MUE-Train(ミュートレイン)とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が2008年(平成20年)に在来線車両の技術試験のため、209系電車の改造により製作した、研究開発用の事業用直流電車(試験車)である。
目次
1 車両概要
1.1 使用用途・使用目的
2 編成
2.1 編成表
3 デザイン
4 車両の特徴
5 試験スケジュール
6 脚注
7 関連項目
8 外部リンク
車両概要 3号車のモヤ209-4。パンタグラフがシングルアーム式のものに交換されている。
(2009年10月20日 赤羽駅)
MUE-Train とは MUltipurpose Experimental Train (多目的試験電車)を略した愛称である。浦和電車区に配置され、京浜東北線・根岸線で使用されていた川崎重工業製209系0番台ウラ2編成(10両編成)[1]のうち7両を使用して2008年10月に長野総合車両センターにて改造された。車両の記号番号は営業運転当時の普通車を表す「ハ」を試験車を表す「ヤ」に変えたのみである。改造後は川越車両センターに配置され、首都圏の在来線で走行試験が行われている。なお、E233系7000番台を導入した際には、所属する川越車両センターの留置場所の確保が難しくなったため、松戸車両センター我孫子派出所に疎開したことがある。試運転で埼京線、川越線、八高線、宇都宮線、高崎線、湘南新宿ライン、上野東京ライン、東海道線、京葉線、総武快速線、成田線、武蔵野線、中央線、青梅線、横浜線に入線したことがある(回送、工場入出場では横須賀線や常磐線にも入線している)。
また、次世代車両制御システム「INTEROS」の実用化に向けた試運転をこれまでに行ってきたが、その成果を踏まえて同システムは2015年に試験運転が開始され、同年11月30日に山手線で定期運用を開始したE235系にJRの列車として初めて搭載されることとなった。E235系の定期運用が開始された今日でも、当試験車における試運転は継続されている。
使用用途・使用目的 東北本線を試験走行するMUE-Train
(2011年1月19日 栗橋-東鷲宮)
「車両の性能向上に関する開発」「次世代車両制御システムの開発」「営業用車両を用いた地上設備の状態監視用機器の開発」に関わる走行試験を行うとしている。
主な試験実施内容 7両編成であったが、4号車を抜いた6両編成で運用されることが多かった。試験終了にともない、サヤ209-8は2011年(平成23年)度に廃車され、以降は6両編成で試験に供されている。 ← 大宮高崎・宇都宮 → 明るい未来、希望を表現する「白」を帯色とし、多くの分野の光り輝く新技術が集結して新しい鉄道システムを構築するイメージを帯に集めるブロックパターンと、つながった「mue」の文字により表現している。編成両端各3両のブロックパターンは4号車方向に下がる斜め模様となっており、4号車の模様はV字状となっている。 ATS、ATC といった複数の保安装置を搭載し、様々な路線・状況での試験が可能となっている。また、空気バネ車体傾斜機構の試験のため、車高を抑え、重心を下げるための錘を積んでいる。 2008年度2009年度2010年度2011年度 [ヘルプ] ウィキメディア・コモンズには、MUE-Train 一般用 直流用115系 - E127系 - E129系 - 201系(運用終了) - 205系 - 209系 - 211系 - 215系 - E217系 - E231系 - E233系 - E235系 - クモハ12形(運用終了) 直流用クロ157形(運用終了) ‐ 185系 - 251系 - 253系 - 255系 - E257系 - E259系 - E261系(運用開始前) - E353系
車両の性能向上に関する開発
空気バネ式車体傾斜機構の試験
降雨時のブレーキ力向上試験
台車の性能向上試験
WiMAX(高速データ通信)の検証試験
走行する車両による風速の測定試験
次世代車両制御システム (INTEROS) の開発
モーター・ブレーキの制御装置と指令・状態監視装置の試験
営業用車両を用いた地上設備の状態監視用機器の開発
レール、架線、保安装置 (ATS/ATC) などの状態を計測する小型の車両搭載用装置の試験
編成
編成表
号車7654321
車両クヤ
209-2モヤ
209-3モヤ
208-3サヤ
209-8モヤ
209-4モヤ
208-4クヤ
208-2
試験内容次世代車両制御システムの開発
営業用車両を用いた
地上設備の状態監視用機器の開発台車の性能向上試験降雨時のブレーキ力向上試験
走行する車両による
風速の測定試験 空気バネ式
車体傾斜機構の試験
WiMAX の検証試験
デザイン 4号車のサヤ209-8。改造後に中央部の窓と行先表示装置が閉鎖された。白い模様は車体中央でV字状となっている。
(2009年10月20日 赤羽駅)
車両の特徴
試験スケジュール
車両
改造第1期走行試験第1期走行試験第2期走行試験
車両の性能向上に関する開発次世代車両制御システムの開発
営業用車両を用いた地上設備の状態監視用機器の開発
脚注
^ なお、当初、209系0番台ウラ2編成の6号車に組み込まれていたサハ209-6は、新津車両製作所製の6扉車のサハ208-15の組み込みにより、同所製の209系0番台ウラ53編成(8両で落成)の5号車に組み込まれた。
関連項目
試験車
NEトレイン / NE Train スマート電池くん
ACトレイン
外部リンク
⇒JR東日本:研究開発>研究開発テーマ>MUE-Train(ミュートレイン)
⇒在来線用試験電車 MUE-Train (ミュートレイン)について - 東日本旅客鉄道 2008年10月7日 (PDF)
歴
東日本旅客鉄道の在来線用鉄道車両
現有車両
交流直流両用E501系 - E531系
交流用701系 - 719系 - E721系
直流用蓄電池式EV-E301系
交流用蓄電池式EV-E801系
特急形
交流直流両用485系 - 583系(運用終了) - 651系 - E653系 - E655系 - E657系
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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