実家の料亭「さざなみ」が火事で被害を受けてから、彼女と疎遠の関係となる。1年前の高校の同窓会で久しぶりに希美と会う。大学在学中にフレンチレストラン「シャルティエ・広田」でアルバイトしていたが、同じところに就職する。事件当時は「シャルティエ・広田」の従業員として野口家の出張サービスに出かけ、サービスを振舞おうとした。事件から10年後、故郷の海の近くにレストランを開業する。
安藤 望(あんどう のぞみ / Nozomi andoh)〈23〉
M商事営業部プロジェクト課勤務。歴史小説好き。年下の希美には「安藤」と呼び捨てで呼ばれている。1年前まで、とある大学の理工学部化学科に在籍しており、希美・西崎と一緒に野バラ荘に住んでいた。過去に台風で野バラ荘の1階に住んでいる希美・西崎の部屋が床上浸水してしまったときに、2階にある自身の部屋に招いてから2人とは親しくなった。将棋は希美から教わった。高校まで希美と環境が似ている長崎県の島で育った。両親はともに島の役場勤め。事件当時は野口家に招かれていたが、事件が起こってから希美に足止めされて野口家の中には入っていない。事件から10年後も、引き続きM商事営業部に勤務している。
西崎真人(にしざき まさと / masato Nishizaki)〈24〉
M大学法学部法律学科4年生。野バラ荘 101号室に住んでいる。自称・作家だが、1度だけ一次選考に残った作品がある。色白で線が細くて、鼻筋が通っている美男子。幼い頃に母から虐待をうけた関係で、痣を隠すために1年中長袖を着ている。『灼熱バード』は幼い頃の自分を描いた作品である。希美と安藤に見せたが、ともに最後まで読むことはなかった。事件当時は、奈央子の依頼で花屋に扮して野口家に入り、奈央子を救出しようとした。その後、野口貴弘と奈央子を殺害したことを警察に自供し現行犯逮捕された。事件から10年後、刑期満了に伴って刑務所から出所した。
野口貴弘(のぐち たかひろ / takahiro Noguchi)〈42〉
M商事営業部プロジェクト課長。安藤の上司。大の負けず嫌いで手柄を独り占めしたがる。父が資産家で「みどりビル」のオーナー。珊瑚のボランティア会員であることをブログに記載している。このブログを希美と安藤が見たことがきっかけで、スキューバダイビングを始め、石垣島で親しい間柄になる。会社内で奈央子の不倫の噂が広まって以降、彼女が外出できないように玄関ドアの外側にドアチェーンをつける。事件当時は、書斎で希美と将棋をしていた。燭台で後頭部を殴られて亡くなった。
野口奈央子(のぐち なおこ / Naoko noguchi)〈29〉
野口の妻。M商事 専務の娘で、結婚するまでM商事の受付嬢をしていた。野口から虐待を受けていて、不倫の噂が出てからは外出できなくなった。『灼熱バード』を呼んで涙を流し、西崎とお互いの傷口を舐め合って励まし続けた。事件当時は、花屋に扮した西崎に希美を連れていくように指示を出す。包丁で刺した脇腹の出血により亡くなった。
杉下希美の家族
杉下晋(すぎした すすむ)
杉下希美の父。婿養子になり、傾きかけた会社経営を立て直した。早死にする家系(ただし、祖父は38歳で戦死、父は48歳で交通事故死)であり、余生を自由に暮らしたいことが理由で、希美が高校2年の秋頃に、突然愛人を連れて、母・希美・洋介を洋館から追い出した。今もなお生きている。
杉下希美の母
島の皆からは「白いお城のお嬢様」と呼ばれている。浪費癖があり、晋に家を追い出されて家計が苦しくなっても、化粧品や洋服を買いたがっていた。
杉下洋介(すぎした ようすけ)
杉下希美の弟。中学3年の秋頃に希美と母とともに洋館を追い出され、幽霊屋敷に住み始める。中学卒業後は、寮のある本土の高校に進学する。
その他
野バラ荘の管理人
築70年経つ「野バラ荘」80歳すぎの管理人。妻は10年前に他界している。希美とは将棋友だち、西崎とは茶飲み友だち。土地開発業者が来るたびに断り続けている。
西崎の最初の母
西崎の幼少期に虐待をし、それを愛と信じ込ませていた。タバコの不始末により焼死した。
鈴木健一
幼少期の西崎の担任で、西崎母の不倫相手。
書籍情報

単行本:
東京創元社、2010年1月27日 ISBN 978-4488024550

文庫本:双葉文庫双葉社)、2014年8月15日 ISBN 978-4575517040

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