MZ-80K
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従来機種同様ソフトウェアは同じものが利用することが出来、外観上はCRT周りの色が緑、従来黒ベースだったキートップの配色が白ベースに変更、2色LEDが1色のLED二つに変更されている。CPUにICソケットを使用せず直接基板に半田付けされている事を含め、前述のLEDの変更など、パーツ、設計レベルのコストダウンが随所に見られる。標準価格148,000円。
MZ-80A

1982年発売。24KiB RAMを標準搭載。海外で販売されたMZシリーズ。CRTCがサイクルスチールを行うようになり、データ転送のタイミングを見計らうことなくVRAMを書き換えても画面にノイズが表示されることが無くなった[注 6]他、画面表示のネガポジの反転機能、従来改造によって実現されていたROM領域の別アドレスとの入れ替え等が機能として実装された。入力モードを示すLEDは省略され、画面上のカーソル形状が変化するようになっている。大きな相違点として、MZ-700等に近い1文字になったモニタコマンド、ハードウェアによるキャラクタ単位のスクロールサポートとそれに伴うVRAMの追加、MZ-80Bに近いレイアウトのキーボードやMZ-1U01に似た[注 7]拡張ユニットMZ-80AEUの仕様によって拡張ボードの仕様がMZ-80Bと共通になっている事等が挙げられる。ハードウェアスクロールは表示開始アドレスをずらす事が可能になっており、二画面分の縦に繋がったテキストVRAMの内任意の行から25行表示するようになっている。キーボードは配列だけではなく、キートップも含め普通のタイプライタキーボードへと変更されている。
MZ-1200

MZ-80Aを国内用にリファインしたもの。MZ-80Aで変更された部分が旧機種に近い仕様に戻されており、互換性が維持されるようになっている。MZ-80A同様VRAMは2KiB搭載されているが、有効なのは前半のみとなっている。発売時期には既に事業が移管されており、情報システム事業部が取り扱っているが、本体以外の命名規則はそのままであり、周辺機器は、部品事業部と同じ規則によって型番が割り振られている。日本の拡張ユニットにあわせ、カードエッジだった部分がコネクタに変更されているほかは、ほぼ基板はMZ-80Aの設計と同一であり、海外のみでリリースされた拡張パーツへ対応するための構造等が筐体に残されている。標準価格148,000円。
ソフトウェア
システムソフトウェア

型番としては以下のとおりであるが、実際には、同じ型番でも頻繁な改版が行われたものもあり、雑誌等アドレスを直接指定したバイナリパッチ等の情報は必ずしも利用可能な情報として共有することは出来なかった他、修正に伴いメモリ上の該当箇所の場所がずれる等、正式に公開されていない情報に基づくアドレスの直接コール等を原因として、版の違いによって動作しないアプリケーションが出ることもあった。

S-OS "MACE" 並びに "SWORD"『Oh!MZ』に掲載され、主にZ80系CPUを使用したパーソナルコンピュータで共通のバイナリを動作させる試みの一つ。キャラクタセットに小文字が無い、2Dディスク非対応、ユーザエリアの制限、拡張ワークエリア使用不可、40桁表示のみと、最も制限が大きく掛かっている。

周辺機器
シャープ純正オプション

MZ-80KR1 拡張RAM(16KB)純正拡張RAM。

MZ-80P2 放電プリンター

MZ-80P3 ドットインパクトプリンター

MZ-80I/O インターフェースユニットオプションの周辺機器を接続するためのI/Oユニット。I/Oカードを最大5枚接続可能。

MZ-80FD フロッピーディスクドライブ(2ドライブ)容量は片面140KB

MZ-80FDK 増設用フロッピーディスクドライブ(2ドライブ)

MZ-80SFD シングルフロッピーディスクドライブ

MZ-80DU 14型カラーディスプレイユニット「インテリジェントカラーターミナル」MZ-80DUAと「カラーモニタ」MZ-80DUBで構成されており、MZ-80DUAはZ80を搭載し、プログラムを実行できる独立した端末である。グラフィック解像度は256×192ドット8色、128×192ドット24色、128×192ドット8色8階調、256×192ドットモノクロ4階調のいずれかが使用可能。キャラクターとの重ねあわせ表示が可能。キャラクターは1行42文字で上下左右に回転が可能。

