Microsoft_SQL_Server
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Microsoft SQL Server開発元マイクロソフト
初版1989年4月24日 (35年前) (1989-04-24) (SQL Server 1.0)

最新版2019 / 2019年11月4日 (4年前) (2019-11-04)
プログラミング
言語CC++C#
対応OSWindowsLinux
プラットフォームx86x64
種別RDBMS
ライセンスMicrosoft EULA
公式サイトMicrosoft SQL Server
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Microsoft SQL Server(マイクロソフト・エスキューエル・サーバー)とは、マイクロソフトが開発する、関係データベース管理システム(RDBMS)である。略称はSQL Server、またはMS SQL等。主要な問い合わせ言語(クエリ言語)は、T-SQLANSI SQLである。

企業サーバ向けの高機能なシステムから、組み込み系の小規模なシステムまで幅広く対応する。また、Microsoft Windowsと親和性が高く、ADOADO.NETを経由し、最適なバックエンドデータベースを構築できるようになっている。
特徴

Transact-SQLというSQL Server向けに拡張されたSQLを使用している。

OLAP・多次元解析などのビジネスインテリジェンス (BI) やデータマイニングのための機能を備えている。

データベースの自動圧縮機能を備えている。ただし圧縮処理の最中はパフォーマンスが著しく低下し、また圧縮中にハード障害が起きるとデータベースファイルが破壊される可能性が高いため、デフォルトでは自動圧縮はOFFとなっている。

データベースのミラーリング・フェイルオーバー機能が備わっており、フォールトトレランスを実現できる。

ストアドプロシージャに.NET Frameworkも利用できる。Transact SQLでは記述が困難な高度な処理を簡易に記述でき、処理によっては高速化も図れる他、CLRによって保護されているためバグがあってもSQL Serverごとクラッシュする事はない。なお、Transact SQLで容易に可能な集合操作等は、むやみにCLRを使用すると低速となる。

SQL Server 2016でR言語をデータベース内で使用可能にするサービスとして、R Servicesが追加され、SQL Server 2017では、R言語だけでなくPythonを使用することが可能なMachine Learning Servicesが追加された。これにより、R / Pythonの様々なパッケージをSQL Server内で使用することができ、データベース内に機械学習の学習済みモデルを内包させることが可能となっている。

GUIツール類が充実しており、DBMSに不慣れなユーザーでも扱いやすい。

SQL Server 2017からは、Linux (Red Hat Enterprise Linux / SUSE Linux Enterprise Server / Ubuntu) 、Docker Engine (Windows / Linux / Mac) 上で動作させることができるようになり、クロスプラットフォーム対応したRDBMSとなった。

エディション

SQL Serverは、その規模に応じた複数の種類から構成されており、規模に合わせて機能や性能が異なっている。

SQL Server 2016 Service Pack 1 からは、エディション毎の機能差が緩和されており、Express Edition / Standard Edition でも、以前は Enterprise Edition でのみ提供されていた機能の一部が使用できるようになっている[1]

SQL Server 2016 以降は、x64 のみの提供となり、x86 / IA-64 版の提供は行われていない。

製品とエディション製品名EnterpriseBusiness IntelligenceStandardWebDeveloperExpressWorkgroupCompactその他
Microsoft SQL Server 2000????Personal / Desktop Engine (MSDE) / Enterprise Evaluation / Windows CE
Microsoft SQL Server 2005??????Evaluation / Runtime
Microsoft SQL Server 2008???????Express with Tools / Express with Advanced Services
Microsoft SQL Server 2012??????
Microsoft SQL Server 2014??????
Microsoft SQL Server 2016?????
Microsoft SQL Server 2017?????
Microsoft SQL Server 2019?????

