MASTERキートン
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MASTERキートン
漫画
原作・原案など
浦沢直樹勝鹿北星長崎尚志[1]
作画浦沢直樹
出版社小学館
掲載誌ビッグコミックオリジナル
レーベルビッグコミックス
発表期間1988年 - 1994年
巻数全18巻
漫画:キートン動物記
原作・原案など勝鹿北星
作画浦沢直樹
出版社小学館
掲載誌ビッグコミックオリジナル増刊号
レーベルビッグコミックスカラースペシャル
発表期間1989年 - 1993年
巻数全1巻
話数全14話
漫画:MASTERキートン Reマスター
原作・原案など長崎尚志(ストーリー)
作画浦沢直樹
出版社小学館
掲載誌ビッグコミックオリジナル
レーベルビッグコミックス(通常版)
ビッグコミックススペシャル(豪華版)
発表号2012年7号 - 2014年17号
巻数全1巻
話数全8話
アニメ
原作浦沢直樹、勝鹿北星、長崎尚志[2]
監督小島正幸
シリーズ構成浦畑達彦
脚本藤田伸三、小川智子、高屋敷英夫
浦畑達彦、金春智子、金子ツトム
水上清資、荒西大介
井上敏樹川尻善昭
キャラクターデザイン高坂希太郎
音楽`島邦明
アニメーション制作マッドハウス
製作小学館、バップ
放送局日本テレビ系(放送局参照)
放送期間1998年10月5日 - 1999年3月29日
話数全39話
(TV放送: 24話+OVA: 15話)
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『MASTERキートン』(マスターキートン)は、浦沢直樹勝鹿北星長崎尚志脚本[1]、浦沢直樹作画による漫画。1988年から1994年にかけて小学館ビッグコミックオリジナル』に連載された。1998年にはアニメ化もされている。

番外編として浦沢・勝鹿による『キートン動物記』がある(『ビッグコミックオリジナル増刊』連載、単行本全1巻、ビッグコミックススペシャル)。

続編として浦沢・長崎による『MASTERキートン Reマスター』(マスターキートン リマスター)が、『ビッグコミックオリジナル』に2012年から2014年まで不定期掲載された。単行本は全1巻(ビッグコミックス/ビッグコミックススペシャル)。2014年11月時点で累計部数は2000万部を突破している[3]

2022年5月30日、「浦沢直樹作品の電子化プロジェクト」の第4弾として、本作と『MASTERキートン Reマスター』の2作の電子書籍の配信を開始[4]。それを記念して、浦沢のYouTubeチャンネルにて、「『キートン風コマ割り』の作画動画」が公開されている[4]
あらすじ

日本人の父親と英国人の母親を持つ主人公平賀=キートン・太一は3つの顔を持つ男。

1つ目は名門オックスフォード大学を卒業し、本人のたっての夢である考古学で自説の論文を発表するため、日本の胡桃沢大学に籍を置く「大学講師」。

2つ目は元SASのサバイバル教官でフォークランド紛争や、在英イラン大使館人質事件では下士官として活躍したとされる「伝説的マスター」。

そして3つ目が大手保険会社ロイズの下請け「保険調査員」(オプ、つまり探偵)。

激しい恋愛の末に学生結婚した妻との間に1人娘である百合子をもうけるも離婚。その痛手から厳しい環境に身を置こうとした結果、大学を休学し英国軍人となった。だが、高い評価や名声とは裏腹に軍隊の現実に耐えられず名誉除隊。その後、相棒のダニエル・オコンネルと知り合い、生活のためロイズの下請け調査員として生計を立てる身となった。大学講師としての評判は芳しくなく、無気力で不真面目な学生たちの前に情熱は空回りし、度々「休講」を重ねる身。日本特有の学閥もあって正当な評価をされない一方、探偵業は順風満帆で次から次へと依頼が舞い込む。その傍らで、英軍の実情を知る「信用の置ける外部の人間」として原隊復帰を求められたり、英軍内における裏事情(主にスキャンダル)の調査依頼を受けるという多忙な日々。

太一の父太平は動物学者。かつては旧日本軍の動物兵器開発に協力させられた身だったが、その半生を悔いて動物(特に)に無償の愛情を注ぐ。酒と若い女が大好きでだらしのない性格だがどこか憎めない面を持つ。2代続けて「バツイチ」。しかも元妻には未練がある。そんな父や祖父に考古学を志す百合子は度々ハッパをかける。

