MiG-31_(航空機)
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この項目では、MiG-25を発展させた実在する戦闘機について説明しています。架空の戦闘機「MiG-31 ファイヤーフォックス」については「ファイヤーフォックス (映画)」をご覧ください。
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MiG-31 / МиГ-31

ロシア空軍のMiG-31

用途:戦闘機

分類:迎撃戦闘機

設計者: ミコヤーン・グレーヴィチ設計局

製造者: ミコヤーン・グレーヴィチ設計局

運用者:
ロシア(ロシア航空宇宙軍)
カザフスタン(カザフスタン空軍)

初飛行:1975年9月16日

生産数:500機以上

生産開始:1979年

運用開始:1982年

運用状況:運用中

原型機:MiG-25
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MiG-31(ミグ31、ロシア語:МиГ-31 ミーク・トリーッツァチ・アヂーン)は、ソビエト連邦ミグ設計局が開発した大型戦闘機。当初はソ連防空軍向けの迎撃戦闘機として開発された機体だが、ソ連崩壊後にマルチロール機として改修された機体も存在している[1]

ソ連初の第4世代戦闘機で、MiG-25をベースに大幅な改良を行った機体である。原型機のMiG-25は高高度・高速の航空機の迎撃に特化し、低空進入する巡航ミサイル爆撃機への対応能力には劣っていたが、本機は各種改良によってそれを改善している。NATOコードネームはフォックスハウンド (Foxhound)。
開発経緯

MiG-25XB-70爆撃機(開発中止)やSR-71偵察機のような、高高度をマッハ2を大きく超える速度で飛行する超音速機の迎撃に特化した迎撃機であった。しかし大陸間核弾道弾の大幅な進歩もあって、高高度を超音速で侵入する爆撃機・攻撃機による核攻撃は時代遅れとなり、代わって核を搭載した巡航ミサイルや戦闘機の護衛を伴った爆撃機がレーダー覆域の下を地面すれすれの低高度で侵入する方法が取られるようになっていった。低空・亜音速での燃費が悪いエンジンを搭載し、自機より低高度で地面を背景にした目標を探知・攻撃する能力(ルックダウン・シュートダウン能力)の良くないレーダーを搭載したMiG-25はこのような目標の迎撃には不向きであり、改良が望まれていた(皮肉にも、低高度侵入の有効性とルックダウン能力に劣る戦闘機の問題点を浮き彫りにしたのは、当のMiG-25による1976年の「ベレンコ中尉亡命事件」であった)。低空飛行する目標への攻撃能力を持つ戦闘機の開発が求められるようになり、MiG-29Su-27といった機体の開発が始められたが、これら新型機の実用化には時間を要するため、実用化までの穴埋めをする戦闘機が必要となった。この新型機を低リスクで開発するため、MiG-25をベースに大幅に改良されて誕生したのがMiG-31である。しかし実際は単なる繋ぎではなく、北部シベリアなど地上レーダーからの管制を受けられない地域でも単独で迎撃を行える、全く別の長距離迎撃機として開発された。

開発は1968年に着手され、原型機のYe-155MPは1975年9月16日に初飛行を果たしている。機体構成はMiG-25とほぼ同様であったが、操縦席は単座から複座となり、主翼前縁付け根部分が前方に延長され、MiG-25に取り付けられていた主翼端の対フラッタ用マスバランスは外されていた。その後の開発試験を経て、1979年には生産が開始された。1982年には国土防空軍に配備され、従来のSu-15およびTu-128の置き換えを開始した。1983年9月に極東サハリンに配備された。1995年までに、500機を超えるMiG-31/Bが生産された。

超高速を実現するため、チタン合金を採用していると西側では予測していたが、実際のところ鋼材とのハイブリッド使用によって超高速時の機体の耐熱限界温度の向上に成功している。翼面荷重は同じ第4世代戦闘機の大型機で同様の任務を持つF-14よりも大きく、世界最大の旋回半径を持つ戦闘機とも呼ばれる。
特徴MiG-31Eの「ザスロン」レーダー