Enterprise Edition
大企業や高度な要求を処理するシステム向けのエディション。SQL Server の全機能を備える。 (x86, x64, IA-64)
Developer Edition
企業でのデータベースシステム開発用途に利用するエディション。そのため実稼働環境では使用できない。Enterprise Edition と同等の機能が備わっている。 従来はパッケージで発売していたが、2016年3月より SQL Server 2014 から無償提供の発表と提供開始がされた[2]。(x86, x64, IA-64)
Standard Edition
中規模企業から大規模な部門のシステム向けのエディション。Enterpriseからデータ分析機能などが削減されている。Standard Editionから64ビットOSに対応している。 (x86, x64, IA-64)
Workgroup Edition
小規模なシステム向けのエディション。Express Editionと違い、データベースのサイズなどの制限が取り除かれている。SQL Server 2008 R2を最後に廃止され、2012では後継となるエディションは提供されていない。 (x86)
Web Edition
Webサービス向けに合わせたライセンスモデルの製品。SQL Server 2008 R2を最後に廃止され、2012では後継となるエディションは提供されていない。 (x86, x64)
Compact Edition
他のエディションとは全く異なりクライアントサーバモデルではなく、ハードウェア上に組み込むタイプの製品。タブレットPCやスマートデバイスなどのモバイル向けで、位置づけ的にはMobile EditionとMicrosoft Jet Database Engineの後継にあたる。 (ARM, MIPS, SH4, x86)
Express Edition
無償で利用できるエディション。主に個人や小規模商用アプリケーションに使用されている。SQL Serverのエディションの中でも基本的な機能のみ備える。SQL Server Express を参照のこと。 (x86, x64)
Express Edition with Advanced Services
Express Editionの機能に加えて、フルテキストクエリの実行・ローカルDBのReporting Servicesの実行機能、および管理ツールが同梱されている。無償のエディション。
Embedded Edition
Windows Server上で動作する追加コンポーネント用のソフトウェア組み込み用データベース。「Internal Database」とも呼ばれる。WSUSWindows SharePoint Servicesのバックエンドデータベースとして自動インストールされる。外部ネットワークからDBに接続することは出来ず、内部アプリケーションからはパイプでのみ接続できる。なお、SharePoint Servicesで使用する場合は、データベースサイズの制限が解除される。ただし他のアプリケーションからは使用できない。
無償版エディション

無償版は、個人用途や多くの小規模商用アプリケーションで利用されているため、以下に詳細を記述する。
MSDE

Microsoft SQL Server Desktop Engine(マイクロソフト エスキューエル サーバ デスクトップ エンジン、初期バージョンではMicrosoft Data Engine)は、利用できるメモリサイズやデータベースサイズなどに制限があるものの無償で利用でき、学習用あるいは小規模なWebアプリケーションやデスクトップアプリケーションなどで利用できるものである。グラフィカルな管理ツールが提供されていないため、主にコマンドベースのユーティリティ (osql.exe)を利用して管理する。なお、Windows Vistaからは動作保証外となった。MSDEの後継製品はSQL Server Express Editionである。
MSDEのバージョン

詳しいバージョンの調べ方は、マイクロソフトサポートオンライン[3]を参照。

1999年 - MSDE 1.0。Office 2000 などに含まれる。SQL Server 7.0 ベース。

2000年 - MSDE 2000。Office XP などに含まれる。SQL Server 2000 をベース。

2003年 - MSDE 2000 Release A(SP3a)。 Office 2003 などに含まれる。

2005年 - MSDE 2000 SP4。

SQL Server Express Edition詳細は「SQL Server Express」を参照

SQL Server Express Edition は MSDE の後継製品で、引き続き無償で公開されている製品。MSDE で利用できなかった管理ツール (SQL Server Management Studio Express) も公開され、管理が容易になった。また、データベースの最大サイズが拡張された。ただし、物理CPUの認識が1つに制約されたりメモリの使用量が 1GB まで縮小されるなどの制約もある。また MSDE 2000 に存在したジョブスケジュールなどの機能が省かれた。

高度な機能は利用できないが (SQL Server 2016 SP1 以降は、従来まで Enterprise Edition でのみサポートされていた機能の一部が使用可能になっている)、その代わり Workgroup Edition 以上のエディションと同等のプロトコルや Transact-SQL が利用でき、無償の開発プラットフォームを提供する事によりユーザーの囲い込みを図る、マイクロソフトの戦略的パッケージと言える。同じコンセプトの戦略をとるものに IBM DB2-C がある。
SQL Server Developer Edition

SQL Server Developer Edition は、開発 / テストシステム/ デモの用途でのみ利用可能なエディションである(運用の用途では使用することはできない)。

以前は有償製品として提供が行われていたが、SQL Server 2016 のリリースのタイミングで、無償利用可能な製品となり、SQL Server 2016 以降は、評価版のインストール時に Developer Edition を選択することができるようになっている。

無償のエディションであるが、Express Edition とは異なり、Enterprise Edition 相当の機能 / ハードウェアリソースを使用することができ、SQL Server のすべての機能を使用することが可能なエディションである(Enterprise Evaluation と異なり、評価版ではないため、試用期限が設定されていないことも特徴である)。

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バージョン

各々のバージョンで最新のエンジンに改良されたり新しいSQL構文がサポートされていったり、アルゴリズムなどが変化したりしている。ある範囲での後方互換性も保たれており、「互換性レベル」を指定してその時点と同じ挙動をさせることが可能である。一方で新しいバージョンにおいて、互換性レベルのサポートが外れてしまったアプリケーションは利用できなくなる[※ 1]ので注意が必要である。

サポートされる互換性レベル
6065708090100110120130140150
製品名Microsoft SQL Server 6.0?
Microsoft SQL Server 6.5??
Microsoft SQL Server 7.0???
Microsoft SQL Server 2000????


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