Mod_(コンピューターゲーム)
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mod(モド、モッド、modificationの短縮形[1])とは、主にパソコンゲームの改造データのこと。

日本や中国では大文字によるMOD表記が広まっている。不具合修正の意味合いが強い物はパッチと呼ばれる。

ゲームのグラフィックや様々なデータを改造するプログラムやファイルの総称。MODを導入することによってそのゲームを改造・変更(Modification)し、そのゲームのグラフィックエンジンや物理エンジンなどの基本システムを用いつつ、本編とは別のシナリオやグラフィック、モデル、システムで遊べるようになる。単にMODと呼ばれるものの場合、大抵は有志によって制作されるものを意味する。MOD制作者は作りたいMODの目的に応じて3Dグラフィック制作ソフト、ペイントソフト、スクリプトを組むためのテキストソフトなどを活用し、目的のMODを作っていく。

MODでできることは後述するMODの種類及び適用例で示す通り多岐に及ぶ。既存のキャラクターやアイテムの外観を変更するもの、新たなキャラクターやアイテムを追加するもの、音を変更するもの、ゲーム内の環境光の設定を変えてグラフィックのリアルさを高めるもの、スクリプトで新たな機能を付加するもの、マップを大幅に変更するもの、ゲームそのものを全く作り変えるものまで様々である。

MODが盛んなゲームのコミュニティにおいては、オリジナルの状態は「バニラ」と呼ばれる[1]
歴史

1990年代、海外では開発の難しいFPSのような3Dゲームにおいて、技術力のあるゲームメーカーのゲームエンジンを利用して数多くのMODが作られた。1980年代のようにフロッピーディスクを実際に送る等のシステムでは公開が難しかったが、インターネットの普及により、素人でも自作MODを簡単に公開、配布できるようになったことが普及に拍車をかけた。特に有名なのが『DOOM』や『Quake』のMODである。『DOOM』の本体自身も当時革新的なインターネットによるダウンロード販売であり、ネットの普及が進んでいた海外においてはMODの公開サイトが多数立ち上げられ、素人の作品から本家を凌ぐ作品、『DOOM』とは別物にまで変わった優れた作品まで多数現れた。『Quake』のMODとして『Quake』をまったく新しいX-Menのゲームに変える『X-Men Quake』、SFアクションに変える『MALICE for QUAKE』など、ゲームそのものを完全に別物に変化させるMODをトータルコンバージョンという[2]

2000年頃にはゲームソフト自体も、最初からMODも適用できることを前提とした作りのものが増えた。たとえば『QuakeIII』や『Quake4』はメニュー画面に既にMODの項目が存在する、Half-LifeエンジンやSourceエンジンで動くMODはSteamを通してダウンロードできる。有名な例として『ハーフライフ』のMODである『カウンターストライク』や、『バトルフィールド1942』のMODである『Desert Combat』や『Forgotten Hope』、『Forgotten Hope Secret Weapon』等があげられる。特に『カウンターストライク』は、シングルプレー専用であった『ハーフライフ』というゲームそのものを変えてしまったMODとして、「奇跡の1品」や「MODのありかたを変えた1品」という言われ方をする。2010年代後半には、Bethesda Softworksの『Fallout4』や『The Elder Scrolls V: Skyrim Special Edition』等、PCで作成されたMODをゲーム機へ適用させる試みも始まった。

このように、MODは海外を中心に多数のユーザーによって制作されてきた。一方で、全てのソフトメーカーがMODを好意的に受け止めているわけではなく、ユービーアイソフトは以前[いつ?]からMODに不寛容な事で有名で、人気タイトルでもMODは殆ど存在しない。また、かつてMODフレンドリーだった製作会社が方針を変更し、MODに厳しくなる傾向も見られるようになっている。著名なソフトだと『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』や『バトルフィールド バッド カンパニー2』が該当する。以前は両シリーズ共にMODツールが提供されていたものの、現在ではツールが提供されていない。その上、ファイルに暗号化を施し容易にデータを閲覧することもできなくなっている。
チートとの関係「チート」も参照

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}「チート」とはズル、不正、などを意味する言葉で、そのような目的で作られたMOD(チートMOD)も存在する。[要出典]

チートとMODの概念上の違いを言えば、チートがゲーム内のデータを改変して難易度を下げるようなものを意味するのに対し、MODは改変するデータ・プログラム全体を指す。つまりゲームの難易度とはそもそも関係のないもの、あるいは逆にゲームの難易度を上げるものなども含み、改変データ全般を意味するのがMODである。またチートはゲームソフトに最初から導入されているものもあるのに対し、MODは外部の有志が制作することを前提としている。よってMODはチート(チートMOD)の上位概念とはなりうるが、逆は成り立たず、また同位概念とも言えない。[要出典]

例えばアクションゲームにおいて、主人公の体力と防御力を増やすMODがあったとする。これは機能的には間違いなくチートとなる。一方でキャラクターの外観を変えるMODは、それは単に見た目が変わるだけであり、パラメータを変更してプレイヤーに有利になる機能はないのでMODではあるがチートではない。そして単にMODと言った場合、前者のチートMODも後者のキャラクターMODも含むものとなる。この場合、MODはチートMODとキャラMODの上位概念であり、チートMODとキャラMODは同位概念となる。[要出典]