MiG-31の基本的な外形はMiG-25と似ているが、改良点は多岐に渡っている。主なものは以下の通りである。

作戦任務でのパイロットの負担を減らすため、コクピットは単座からタンデム複座に変更となり、後席にレーダー操作員を乗せ作業を分担するようにした。後席は段差がないため、前席から胴体上部のドーサル・スパインへ向けてのラインに溶け込んでいるが、左右側方に窓があるだけで外の視界が極めて悪くなっている。

エンジンを従来のターボジェットエンジンから、より燃費の良いターボファンエンジンに換装した。その分、高高度性能、特に高高度での高速度性能は抑えられている[注 1]

主翼の後退角を前縁で40度、主翼の翼弦長の25%で33度に減らし、前縁付け根部分にストレーキ(LEX)が取り付けられた。胴体も延長して燃料搭載量を15%増やしており、操縦席の左横側には引き込み式の空中給油用プローブが装備された。これにより長時間にわたる低速での戦闘空中哨戒(CAP)を可能にした。

機体構造へのニッケルの使用割合を抑え、チタンアルミニウムの使用を増やし、軽量化を図った。

世界初の戦闘機用パッシブフェーズドアレイレーダーRP-37 N007 S-800「ザスロン」を搭載し、ルックダウンシュートダウン能力を強化した。これにより探知距離も延伸され、同時多目標対処能力をも獲得した。

レーダーを補完するため、引き込み式のSTP/TP-8 IRST(赤外線捜索追尾装置)を搭載した。

新開発の長射程空対空ミサイルR-33(NATO名AA-9)を胴体下面に4発搭載可能とした。

格闘戦に備え、固定武装として23 mm機関砲GSh-6-23)を装備した。もっともMiG-31の荷重制限は満載時において5Gに過ぎず、燃料半減時でも7Gに制限されており同時代の他戦闘機に比して機動性能は劣る為、積極的に使用する武装では無く威嚇やとどめ用途と推測される。(他例:F-4=7G、F-14B=5.5G、F-15=9G)[2][3]

また、MiG-31は操縦が複雑で扱いの困難な機体であり、操縦士によれば僅かな過失や判断の遅れが致命的な事故を齎すと言う。MiG-31の操縦士として訓練課程に入るには、Su-27やMiG-29といった他機種での一定以上の勤務年数および飛行時間、飛行中有視界状況において全ての戦闘行動を完全に遂行可能であることが求められ、こうした条件を満たす操縦士のみが再訓練を受けることとなる。機体の空力特性と戦闘行動の習得、КТЭ-31というMiG-31で起こりうるあらゆる状況を再現するシミュレータでの訓練を完了した後、実機の慣熟飛行へ移行し、上記の、機種転換を完了した上でパイロットとして勤務することになる。このためかMiG-31の操縦士は階級の高い者が多い[注 2]
設計.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}前席コックピット後席コックピットR-33ミサイルを搭載した初期型MiG-31MiG-31BMの胴体下部。R-33、脚部構造などがわかる
機体

MiG-25に近い外形を持つMiG-31であるが、構造的な変更も多い。使用材料の見直しを図り、MiG-25の構造重量で80%あったニッケル鋼を50%まで減らした。一方でチタンは8%から16%、アルミニウムは11%から33%に増やし、速度面である程度妥協して機体を軽量化している。胴体の大型化と、垂直尾翼内へ燃料タンクを設けたことなどにより燃料搭載量は15%ほど増して16,350kgになっている。主翼は構造が強化され、前縁フラップを新たに設けるとともに後縁フラップも自動制御となり、機動性能の向上に貢献している。主翼付け根前縁にはストレーキがあり、MiG-31M/F型では円弧を描く形状に変更されている。

機動性が良くなったとはいえ満載での超音速機動は5Gに、燃料等半減時でも7Gに制限されている。

降着装置については、前輪は後ろ引き込み式に変更、主脚はダブルタイヤのボギー式となり40tを超す重量を支える。滑走路への影響を考えて主脚輪は轍が重ならないようになっている。
エンジン