PasocomMini MZ-80C

2017年10月14日ハル研究所から発売された「PasocomMini」シリーズの一つ。筐体は青島文化教材社が、プログラム部分はスマイルブームが関わっている[8][9]

約四分の一のサイズで再現された樹脂筐体のミニチュアの中にシングルボードコンピュータとして独自のファームウェアを書き込んだRaspberry PiA+を搭載。SmileBASICと、そこから制御が行えるMZ-80エミュレータ並びに5本のゲームソフトが書き込まれている[9][10]
MZ-80BMZ-80B
概要

機種名のBは対外的にはビジネスの意味と言われているが、開発者達はBIGのBとして究極のMZを目指し開発に打ち込んだ機種である。

オールインワン設計クリーン設計を引き継ぎ、更に押し進めた形で実装された。CPUは4MHzに高速化され、テキスト画面は80カラム表示が可能になった。テキストVRAM、グラフィックスVRAMは、IPL部分はバンク切り替えで実装。64KBの空間全てをRAMとして利用可能にするとともに、ピクセル単位での表示もサポートした。グラフィックス機能自体はオプションであり、それらが無くとも作表できるように標準装備のキャラクタROMには罫線などの記号、反転したアルファベット等が定義され、従来ディスプレイコードを書き込んでいたテキストVRAMにはキャラクタコード(ASCIIコード)を書き込むことで該当するキャラクタが表示されるようになった。コントロールコードはBASICの標準機能では表示させることは出来ないが、カーソル移動、ホーム、クリアに関してはキャラクタが定義されており、VRAMへ該当コードを書き込むことで、文字列の引数として利用することは出来た。それ以外のコントロールコードに相当する部分のCG-ROMは未定義になっており、CG-ROMの入れ替えによりその場所にも任意のキャラクタを表示するような改造も行われた。

新規設計されたことにより従来機種との互換性は無く、ロードマップ上の後継機はMZ-2000であるが目立つ部分の仕様が変更されており、互換性はBASICプログラムに限られた。直系の互換性を持つ後継機はMZ-2500となる。グリーンモニタを採用し、本機での表示は緑と黒で表示されるが、MZ-2500でのMZ-80Bモード時のCRTへの表示は常時白黒で出力される。事業部の再編があったことから、これらMZ-80シリーズの開発者の手によるMZはMZ-80Bによって終焉したが、グラフィックスVRAMを予め搭載し電源部分の変更が行われたMZ-80B2が部署変更後も併売されている。
クリーン設計

MZ-80Kでは低レベルな入出力をサポートするルーチンがROMで組み込まれていたが、MZ-80Bでは更にそれを押し進め、本体にはIPLのみがROMとして搭載されている。従来の「モニタ」もまた、MZ-80BではIPLから読み込まれ、0番地に転送される。

IPLは拡張ボード上のROMと、FDD、内蔵データレコーダをサポートし、FDD、内蔵データレコーダの順番に起動可能なデバイスを探し、起動できるものを検出できない場合は起動デバイスを選択するメニューが表示される。拡張ボード上のROMについては、"/"を押下しながら電源を入れるかリセットすることによって起動可能になっている。拡張ボードROMからの起動については本体マニュアルなどには表記は無く、標準添付の資料からはIPL-ROMのソースコードから読み取れるようになっているのみである。IPL-ROMは、$8000以降に各デバイスから一旦データを読み込み後、バンク切り替えによってRAMになった先頭部分へ転送する。これらの仕組みから、初期ロードサイズは32KiBとなっているが、システムを含むメモリ空間64KiBはRAMにマッピングされることになる。
電磁制御可能なデータレコーダ

