MPU
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出典検索?: "マイクロプロセッサ" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2014年5月)
今日のマイクロプロセッサ(Corei7 6700K)

マイクロプロセッサ(: Microprocessor)とは、プロセッサの一種で、マイクロチップに実装したものである[1]。MPU(: Micro-processing unit)とも呼ばれる。「中央」のCPUとして使われるものが高付加価値市場的にはメインストリームであるが、例えば近年のパーソナルコンピュータ等であればCPU以外にも、マザーボード上だけでも周辺機能の管理用に数個、電源やネットワークカードなど各種のモジュールにも1個から場合によっては多数が使われており、数だけで言えば、マイクロコントローラの内部のプロセッサコアなども含め、「CPU」でないマイクロプロセッサのほうがむしろ多数派と言える。

マイクロプロセッサは、個別部品で実装するのと比較すると圧倒的に、小型・低価格で大量生産が容易である。また汎用コンピュータ用の汎用プロセッサの他、用途に特化した設計のプロセッサもLSI化されており、それらも広義にはマイクロプロセッサに含まれると言える。ディジタル信号処理に優れたDSPや、ビデオカード上のGPUなどがある。組込みシステムにおいて部品点数を減らしたい、などの要求に応じた、コンピュータシステムとして必要なメモリや周辺機器のコントローラーなどをチップに含んでいるマイクロコントローラSystem-on-a-chipなどと呼ばれているLSIもある。

1960年代頃まで、プロセッサは個別のトランジスタか、当時のせいぜい数百素子程度の集積度の集積回路(IC)を繋ぎ合わせて作られていた。製造技術の発達、設計ルールの微細化が進むにつれてチップ上に集積できる素子の数が増え、大規模集積回路(LSI IC)の1チップにプロセッサを実装できるようになった。汎用のマイクロプロセッサとして最初のものは、1971年にインテルが開発したIntel 4004とされることが多い[2]。4004は当初電卓用に開発された、性能が非常に限られたものであったが、生産や利用が大幅に容易となったため大量に使われるようになり、その後に性能は著しく向上し、価格も低下していった。コンピュータの機能を実現する最も主要な部品がIC化されたことで、1970年代のうちには、当初はマイクロコンピュータと呼ばれた個人用パソコンの急激な発展が始まり、1980年代にはパーソナルコンピュータとして市民社会に広まった。ムーアの法則に従い、集積される素子数は増加し続けている(ただし、ムーアの法則に以前は従属していた、デナード則によるクロック周波数の向上や消費電力の低下は、2010年代には頭打ちの傾向が加速している)。現在ではマイクロプロセッサは、大きなメインフレームから小さな携帯電話家電まで、さまざまなコンピュータや情報機器に搭載されている。目次

1 歴史

1.1 最初のマイクロプロセッサ

1.2 マイクロプロセッサ特許

1.3 8ビットマイクロプロセッサ

1.4 16ビットマイクロプロセッサ

1.5 32ビットマイクロプロセッサ

1.6 64ビットマイクロプロセッサ

1.7 RISC


2 市場

3 脚注

4 関連項目

5 外部リンク

歴史「CPU年表」および「CPU#マイクロプロセッサ」も参照
最初のマイクロプロセッサ Intel 4004 マイクロプロセッサ

マイクロプロセッサを実現する様々な新しい基本技術は1970年頃に整い、1971年11月15日に発表された4004テッド・ホフによる基本的なアイディアと、嶋正利による論理設計とフェデリコ・ファジンによる回路・マスク設計による、最初期のマイクロプロセッサとして広知だが、他複数のプロジェクトでほぼ同時期にCADC、TMS 1000、μPD707・708などのマイクロプロセッサと認められるLSIが開発されている。

1968年にギャレット・エアリサーチ(英語版)社がF-14飛行制御用デジタルコンピュータの開発を要請されてCADC (en:Central Air Data Computer) を設計する。これは1970年に設計を完了したMP944というMOSベースのチップセットから成るマイクロプロセッサで、従来の機械装置より小型で信頼性が高く、初期のF14 トムキャット戦闘機に採用された。米海軍は軍需用品として民間への商用販売などを1997年まで禁止していたため、CADC (MP944) は最近までほとんど知られていなかった。

TIのTMS 1000はマイクロコントローラに近い構成のLSIで、1971年9月17日に電卓向けプログラムを内蔵した TMS1802NC をリリースしている。

μPD707・708はNECが設計・製造したLSIで、半導体プロセスの製造効率から2チップ構成だが機能的にはマイクロプロセッサでμCOMシリーズの源流である。1971年12月にサンプル出荷され、シャープ日本コカ・コーラへ供給する仕向け機器に用いられている。[3]

英語版では他に en:Gilbert Hyatt の特許、Pico と General Instrument の協業によるチップ、Four-Phase Systems の AL1 チップ、フェアチャイルドの PPS25、Viatron が端末装置用に開発したチップ[4]、TIのTMX 1795[5]なども記されている。
マイクロプロセッサ特許

TIはマイクロプロセッサに関する特許を出願した。ゲイリー・ブーンはシングルチップのマイクロプロセッサに関する特許を1973年9月4日に取得した(米国特許 ⇒第3,757,306号)。1971年と1976年、インテルとTIは包括的なクロスライセンス契約を締結し、インテルはTIの持つマイクロプロセッサの特許に対してロイヤリティを支払った。この間の経緯は、サイリックスとインテル間の訴訟に関する法廷文書に記述されている。この訴訟においてTIはマイクロプロセッサに関する特許の所有者および仲裁人として関与した。

マイクロプロセッサのコア(プロセッサコア)だけでなくメモリと入出力処理の回路も集積した、現代で言うマイクロコントローラの実現に関する特許は、TIのゲイリー・ブーンとマイケル・J・コクランに与えられた(米国特許 ⇒第4,074,351号)。
8ビットマイクロプロセッサ Z80 マイクロプロセッサ

4004の後継である8008は世界初の8ビットマイクロプロセッサである。これらのプロセッサはインテルの8080ザイログZ80、他のインテル製派生プロセッサの先駆者である。対抗するモトローラMC6800とバス互換としパイプライン処理の採用など改良を加えたモステクノロジー6502が、Z80と覇を競った。1980年代前半のことである。

Z806502もシステム全体のコストを低減することに注力しており、パッケージを小さくし、要求されるバスを単純なものにし、それまで外部に別チップで持たなければならなかった回路(例えばZ80はDRAMリフレッシュカウンタ)を内蔵した。これにより1980年初頭にホームコンピュータ市場が新たに生まれ、それなりに使えるマシンが、99USドルで売られるようになった。

モトローラが切り札としてリリースしたMC6809は命令セットに直交性があり美しい設計が特徴の、事実上最もパワフルな8ビットマイクロプロセッサであり、当時製品化されたマイクロプロセッサの中で最も複雑な回路から成っていた。

他の初期の8ビットマイクロプロセッサとしてSigneticsの2650がある。PDP-8を機能縮小しワンチップ化したものであるが、PDP-8を知らない層からは一風変わったパワフルな命令セットと受け止められた。

航空宇宙分野での最初のマイクロプロセッサはRCARCA 1802(別名 CDP1802、RCA COSMAC)は、1970年代のNASAの宇宙探査機ボイジャーバイキングに使われた。


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