MiG-31はアビアドビガーテル (旧ソロヴィヨフ) D-30F-6ターボファンエンジンを搭載する。ドライ時で93.0kN(9493kg)、アフターバーナー時で151.9kN(15,500kg)の出力を発揮しており、MiG-25のR-15に比べて4,000kgほど向上している。大型化したエンジンに合わせノズル形状も変更されている。初期型ではノズルは可動式だったが、1984年の生産型から非可動になっている。胴体の幅が広げられたので2つのノズルは接触していない。MiG-31Mでは機体重量の増加に合わせて、エンジンも出力向上を施されたD-30F-6Mを搭載している。
電子機器

レーダーはチホミーロフNIIPザスロンパッシブフェーズドアレイレーダー(NATOコード:フラッシュダンス)を搭載する。探知距離は200km、追尾距離は120kmに及ぶ。10目標同時追跡が可能で、R-33の搭載能力によるが4目標同時交戦も可能である。捜索範囲は左右各70度(モードによっては各120度)、上方70度、下方60度とかなり広い。また、攻撃目標の選択においては、ミッション・コンピュータの脅威度優先順位判断により自動的に行われる。

MiG-31Mの搭載する「ザスロンM」はRCSが0.95m2 程のAWACS機などの目標なら400kmの距離で探知できる能力を有し、24目標同時追尾、6目標同時交戦が可能。素子面直径は1.4mと「ザスロン」よりさらに大きい。

MiG-25になかった赤外線捜索追尾装置(IRST)を機首下に収納装備しており、使用時のみ機体の外にせり出して作動する。また、レーダーとの併用が可能である。MiG-31Mでは同様の場所に固定装備され、能力が向上しているとされる。

MiG-31MではECMポッドの搭載も検討されており、MiG-31Mの7号機が、Ye-155P3…11がつけていたような三角のフィンを持つECMポッドを翼端に装備した。

電子機器全般については、MiG-25のような真空管などは用いられておらず、完全にソリッドステート化されている。

MiG-31はAK-RLDNとAPD-518という2種類のデジタルデータリンクシステムを備えており、これは4機のMiG-31による連携運用を前提とするものである。前者は4機中のリーダー機が地上の管制所にあるレーダーの自動誘導ネットワークに組込むためのシステムであり、ソ連の防空戦闘機は地上からの誘導に従って行動するのを原則としていたので、交戦指示などを受けるためにこの能力を持っている。後者は残る3機のMiG-31との情報交換用のもので、4機を横に並んで飛行させ、個々の機上レーダーで得た情報をデータリンクで共有することで、水平方向に140度の範囲で800-1000kmの幅による機上レーダーでの哨戒が可能となっており、探知した目標に対しては、リーダー機が残る3機のMiG-31に任意に攻撃を指示することができる。また、MiG-25のような旧式機でもMiG-31側のサポートで情報共有を可能にしている。さらに、平行に並んだ4機のレーダーの情報をデータリンクを介して後方の制空戦闘機である1機のSu-27で統合して、これを基に最適な攻撃を行う新たな戦法が開発されている。

MiG-31のデータリンク構想図
右から2番目の機体がリーダー機であり、残りの3機が1000kmの幅で横に並んで飛行させ、個々の機上レーダーで得た情報をデータリンクにより共有しながら、機上レーダーによる哨戒を行い、探知した目標に対してミサイルによる攻撃を行う。後方の1機のSu-27は4機のレーダーの情報をデータリンクを介して統合して、これを基に制空戦闘機として最適な攻撃を行う。

コックピットMiG-31BM/BSMの前席コックピット。HUDの右側にMFDがある

MiG-31はタンデム式に前後席を配し、前席にパイロット、後席にWSO (Weapon System Officer; 兵装システム士官) が乗る。前席には3色カラー表示のHUDが装備され、後席には大型のレーダースコープやIRST用の角型ディスプレイが装備されている。レーダーの操作は後席でのみ行えるようになっている。後席にも操縦装置が備えられており、前席が操縦不能となった場合には後席が前方を見るためのペリスコープを使用して代わりに操縦することが可能である。これは緊急時への配慮というより、練習機としての使用目的があったものと思われる。


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