Mastercardタッチ決済(Mastercardタッチけっさい)は、Mastercardの決済(電子決済)サービスの日本に於ける名称である。英語圏の国や地域では、Mastercard contactless(Mastercardコンタクトレス)の名称が使用されており、過去には日本でもMastercardコンタクトレスと呼称されていた。 近距離無線通信(NFC)を採用し、EMVに準拠する電子決済(非接触決済)サービスであり、電子マネーとは異なる。 2002年にPayPassの名称で開始し[3]、後に現在の名称に変更した。アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、スイス、トルコ、日本、韓国、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、レバノン、オーストラリアなどで展開が行われている。特に普及しているのはアメリカで、ガソリンスタンド、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ファーストフードなどで利用する事が出来る。 また、台湾の高雄捷運[4]や桃園捷運[5]、シンガポールの陸上交通庁[6]では交通機関の乗車に利用する事が出来る。 Mastercardタッチ決済は、Mastercardタッチ決済に対応する非接触ICを搭載するカード(ICカード)や携帯機器で利用する事が出来る。 Mastercardタッチ決済に対応する決済端末にカードや携帯機器を翳せば決済が完了する。但し、一定の金額(国や地域によって異なる)以上を支払う場合は、磁気ストライプカードで決済する際と同様に署名を求められる事がある。 カードで利用するには、Mastercardタッチ決済に対応する非接触ICを搭載するクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードが必要である。 携帯機器で利用するには、Appleの Apple Pay、Googleの Google Pay、Samsungの Samsung Pay、Garminの Garmin Pay、Fitbitの Fitbit Pay などに対応しているスマートデバイスが必要である。但し、日本では、Androidを搭載するスマートフォン(一部を除く)に限り、楽天ペイメントの楽天ペイで利用する事も出来る。 Apple Pay で利用するには、 Apple Pay に対応するAppleのiPhone又は Apple Watch が必要である。 Apple Pay に対応しているiPhoneは、次の通りである[7]。 Apple Pay に対応している Apple Watch は、次の通りである[7]。 Google Pay で利用するには、 Androidを搭載するスマートフォン又はWear OS を搭載するスマートウォッチにGoogleウォレットがインストールされている必要がある。 楽天ペイで利用するには、Androidを搭載するスマートフォンに楽天ペイがインストールされている必要がある。但し、一部の機種は対応していない[10]。 2004年にオリエントコーポレーション(Orico)がPayPass(現在のMastercardタッチ決済)の実証実験を始めると発表した[3]。 2005年にポケットカードが伊藤忠エネクスと提携し発行する「CARENEX itsumoカード」の会員にキーホルダー型非接触ICデバイスを配布し、PayPass(現在のMastercardタッチ決済)の実証実験を行った[11]。 2006年にOricoがイクスピアリと提携し発行する「イクスピアリカード」にPayPass(現在のMastercardタッチ決済)を搭載し、合わせて、イクスピアリにPayPass(現在のMastercardタッチ決済)を導入した[12]。 2008年に当時のソフトバンクモバイル(現在のソフトバンク)らが、PayPass(現在のMastercardタッチ決済)に対応するアプリケーションソフトウェアを搭載したSIMカードを差し込んだ携帯電話を使用した決済のフィールド実証実験を日本で初めて行った[13]。同年にKDDIも、PayPass(現在のMastercardタッチ決済)に対応するアプリケーションソフトウェアを搭載するau ICカードを差し込んだ携帯電話を使用した決済の実験を行い[14]、2009年にKDDIらがフィールド実験[15]、2010年にKDDIらが実証実験を行った[16]。2011年に当時のソフトバンクモバイル(現在のソフトバンク)らも実証実験を行っている[17]。 2014年2月5日からiD/PayPass(後のiD/NFC)が開始し、NTTドコモが対応した[18]。同年3月5日からOricoが対応した[19][20]。iD/NFCは、2018年7月31日を以て終了した[21]。 また、ジャックス(JACCS)は、2016年4月1日からジャックスモバイル決済サービス(JACCSモバイル決済サービス)の受付を開始したが[22]、2018年10月31日を以て終了した[23]。 2017年9月20日にAppleが公開した iOS 11.0 及び watchOS 4.0 から日本で発行されているMastercardブランドのクレジットカード及びプリペイドカードが Apple Pay を利用するMastercardコンタクトレス(現在のMastercardタッチ決済)に対応した(一部を除く)[24]。 2022年10月4日に楽天ペイが楽天カードタッチ決済を採用し、楽天カードが対応した[25]。 プリペイドカードでは、三井住友カードが2018年11月24日に市立吹田サッカースタジアム(パナソニックスタジアム吹田)に於いて「Jリーグプリペイドカード」と共に配布したリストバンド型プリペイドカードがMastercardコンタクトレスに対応していたが[26]、発行から2年が経ち、有効期限切れとなった。 デビットカードでは、2019年4月1日に住信SBIネット銀行が日本で初めてMastercardコンタクトレス(現在のMastercardタッチ決済)を搭載する「ミライノデビット」(現在の「デビットカード」[27])を発行した[28]。2022年4月18日に同行が発行する「デビットカード」がMastercardブランドのデビットカードで日本で初めて Apple Pay に対応した[29]。同年5月19日に同行が発行する「デビットカード」がMastercardブランドで日本で初めて Google Pay に対応した[30]。 日本では、次表に記載する各社が発行するクレジットカード(一部を除く)が対応している。 発行元カードApple PayGoogle Pay楽天ペイ
概要
1999年11月 - OneSmartPaypass の実証実験を米国で開始する。
2000年10月 - OneSmartPaypass の実証実験が成功する。アメックス、JCB、VISAへ技術供与する。
2002年 - OneSmartPaypassをPayPassへ変更する。世界初の非接触決済サービスの誕生であるが、日本では2001年に当時のビットワレット(後の楽天Edy[1])がEdy(現在の楽天Edy)を開始している[2]。
利用方法
カード
携帯機器
対応機種
Apple Pay詳細は「Apple Pay」を参照
iPhone「iPhone」も参照
Touch ID 搭載モデル
iPhone 6/6 Plus[8]
iPhone 6s/6s Plus[8]
iPhone SE (第1世代)[8]
iPhone 7/7 Plus[9]
iPhone 8/8 Plus
iPhone SE (第2世代)
iPhone SE (第3世代)
Face ID 搭載モデル
iPhone X
iPhone XS/XS Max
iPhone XR
iPhone 11
iPhone 11 Pro/11 Pro Max
iPhone 12/12 mini
iPhone 12 Pro/12 Pro Max
iPhone 13/13 mini
iPhone 13 Pro/13 Pro Max
iPhone 14/14 Plus
iPhone 14 Pro/14 Pro Max
iPhone 15/15 Plus
iPhone 15 Pro/15 Pro Max
Apple Watch「Apple Watch」も参照
Apple Watch (第1世代)[8]
Apple Watch Series 1[8]
Apple Watch Series 2[9]
Apple Watch Series 3
Apple Watch Series 4
Apple Watch Series 5
Apple Watch SE (第1世代)
Apple Watch Series 6
Apple Watch Series 7
Apple Watch SE (第2世代)
Apple Watch Series 8
Apple Watch Ultra
Apple Watch Series 9
Apple Watch Ultra 2
Google Pay詳細は「Google Pay」を参照
楽天ペイ詳細は「楽天ペイ」を参照
日本
歴史
対応するカード
クレジットカード
三井住友カードYesYes[31]No[32]No
三菱UFJニコス[33][34]YesYes[35]NoNo
東京クレジットサービスNoYes[31]No[32]No
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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