ただし、システムに若干の改変を加えるために、一部のアプリケーションの動作に支障をきたすなど問題を引き起こすこともある。また、特定のサービスパックのバージョンに依存するソフトウェアも存在する。現にWindows XPにSPを導入したことが原因で、ヤマハ製のサウンドカードが搭載されたパソコンでサウンドが鳴らなくなるトラブルもあった[36]。これらの問題から、特に企業においては適用されないこともあるが、マイクロソフトは強く適用を推奨している。また、Windows XP SP2には「Microsoft Windows XP Service Pack 2セキュリティ強化機能搭載」という正式名称が付けられている。これには、マイクロソフトはセキュリティに力を入れていなかったという従来の方針を転換し、今後はセキュリティを最重要課題としてユーザーの印象を変えていくという意味合いがある。マイクロソフトは、Service Packが適用されていないバージョンのみを指す場合に「RTM (Release To Manufacturing)」や「Gold」と表記する。
Sモード
Windows 10と11にはSモードという動作バージョンが存在する。Microsoft Storeでしかアプリがインストール出来ない他、コマンドプロンプト(cmd.exe)やレジストリーエディター(regedit.exe)が開かない[37]。 Windowsのバージョンやエディションなどによっては存在しない製品形態もある。 このほか、MSDNサブスクリプション、TechNetサブスクリプションでもWindowsのライセンスが提供されている。ただし、それぞれソフトウェア開発・検証、Windowsの評価などと利用目的に制限がある。 過去のWindowsにおいてはメディアやキーとライセンスは不可分であり、調達元が異なるものでの代用が難しかったため、Windowsの調達でもっとも一般的であるOEM版によるプレインストールPCなど、Windows標準のインストールメディアが付属しない調達形態ではリカバリなど一部の機能について使用に大きな制限があった。 この制限については、2017年現在のWindows 10ライセンスでは不可分とされる記述はなくなり、また、ダウングレード権においては任意の調達元のメディアやキーが利用できるなど、徐々に緩められている。 Windowsはパーソナルコンピュータ市場では、1990年代後半よりデファクトスタンダードの地位を得た。
ライセンス
x86、x64版Windowsのライセンスの種類
リテール版(フルインストール版とアップグレード版)
通常のWindows販売に用いられるもので、パッケージ版とダウンロード版とがあり、その価格がWindowsの通常価格となる。DSP版やOEM版とは違い、32ビット版と64ビット版のインストールディスク(Windows 7、およびWindows 8/8.1の各種パッケージ版での場合)、または32ビット版と64ビット版の各種インストールファイルを一つにまとめたUSBメモリ(Windows 10のパッケージ版での場合)が同梱されており、ユーザーはその一方を自由に選択して使うことが可能。
DSP版(フルインストール版)
販売形態としてはWindowsを組込んだ製品を販売する業者向けのもの。ライセンス上の扱いはOEM版と同等で[38]、実際Windows XP MCE 2005でDSP版が発売されるまで自作PC市場では全てOEM版と呼ばれていた[39][40]。しかし、厳密にはDSP版はダウングレード権が無いという違いがある[41]。販売段階でなんらかの部品の付属品として購入する形態になっており、また付属品の対象にできる部品はいくつかの種類が規定されていて、その部品を組み込んだ状態でのみライセンスが有効となる。対象とした部品を破棄、あるいは破損し使用できなくなった場合、ライセンスも消滅する[42]。
OEM版
いわゆるパソコンメーカーの製品にプリインストールされたもの、パソコン本体から切り離して、別のパソコンで動かすことは禁じられている。この制限のため、OEM版は通常価格よりも大幅に安価で供給されている。ただし、パソコンの部品構成の変更についての制限は明言されていないため、マザーボード交換やケース交換を行ったうえでOEM版Windowsを利用し続ける事例は多い(パーツの入れ替えは、場合によってはテセウスの船と同様の矛盾が生じるため、賛否両論がある)。
ボリュームライセンス (VL) 版
大量導入時など複数本のライセンスを一括購入する販売形態。購入プログラムの形態により、最低購入数および価格が異なる。原則としてインストールディスクは付属せず、ダウンロード形式でマイクロソフト社のサイトよりインストールイメージを入手するか、別途メディアキットを購入する必要がある。「譲渡時にライセンス取得時に取得したものをすべてまとめて譲渡する」という規定があり、バラ売りはライセンス上、明確に禁じられている。購入者に制限はないため、個人でも購入ができる。また、ソフトウェアアシュアランスと呼ばれる、ダウングレードやライセンスモビリティ、期間中のアップグレード保証などに関する権利を追加出来る唯一のライセンス形態であり、それらが必要な利用形態ではこの形態での購入が必要となる。
緊急時におけるライセンスによる制限
市場占有と問題
市場シェア
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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