またあるゲームで、公式の機能としてチートコマンドが入っていた場合。これもまた機能的にはチートではあるが、実装したのは有志ではなくそのゲームを開発したソフトメーカーであり、そもそもMODとはならない。つまり公式チートにとってはMODは上位概念ではなく、MODと公式チートは同位概念でもない。[要出典]
公式MOD

有志制作のMODと類似したものとして、メーカーが制作し追加データの商品として発売する「拡張パック」などと呼ばれるものがある。既存のゲームのデータを変更したり、新たな要素を付加すると言う機能的な面を比較すれば、有志制作のMODと基本的には同じ目的を持つ。但しメーカーが制作し頒布しているという点で有志制作のMODとは明確に異なり、短所の項目で述べるような動作保証外によるユーザーの自己責任という問題はない。家庭用ゲームでもお馴染みとなったダウンロードコンテンツもこれに該当する。

これらはメーカーが制作することから、グラフィックエンジンなどの基幹システムさえも本編とは違う場合もあるが、MODと同様に本編のシステムをベースに純粋にシナリオやグラフィックを拡充したものもある。例としては『ゴースト・リコン』の拡張パックである『デザートシージ』、『アイランドサンダー』、また『バトルフィールド1942』の拡張パックである『シークレット・ウェポン』、『ロード・トゥ・ローマ』。現在でこそ単体作品としても販売されているが、『ハーフライフ』の『Opposing Force』と『Blue Shift』といったものである。

公式MODには、ゲームメーカーからライセンスを受けた別の会社が制作・販売する物もある。『Quake』の公式トータルコンバージョンは1、2あわせて4つ出ているが、製作はid以外の3社である。またマイクロソフト・フライトシミュレーターシリーズでは、機体や空港のデータを改造及び追加するアドオンソフトが多数販売されている。
MODの種類

MODには以下のようなものが多く見られるが、実際にはここの分類に単純に当てはまらないものも多い。
グラフィックの変更
3Dモデルやそれに貼り付けるテクスチャ、2Dゲームであればスプライトの画像データを変更することによって、登場するキャラクターや様々なオブジェクトの外観を変更するもの。古典的なMODで、様々なゲームでグラフィックを変更するMODが発表されている。
キャラクターなどの追加
ゲーム内で使用するキャラクターやアイテム、マップなど、ゲームに新たなデータを付け足すもの。元のゲームを損なうことなく行われるものは特に「アドオン(Addon)」や「プラグイン(Plugin)」とも呼ばれる。
スクリプト
ゲーム内で使えるスクリプトを組み、新たな機能を付加したもの。
トータルコンバージョン
ゲームを全体的に変更するもの。
言語
ゲーム自体が適用していない言語に対応させるもの。日本語化されていないゲームに、日本語の字幕や説明を表示させるものなどが当てはまる。
オフライン大会用コンフィグ(調節・設定)
コンフィグを持ち込む事が出来ない
オフライン大会用に作られたMOD。MOD適応前ではコンソールを出して入力するか、コンフィグと呼ばれる別ファイルを用意しなければ調整できない項目を、メニュー画面上から調整できるようにして競技性(透明性)を高めるものである。『QuakeIII:Arena』の『CPMA』、『Quake4』の『Q4MAX』、『カウンターストライク1.6』の『CPLGUI』などが有名。
非公式パッチ
ゲームの不具合を有志が修正した非公式のパッチ。
適用例
Minecraft

この節の加筆が望まれています。

Minecraft』では、工業MODと呼ばれる、工業要素を追加するMODや、ダンジョンを追加するMOD、グラフィックを綺麗にするにする影MOD、アイテムの作り方を調べられる、レシピ検索MOD、など様々なMODが存在している。

最近では、MODの中でも高い人気を誇る要素を公式が追加している。(ホッパーや足場ブロックなど)
カウンターストライク

先述の例で言えば、『カウンターストライク』はもともと『ハーフライフ』のMODであった。だが完成度と人気があまりに高かったため、メーカーから正式に後援を受け、後に単品として製品化された。
バトルフィールド

バトルフィールド1942』は第二次世界大戦を舞台にしたゲームだが、『Desert Combat』は湾岸戦争イラク戦争をモチーフにするなど、時代設定が変わっている。『Forgotten Hope』では第二次世界大戦内ではあるものの、より高度なリアルさを追求している。但しリアルさを追求するあまり、1GBを超えるような大きいデータとなることもある。
グランド・セフト・オートシリーズ

グランド・セフト・オートシリーズ』(GTA)では、建物から服装、車に至るまで様々なMODが存在している。ゲームに登場する架空の車を実車にする、服装のテクスチャを変更する、架空の企業の看板を実際のものに変える、町並みを変えたり新たな施設を設置する、銃声やエンジン音をリアルにするなどが可能。これらMODのモデルやテクスチャを導入する方法は、海外サイトなどから「IMGツール」や「Spark IV」「OpenIV」などのデータ改造用ツールソフトを入手し、それを使用して既存のデータと置き換え又は追加し、さらにテキストファイルに記述された数値を適切に変更をするなどの作業が必要。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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