Microsoft_Windows_Vista
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ユーザーアカウント制御 (UAC:User Account Control)
Windows Vistaでは管理者アカウントであっても通常は一般ユーザー以下の権限で動作し、管理者権限が必要なときにダイアログでその確認を求めるようになった[19]。これにより、システムに変更を与えるプログラムの動作の可否を確認する手順を設けることができるため、システムに重大な影響のある操作を不用意に行ってしまうことを防止できる。ユーザーアカウント制御は、ほかの管理者ではない標準ユーザーがログインした状態で管理者のパスワードを入力すると再起動の必要なくその場で管理者の権限を得ることができるため、標準ユーザーからでもソフトウェアなどをインストールすることができるようになった。Windows XPなどUACのないバージョンからアップグレードされたWindows Vista環境では、旧環境でインストールされたアプリケーションの動作互換性のために、UACが一部緩和されている。このため、クリーン インストールした環境とアップデートした環境とで、同じWindows Vistaでありながらアプリケーションの挙動が異なるといった事態が起きている。
Internet Explorer 7の保護モード
UACの関連機能の一つ。信頼済みサイトに登録されていないサイトを閲覧する場合、Internet Explorerを通常より低い権限で動作させ、悪意あるプラグインなどからコンピュータ内のファイルなどを操作されることを防いでいる。なお、副作用として保護モードで閲覧中はIMEのプロパティ変更や、辞書登録などが行えず、既に辞書登録済みの単語が変換候補に出ない、共有プリンタから印刷ができない[20]等の問題が起きている。なおこの機能は上記 UAC に依存するため、Windows Vista/Server 2008 で動作する IE7 にのみあり、UAC のない Windows XP や Windows Server 2003 用の IE7 にはない[21]
Windows リソース保護 (WRP:Windows Resource Protection)
WRPで保護されたファイルは、削除や変更ができなくなっている。これにより、システムファイルを削除したり改変するような操作の過失や、悪意あるアプリケーションから守られている。この機能は上記UACとは独立して動作しており、たとえ管理者権限を有していたとしても削除や変更が行えない。なお、Windows Updateが行う変更については例外的に許可されている。
Windows Defender
スパイウェア(悪意のあるソフトウェア)を検出・削除するアプリケーション。ほかにも、スタートアップアプリケーションの管理やアプリケーションが行った不正な変更の監視なども行うことができる。ちなみに、Windows Defenderのスパイウェア定義ファイルは定期的に自動で最新版に更新される。
保護者による制限
一部のゲームやアプリケーションの起動、インターネットにおける特定のコンテンツの閲覧を制限させる機能。
BitLocker
Enterprise、Ultimateに搭載。Windows XPまでに搭載されている暗号化ファイルシステムに加え、TPMもしくはUSBメモリと組み合わせて用いるBitLockerと呼ばれる暗号化機能が搭載される。
サービスとドライバのSession 0分離
Windows Vistaでは、以前のOSとは異なりサービスやドライバの動作するセッションと、フロントエンドのアプリケーションが動作するセッションが切り離された。これにより、ユーザーが実行した(もしくは、知らずに実行してしまった)悪意あるアプリケーションから実行中のサービスやドライバへ介入する手段が制限された。
カーネル修正の保護
64ビット版のWindows VistaはSP1からPatchGuardとして知られるカーネル保護機能がある。これでカーネルを不正な意図で書き換えられるのを防ぐ。コンピュータ セキュリティ企業は、これはセキュリティ対策ソフトなどシステムを防御するソフトの動作を妨げる物だと主張し、機能の改正を求めた。これに応え、マイクロソフトは正当な方法でカーネルにアクセスすることを可能にするAPIを追加すると発表した。これによって、サードパーティーは PatchGuard の動作を回避して、従来通りのセキュリティ機能を提供することが可能となる。ただし、このAPIにアクセスするためにはマイクロソフトと別途契約を結ばなければならない。
システムおよび環境
.NET Framework 3.0
Windows Presentation FoundationやWindows Communication Foundation、Windows Workflow Foundation、Windows CardSpaceは安全で高速かつ柔軟なアプリケーションの開発を可能にする。
Windows SuperFetch
ユーザーのアプリケーション利用パターンに基づいて必要なデータをメモリ上にキャッシュし、アプリケーションの起動や切り替えの時間を短縮する技術。
Windows ReadyBoot
Windows Vistaの起動時のブートプロセスを学習してそのシステムに最適化し、起動のパフォーマンスを向上させる機能。メモリが512MB未満のシステムの場合はWindows XP相当のプリフェッチを行い、システムに700MB以上のメモリが搭載されている場合は、メインメモリのキャッシュを利用してブートプロセスを最適化する。過去5回のトレース情報を元に、CPU の空き時間を利用し、次回のキャッシュ計画を生成する[22]
Windows ReadyBoost
フラッシュメモリの記憶領域をキャッシュメモリとして使用し、総合的なパフォーマンスを向上させる。PCに搭載している物理メモリと同じ容量か、それよりも多いものを使用することが推奨されているが、小容量でも効果が出ないわけではない。容量は空き容量が230MB以上のものが必要、設定可能な容量の上限は、32ビットのアドレス長の最大である4GBまで。
Windows ReadyDrive
ハイブリッドHDDをサポートするための機能、またハイブリッドHDDを活用した省電力機能。
DirectX 10.x
新しい表現能力とハードウェアの性能をフルに活用したDirectXの新バージョン。マイクロソフトによると、これによってゲームのスピードが向上し、ユーザーは新しい体験を手に入れることができるとしている。
シャドウ コピー
シャドウ コピーでは、作業中の任意の時点でファイルのコピーが作成されるため、誤ってドキュメントを削除してしまった場合にそのドキュメントの各バージョンを迅速に復元することができる。
IPv6
IPアドレス枯渇問題に対応するためIPv6が最初からサポートされている。IPv6のグローバルアドレスが設定されていない場合、マイクロソフトが無償提供しているTeredoによる接続サービスによるトンネリングを自動設定する。IPv4のグローバルアドレスが設定されている場合、マイクロソフトが無償提供している6to4による接続サービスによるトンネリングを自動設定する。ただし、ホスト名のアドレス解決においてホストにリンクローカルアドレスまたはTeredoアドレスしか割り当てられていない場合、DNSクライアントサービスはIPv4用のAレコードに関するクエリだけを送信するためIPv6アドレスが取得できず、URLで直接IPv6アドレスを指定したりしない限り、指定した相手にIPv6で通信することはない[23]。そのため、IPv6でインターネットを参照できる環境であっても、ホストにリンク ローカル アドレスまたはTeredoアドレスしか割り当てられていない場合、Internet ExplorerにIPv6のIPアドレスを持つサイトのURLをホスト名で指定しても、IPv6でアクセスすることはできない。この仕様は、IPv4を主に使用する環境での性能低下を回避するためのものである。
アプリケーションおよびエンターテイメント
Windows Internet Explorer 7
Low-Rights IE、フィッシング詐欺検出機能などによるセキュリティ対策の強化、アルファチャネル PNG への対応や、CSS2 への対応の強化、タブ ブラウズ機能、フィード リーダー機能が追加された。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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