MSCクルーズ
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MSCクルーズ
種類株式会社
業種観光・クルーズ業
設立1987年 ナポリ, イタリア
本社ジュネーブ, スイス
製品クルーズ
従業員数23,500
親会社MSC
ウェブサイト ⇒www.msccruises.jp/

MSCクルーズ(MSC Crociere S.p.A.)はヨーロッパを拠点としたクルーズ会社。世界有数の海運会社であるMSC(Mediterranean Shipping Company)の子会社。本社はスイスのジュネーブに置かれ、運行の役割を担う部署はイタリアのナポリに置かれている。MSCクルーズはスイス資本であり、世界全体で約23,500人の従業員と70カ国の支社を有する[1]
歴史

1920年にラウロ家によりナポリで創業した船会社「フロッタ・ラウロ」が前身。二代目オーナーで政治家でもあったアキレ・ラウロが会社を大きくし、1960年頃になるとアンジェリーナ・ラウロとアキレ・ラウロの二隻を用いてクルーズ航路を運航することになる。つまり、1985年に起こったハイジャック事件(アキレ・ラウロ号事件)で名高いアキレ・ラウロのオペレーターであったわけである。石油ショック後は経営が低迷し、1982年に「ラウロ・ライン」と改名、1987年に破産してMSCのジャンルイジ・アポンテに買収されると「スターラウロ・ライン」と改名。1994年にインド洋でアキレ・ラウロが火災を起こして沈没して以降は「MSCクルーズ」と改名して現在に至っている。

90年代までは3万トンクラスの客船で営業を続けていたが、世界的な競争力が必要となり2003年にピエールフランチェスコ・ヴァーゴをCEOとして迎えた。2003年、6万トンのMSCリリカの建造を皮切りに、2004年にはMSCオペラを建造。同年にはヨーロピアン・ビジョンからMSCアルモニア、2005年にはMSCシンフォニアをヨーロピアン・スターズから買い取った。

MSCクルーズの拡大成長はその後も続き、9万トンクラスの船の建造をフランスのAker Yardsと契約。2006年にはMSCムジカ、2007年MSCオーケストラ、2008年MSCポエジア、2009年MSCマニフィカを就航させた。続けてAker Yardsとの契約を延長し14万トンクラスの建造の契約を結んだ。2008年には初めてラグジュアリー向けのMSCヨットクラブを設置したMSCファンタジア、2009年にMSCスプレンディダ(初期名MSCセレナータ)が就航した。2006年にはモントレー、2009年にはラプソディーが引退した。

MSCクルーズはSTX Europeと新しく契約を結び、14万トンクラスの船を建造。2012年にMSCディビーナ(計画時の名称はMSCファヴォローザ、MSCワンダー)、2013年にMSCプレチオーサを就航させた。MSCプレチオーサは当初、リビア政府所有の貨物船企業であるGNMTCとSTXの間で建造の契約が結ばれたが契約は破棄され新しくMSCクルーズとの契約となった。2013年にMSCメロディーは引退した。

2013年9月2日、コスタ・クルーズのジェネラルマネージャー、ジアンニ・オノラートがMSCクルーズのCEOとして就任し、ピエールフランチェスコ・ヴァーゴはエグゼクティブ・チェアマンに就任した。

2015年12月にはバハマ政府と採砂場だった島の100年間リース契約を結んだ。リースしてもらった島を開発し、2019年12月に寄港地の一つとなる「オーシャンキー MSC マリーンリザーブ」がオープンした。また、2017年から2026までに11隻の船の造船することを発表し、投資総額は2014年から2015年までに行ったルネッサンスプログラムを含めると1兆円となる。

MSCリリカが2016年4月29日に博多港にMSCクルーズとして初めて日本に寄港。2016年6月18日に神戸、6月19,20日に横浜、6月22日に別府、6月23日に鹿児島に初寄港した。

2016年9月にMSCスプレンディダが2018年5月から上海を母港としてアジアクルーズを展開することが発表された。

2017年6月4日にMSCメラビリアが完成し西地中海の航路に就航する。処女航海からシルク・ドゥ・ソレイユが上演された。

2017年11月29日にシーサイドEVOクラス2隻の建造の契約をフィンカティエリと締結した。追加投資額は18億ユーロになる。

2018年10月18日、合計20億ユーロを超えるウルトラ・ラグジュアリー・クルーズ客船4 隻の建造をフィンカンティエリと合意。これにより2027年までにMSCクルーズは計29隻のクルーズ船を保有する予定。

2019年9月10日、MSCマニフィカが2021年4月から改修に入り、23メートル延ばすこととなった。これにより2つの新しいレストラン、ショッピングエリア、ウォーターパーク、キャビンが215室増える。さらに次世代エコシステムも導入される予定[2]
サービス

シニアやヤング、ファミリーとすべてのニーズに応えられるサービスを用意している。ラグジュアリークラスのMSCヨットクラブは船首に置かれている。大人二人(夫婦など)で旅行すると同室の12歳未満の子供は無料、12-17歳の子供は子供料金が用意されている。 親会社がMSCのため、他クルーズラインと比較してポートチャージが3分の1と安い。船内はプールやジム、サウナなど多彩な設備を備え、毎日内容の変わるショーや、数々のレストラン、20時間オープンのビュッフェ、多くのイベントが催されている。エンターテイメント、施設利用料、食事3食もクルーズ料金に含まれているが一部有料のものもある。ドリンクは有料であるが様々な飲み放題パッケージがあり、目的によって選べコストが抑えられる。MSCヨットクラブはヨットクラブエリア内においては全て飲み放題である。 その他、別料金にてオプショナルツアーなども申し込むことができる。 ドレスコードは7日間のクルーズの場合、1?2回ある。[3]
キャビンカテゴリー

キャビンはバルコニー付き、オーシャンビュー、インサイドの3タイプが有り更にその中から部屋のカテゴリーを細分化しサービスを差別化している。そのサービスをエクスペリエンスと呼んでおり5つに分けられている。下からベッラ・エクスペリエンス、ファンタスティカ・エクスペリエンス、アウレア・エクスペリエンス、MSCヨットクラブとなり、MSCヨットクラブは14万トンクラスの船のみとなる。 また、MSCヨットクラブはエクスペリエンスの1つではなく「特別な待遇」である。
ベッラ・エクスペリエンス

MSCクルーズのキャビンカテゴリにおいて最もリーズナブルな料金となっている。特徴としては他のカテゴリと比べてキャビンの条件がやや悪く、下層に位置し、バルコニーや窓からの視界不良や騒音があることがある。ダイニングでのシーティング時間は希望しても優先されない。また、ルームサービスのデリバリーに費用がかかる。
ファンタスティカ・エクスペリエンス

MSCクルーズにおいて標準的なカテゴリーである。特徴は条件の良い部屋が割り当てられ、ダイニングのシーティング時間が選べその希望は優遇される。また、ルームサービスのデリバリー費用は無料である。旅行代理店による企画ツアーは基本的にファンタスティカとなっている。
アウレア・エクスペリエンス

ファンタスティカのサービスに加えて優先チェックイン、ダイニングのアウレア専用エリアでの食事、24時間飲み放題、スパパッケージとサウナ使い放題が料金に含まれている。
MSCヨットクラブ

MSCヨットクラブは14万トン船の船首に位置する専用の空間を使ったラグジュアリークラス。船の中にあるもう1つの船を演出している。専用レストラン、プール、サンデッキ、バー等があり、バトラーとコンシェルジュが24時間リクエストに対応する。 また、ヨットクラブエリアだけでなく船内全体で飲み放題が利用できる。[4]
インターネット


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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