Microsoft_Windows_Embedded_CE
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OSとしてはWindows NT 2.Xから仮想記憶やメモリー量を制限し、APIや機能を絞り込むなど徹底的に軽量化されたものに必要な機能のみを付加するシステムになっており、x86系に特化したノンプリエンプティブなWindows 9x系と異なりWindows NTと同様に完全なプリエンプティブマルチタスクマルチスレッドリアルタイムOSである。このため一部のダイアログがWindows NT 2.Xのものと類似している[要出典]。

初期のWindows NTの特色である高い移植性が保たれており、ARMSuperHをはじめとした様々なCPUアーキテクチャーに対応している。Windows CE 6.Xからはカーネルが近代化され、メモリーは2GB、プロセス数は32000までに拡張され、プロセスのカーネル階層への移動など負荷の重いタスクへの対応や高速化が図られている。

組み込み用という性格上、機器を開発するメーカがその機器に不要な機能は削除し必要な機能のみを選んで搭載することも可能である。このため、利用者からは、Windows CEが搭載されていることを意識することなく使える機器を作ることもできる。業務用専用端末や、セットトップボックス等で用いる場合は、このようにして必要な機能を搭載する。また、実装した機能によって対価のロイヤリティが変動する。

必要な機能のみを選択して搭載することができるという特徴を生かして、Windows CEを搭載するPOSレジや、ビデオプロジェクタカーナビ (Windows CE for Automotive)、ゲーム機ドリームキャスト)、ポータブルAVプレーヤー (Portable Media Center)、シンクライアント端末 (Windows-based Terminal、Smart Display) なども存在する。これらにはPDAに見られるようなOSとしてのGUIを実装していないものも多いが、レジでは最近タッチパネルを搭載してボタンと組み込みOSの操作で作業の効率化を図る傾向がある。

なお、これらの端末にもパーソナルコンピュータ (PC) 用Windowsと同様にWindowsのライセンスシールが貼り付けられる。
名称

「CE」の名称は家電を意味するConsumer Electronicsの略と言われているが、マイクロソフトによると、「CEは何かしらの略語ではないが、Compact, Connectable, Compatible, Companion, and Efficient.(小さく、つなぎやすく、互換性のある、つきあえる、効率的なもの)の意味合いがある」と説明している[2]
バージョンTimeline of Windows CE Development

改良により、機能追加のほか、リアルタイムイベントでの応答速度の向上などが行われている。

Windows CE 1.0 (Pegasus)

Windows CE 2.0, 2.11, 2.12 (Mercury)

Windows CE 3.0 (Cedar)

Windows CE .NET 4.0 (Talisker)

Windows CE .NET 4.1 (Jameson)

Windows CE .NET 4.2 (McKendric)


Windows CE 5.0 (Macallan)

Windows Embedded CE 6.0 (Yamazaki)

Windows Embedded Compact 7 (Chelan)

Windows Embedded Compact 2013

CE 4.0 から CE 6.0 までのコードネームは有名なウィスキーの名前より取られている。
Windows Embedded CE 6.0

次世代バージョンとして、Version 6.0が開発された。5.0までは、プロセス数は最大32個に制限され、そして各プロセスの仮想アドレス空間は32MBに制限されていた。6.0ではプロセス数制限は最大32000個までに拡張され、各プロセスの仮想アドレス空間は2GBまでに広げられる。これにより大量のメモリを消費するアプリケーションが実現可能になる。またカーネルは上位2GBのアドレス空間に置かれ、従来ユーザープロセスだったGWES、ファイルシステムデバイスドライバはカーネル空間に統合される。これにより従来プロセス切り替えオーバーヘッドがAPI呼び出しに伴っていたが、これもシステムコールという形になり高速化される。特にネットワークへのアクセス速度は大幅に高速化されるとしている。
Windows Embedded Compact 7

CE 6.0 の発展バージョンとして開発されたWindows Embedded Compact 7 は 8物理コアまでの対称型マルチプロセッシング、3GBまでの物理メモリ空間サポート、NDIS 6.1ベースのネットワークスタック、.NET Compact Framework v3.5 が特徴である。また Silverlight for Windows Embedded によるUI開発が可能になった[3][4]
Windows Embedded Compact 2013

Compact 7の後継として、2013年6月に一般利用可能となった。サポートするCPUの種類としてはx86およびARMv7T2が必要とされ、MIPS系、およびARMv5、ARMv6までのアーキテクチャサポートは削除された。

開発環境として Visual Studio 2012 update2 以降および Visual Studio 2013 Visual Studio 2015 が利用可能である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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