冷戦終結前後の社会情勢、考古学、そして平賀家をめぐる人々のドラマを描いた作品である。
登場人物

「声」はアニメ版の声優。浦沢は登場キャラクターについて海外の映画俳優・歌手などをモデルにすることが多いと語っている[5]
平賀=キートン・太一
声 - 井上倫宏 / 幼少期 - 宮田幸季動物学者の父太平とイギリス・コーンウォール地方の名門キートン家の息女パトリシアとの間に生まれた日英ハーフ。イギリス国籍。パブリックスクール卒業後、オックスフォード大学に進学した生粋のエリート。ロイズ保険組合の調査員(オプ)をしながら、遺跡発掘の足がかりとするために考古学者として大学への就職を探っている。序盤では日本の胡桃沢大学などで、非常勤講師として働いている姿が登場するが、物語が進むにつれオプの探偵業務に従事している場面が圧倒的に多くなった。本人の希望は師であるユーリー・スコット教授も提唱した「西欧文明ドナウ起源論」の証明をすることであり、オプの仕事はあくまで発掘調査をするため、あるいは生活していくための副業と考えている。そのため、周囲には「(研究者としては)現在、失業中。」と述べることが多く、“就職活動”に奔走する場面が多々見られる。専門の考古学に限らず、歴史全般に造詣が深い知識人。作中で日本語、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語の各国語を話しており、複数の言語を自在に操るマルチリンガルである。この他にも、アラビア語やルーマニア語なども解すると推測される。日本の実家にいる時以外は、発掘作業中であっても基本的に背広を着ている。世界中を忙しなく飛び回っていることが多いが、日本の実家にいるときは対照的にのんびりと過ごしている。物をすぐポケットに入れる癖がある。グルメで甘党。年頃の娘・百合子には頭が上がらない。身に危険が及ぶ過酷な仕事が多いが、娘には「単調なデスクワークばかりだ」と嘘をついており、職務中に負傷した際も、「階段で転んだ」などと嘘をつき通している。オックスフォード大学ベーリアル校に在学中、同校に留学していた日本人女性の数学者と結婚するが離婚。父親と同様バツイチの独身である。別れた妻への未練を断ち切るため、大学を休学し、イギリス陸軍に志願している。軍では3年でSASに入隊。駐英イラン大使館占拠事件等の作戦で活躍し、サバイバル教官にもなった。教官時の訓練生からのあだ名は「マスター」。軍は士官候補生として扱ったが、軍隊が「あまりに現実的すぎて」自分には向かないと感じ、曹長のときに名誉除隊を選ぶ[注 1]。とはいえ、サバイバルの専門家であることから、フォークランド紛争の際は予備役として待機命令を受けている。また、多言語に堪能な上に「どの人種にも見えどの人種にも見えない」と評される外見から潜入工作員としての評価もされ、湾岸戦争時には英国政府から王族救出の特命を受け、イラクへの潜入作戦に従事している。見た目は柔弱そうだが、上記のような経歴を持つため、いざとなるとテロリストや犯罪組織相手にも熟練した戦闘力を発揮。武器を携行せずとも現場にあるさまざまなものを効果的に利用して危機的状況から生還する。その際、部族や古代人が使用していた武器を手作りで再現してしまうなど、軍人としての知識のみならず、考古学者としての知識もふんだんに活かされている。また、砂漠や雪山などで身動きが取れない状況に陥っても、サバイバル術の知識と咄嗟の機転で、難を逃れている。一方、敵対者を打ち倒しても、相手がそれで窮地に陥ってしまったら助けずにはいられない人道家でもある。火器の扱いも完璧と推測され、銃で人を撃った場面もあるが、最終巻のルーマニアでの事件では危機に瀕しても、銃口を人間には向けられない臆病ともとれる一面も持ちあわせている。借り物のオンボロ車を何台もオシャカにしている。
平賀太平
声 - 永井一郎太一の父で動物学者。パトリシアと結婚し、息子・太一をもうけるが離婚。太助というチャウチャウの血が混じった雑種犬を筆頭に、その他に数匹の動物を飼っている。自由奔放な性格で、好き勝手に暮らしているように見えるが、その行動力と交渉力でしばしば主人公の太一をも顔色なさしめる活躍をする。一方で若く美しい女性には目がなく、衰えることを知らない好色ぶりには、息子の太一や孫の百合子からも難色を示されている。他にも、動物学者としての知識を活かし (?)、競馬に興じたり、スコットランドに行きつけのウィスキー醸造所を持つなど、パワフルな老人である。そのため、本編中には彼を主人公としたエピソードも数編ある。基本的には日本で生活しているが、太一のいるロンドンに乗り込んでくることもある。以前、横浜のボロアパートに住んでおり、その界隈に住む住人の殺伐とした人間模様が、自然界の弱肉強食を彷彿とさせるらしく、自身の原点だと語っている。普段はとぼけた好々爺だが、その内にあるシビアな一面を垣間見せることも。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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