アプリケーションからRhapsodyの機能を生かすには、Cocoaの前身であるYellow Box[注 24]でアプリケーション プログラムを一から書き直さなければならなかったので、従来からの開発者の支持を得ることができなかった。そのため、従来のMacintoshのAPIであるToolboxをベースにCarbon (API)を開発し、これをNeXT由来の技術と統合した「Mac OS X」への移行が宣言される。Rhapsodyを元にサーバ向けのMac OS X Server 1.0としてリリースされた後、Mac OS Xがリリースされた。
2001年にリリースされたMac OS Xは、Mac OSともOPENSTEPとも異なる新たなインタフェース「Aqua」をまとって登場。従来のMac OSとは全く異なる、堅牢なマルチタスクのオペレーティングシステムで、Coplandプロジェクトが目指していたものを遥かに超えるものを実現した[注 25]。初期の版では動作の遅さが指摘されたが、改版ごとにオペレーティングシステム内部の最適化が進み、Quartz Extreme、Core Image, Core Animationなどの新技術により解決された。
2010年10月21日、スペシャルイベントで「Back to the Mac」としてiLife'11とMac OS X Lionと新型MacBook Airと同時にMac App Storeを発表した。翌年、2011年1月6日から1000本ものアプリケーションを販売開始した。macOSのインストーラやアップデータもMac App Storeを通して配布されている。 付属アプリケーションが充実しており、日本語フォントとしてヒラギノが3種13書体が標準搭載され、游書体のうち游明朝体/游ゴシック体/游教科書体、フォントワークスの筑紫A丸ゴシック/筑紫B丸ゴシック/クレー、凸版印刷の凸版文久明朝/凸版文久ゴシック/凸版見出し明朝/凸版見出しゴシックが追加インストールされる。Mac OS X v10.5には、小学館の国語および英和・和英辞典が標準で付属している[42]。OS X v10.8では Oxford Dictionary of Englishやウィズダム英和・和英、スーパー大辞林など12種類の辞書が装備されている。Mac OS X v10.1の時代から、FreeBSD由来のsmbfsを利用し、Windowsネットワーク環境でのファイル共有やドメイン参加など、Windows機との共存が可能である[43][44][注 26]。SMBサーバの機能は、Snow LeopardまではSambaをベースにしていたが、Mac OS X Lion以降は独自実装となっている[45]。 Mac OS X v10.4までは Classic環境と呼ばれるMac OS互換機能を持っていた。Mac OS 9.2.2を一種の仮想マシンとして動作させるもので、Mac OSアプリケーションは旧バージョンのプラチナアピアランス
特徴
macOS Big Sur以降において、Appleシリコン搭載Macでは、一部を除いてiOS, iPadOSアプリをネイティブ動作させられる[47][48]。
Mac OS X Public Beta(Siam)詳細は「Mac OS X Public Beta」を参照
2000年9月13日、AppleはMac OS X Public Betaをリリースした。日本では同年10月21日から、より新しいビルドを(税別3,500円で)販売した[49]。Aquaインタフェースの美しい見た目がMacintoshの利用者に衝撃を与えたが、 使い勝手が大きく変化したことについては戸惑いの声があがった。
日本での販売はApple Store オンラインと、島屋新宿店(タカシマヤタイムズスクエア)に特設されたApple Storeにおいて直接販売が実施され、一時は1,000人を超える行列ができた。それまでもMac OS 8などでも発売時の行列もあったが、日本における近代のアップル新製品発売の大行列はこの時からはじまったといえる[50]。
Mac OS X 10.0(Cheetah)詳細は「Mac OS X v10.0」を参照
2001年3月24日、AppleはMac OS X v10.0(税別14,800円)を発売した[51]。従来のMac OSと比較すると劇的に安定性が向上しており、パブリック・ベータからさらに改良されていたが、当初はDVD再生機能などがなく、対応機器も限られており速度も非常に遅く、まだ完成度は低かった。Mac OS 9と切り替えて使うなど、メインのオペレーティングシステムとして日常的に使う利用者は少なかった。
Mac OS X 10.1(Puma)詳細は「Mac OS X v10.1」を参照
2001年9月25日、Mac OS X v10.1(税別14,800円)がリリースされ、10.0のユーザへの無償更新サービスが行われた[52]。10.0に欠けていた多くの機能が追加され、システムの性能が向上し、実用的に使える初めての版といわれる。ユーザインタフェースにも手直しがなされ、日本語入力の変換精度が大幅に向上したことえり 3を搭載。