従来機種では手動制御だったデータレコーダは、ソフトウェアからの制御が可能になっている。早送り、巻き戻し、デッキオープン、民生機器で培った頭出し等が可能になっており、システムプログラム読み込み後に自動的に巻き戻されるほか、頭出しによって任意のデータを探すことが可能になり、これはBASICでもサポートされた。また、データレコーダの速度も2,000Baudに高速化された。データレコーダの周辺回路の設計は2,000Baudでチューニングされており、高速化には強いものの低速化をした場合はエラーレートは高くなる。このデータレコーダは後継機に引き継がれたほか、他の事業部から発売されたX1でも転送速度を2,700Baudに高速化され内蔵デバイスとして標準装備されている。
グラフィックス表示のサポート

従来機種ではテキスト画面のキャラクタを配置することによるセミグラフィックスだった画面は、オプションの増設によって320×200ピクセルのグラフィックス画面を最大2プレーン利用できるようになった。アイ・オー・データ機器から、カラーパレットを割り当てることによるカラー表示装置も発売され、Hu-BASIC2.0で利用可能になっている。2プレーン目は拡張スロットに増設後、ケーブルを1プレーン目のボードに接続する必要があり、実際にはその価格やモノクロだったこともあり、2プレーンを利用するアプリケーションはあまり見られず純正BASICでも、初期化時に、2プレーン目の初期化はされていない。
海外展開

MZ-80Bもまた、海外で販売されていた。ただし、国内版と異なりメインメモリは32KBで出荷され、残りはオプションであった。また、カタカナのフォントがCG-ROMに無く、ネガポジ反転したアルファベットがかきこまれている。
ハードウェア
モデルラインナップ

MZ-80B -
1981年発売[11]。64KBオールRAM構成。標準価格278,000円。

MZ-80B2 - 1982年発売。ソフトウェアから見た場合は、部品事業部のMZ-80BにグラフィックRAMを1プレーン分標準実装した程度の違いしかない。電源の変更、エンブレムの型番以外にはハードウェア的な変更も見られない。事業部変更後、唯一前の命名規則で販売されている。標準価格278,000円。

基本仕様

CPU: Z-80A 4MHz

RAM:

メイン 64KB(海外仕様では32KB)

テキストVRAM 4KB


ROM:

CGROM 2KB
各種キャラクタパターンが格納されている。

IPL 2KB


サウンド出力 400mW最大

PWM出力で該当I/OポートのHとLがスピーカー出力のH、Lに相当し、ソフトウェア的に音量を調整する機能を持たない。全体の音量は、背面の「音声ボリウム」によってハードウェア的に音量を無段階調整する。他機種のBeepが、ポート制御によって「鳴る」のに対し、この機種では状態を制御するため、特定の周波数に限らず「鳴らしっぱなし」の状態をハードウェアで作ることができない。タイマ割り込みを持たず、出力はCPUからの直接制御であるため、他の演算処理をしながら同時にサウンドを鳴らすことはハードウェア的には不可能である。出力ポートも1ポートとなるが、ソフトウェア的に音程の精度を犠牲にし、クロック数によるウェイト計算と時分割処理により三重和音、エンベロープ、ビブラートを実装している物や、PWM変調や、1ビットサンプリングによる音声合成をするソフトウェアが存在する。BGMとしての利用を行う場合は、各々の処理の合間に発声モジュールを呼び擬似的に処理することになる。

表示能力

キャラクタ
8×8ドットマトリクス、1,000文字(40桁×25行)/ 2,000文字(80桁×25行)、2モードソフト切換。

グラフィック。
オプションのMZ-8BG増設時には、320×200ドット、1プレーン。MZ-8BGKを増設することによってモノクロで最大2プレーンのグラフィックスと、テキスト画面の合成表示を行うことが出来る。

電源 AC 100V ±10% 50/60Hz 消費電力 65W

使用条件 温度/使用時 0℃ ? 35℃、湿度/使用時 85%以下

外形寸法・重量

外形寸法 幅450mm×奥行520mm×高さ270mm

重量 約16kg

その他

元ライブドア代表の堀江貴文氏は最初に触ったのはMZ-80Kであると述べている[12]


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