MikuMikuDance
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MikuMikuDanceMMDでレンダリングした末永みらい
作者樋口優(樋口M)
開発元Vocaloid Promotion Video Project(VPVP)
初版2008年2月24日

最新版9.32 / 2019年12月8日
対応OSMicrosoft Windows
対応言語日本語英語
種別3DCGソフトウェア
ライセンスフリーウェア
公式サイトVPVP
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MikuMikuDance(ミクミクダンス)は、樋口優が制作した、プリセットされたキャラクターの3Dモデルを操作しコンピュータアニメーションを作成する3DCGソフトウェアである。略称はMMD。デフォルトで初音ミクなどVOCALOIDキャラクターの3Dモデルを使用できるほか、オリジナルのキャラクターモデルやアクセサリを組み込んで操作することも可能で、MMD用の3Dモデルも有志によって多数公開されている。

なお、MikuMikuDanceという初音ミクにちなんだ名前ではあるが、樋口が個人で制作したフリーウェアであり、初音ミク販売元のクリプトン・フューチャー・メディアによる製品ではない。
特徴

デフォルトであにまさの制作による3Dモデルが用意されているため、3DCGに不慣れな初心者でもすぐにアニメーションを作成することが出来る[1]。画像をきれいに見せることよりもリアルタイム性を重視しており、DirectXを描画に用いることで、長時間のレンダリングを経ず、作った動きをすぐに動画として確認することが出来る事も大きな特徴とされる[1]。MMDの登場はその扱いの容易さから初心者が3Dアニメーションに挑む際のハードルを大きく下げたとも言われる[2][3]。また、VOCALOIDの歌唱に用いるプロジェクトファイル(VSQ)を読み込んで自動でリップシンク(口パク)を作る機能も備えている[4]

MMDを作成した樋口のパソコンがMMD公開当時の水準から見てスペックが低く(Pentium 4 1.5GHz、RADEON 8500)、そうした環境でも動作するように作った結果、3DCGを扱うソフトウェアとしては非常に動作が軽くなったという[4]。ただし、機能が追加された最近のバージョンや読み込むモデルデータによっては比較的高スペックのパソコンを必要とする[5]

アニメーション作成に特化したソフトであるため、モデルデータの作成や改造の際は外部ツールを必要とする。
沿革

元々は樋口が自分自身で初音ミクを用いた3D映像を作成するために作ったもので、当初は公開を予定したものではなかった[1]。樋口はBlenderと、あにまさが無償で公開していた3Dモデルを使って3Dの動画を作成しようとした際の苦労から、自分でプログラムを組んで動かすことにし、2007年大晦日に開発を始めて50 - 70時間ほどで作り上げたという[4]

MMDを作成した当時、クリプトン・フューチャー・メディアのガイドライン(キャラクターの利用を参照)では初音ミクなどのキャラクターを利用したプログラム作品を禁止していた。しかし2008年2月22日にガイドラインが改定されプログラム作品も解禁されたことから、あにまさとも連絡を取った上で同月24日にMMDを公開し、同時に動画投稿サイトニコニコ動画に利用法を解説した動画を投稿した[6][4]。MMDはニコニコ動画で大きな反響を呼び、ソフトウェアの完成度の高さに感動し、金を払って買っても良い品質だが作者が金銭を受け取る気が無いため払わせてくれないとして「振り込めない詐欺」とも評された[7][4]。樋口はこうした反響に対し「寄付してもいいと言ってもらえるのはたいへん光栄だが、それほど気に入っていただけたら、ぜひこのソフトを使ってすばらしい動画を作って公開してもらい、私をニコニコさせてほしい」とコメントしている[4]

公開後もバージョンアップが進められ、当初は初音ミクの3Dモデルしか使用できなかったが、Ver.3.01以降はマルチモデル化され、他のVOCALOIDのキャラクターも扱えるようになった。またMMDにあらかじめ用意されているキャラクター以外にも、ユーザーの手により東方ProjectTHE IDOLM@STER、その他既存商業作品のキャラクターなどを元にした、ユーザーモデルと呼ばれるMMD対応の3Dモデルが多数公開され、MMDは実質的にはVOCALOIDだけでない、より汎用的な3Dツールとしての発展も見せている[1][8]。ただし、ユーザーモデルについては、使用されているキャラクターの権利関係が必ずしもクリアになっていないという問題も抱えており、そのことがMMD自体へ悪影響を及ぼす恐れもあることから、樋口自身はユーザーモデルについては一切関知しないという姿勢をとっている[8]。2010年末にはNVIDIAの3D Vision対応による立体視や、Xbox 360向けのゲームデバイスKinectを応用してのモーションキャプチャの利用も可能となった[6][9]。3D Visionの対応についてはNVIDIA社の日本スタッフからの働きかけを受けてのものだが、樋口はNVIDIAからの機材支援の申し出は断ったという[6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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