M36ジャクソン
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M36 ジャクソン GMC
性能諸元
全長7.46m(砲身含む)
車体長5.97m
全幅3.04m
全高2.71m
重量28.1t
懸架方式垂直渦巻きスプリング・ボギー式(VVSS)
速度48km/h
行動距離320km
主砲50口径90mm戦車砲M3(47発)
副武装12.7mm重機関銃M2×1(1,000発)
装甲
砲塔


防盾 76.2mm

側面 31.8mm

後面 12.7-44.5mm

上面 9.5-25.4mm

車体


前面上部 38.1mm

デファレンシャルカバー 50.8-107.6mm

側面上部 19.1mm

側面下部 25.4mm

後面 19.1mm

底面 12.7mm

エンジンフォードGAA
水冷V型8気筒ガソリン
500馬力
乗員5名
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M36 GMC(M36 ガン・モーター・キャリッジ)は、第二次世界大戦中に生産・使用されたアメリカ陸軍対戦車自走砲駆逐戦車)。ジャクソンという愛称で知られるが、この名称はアメリカ陸軍では使用されておらず、戦後に創作されたものである[注 1]
概要

戦車駆逐大隊が運用する自走砲として、M7 3インチ砲搭載のM10 GMCおよびM1 76mm砲搭載のM18 GMC[注 2]は、それなりの活躍を見せたものの、パンターティーガーといったドイツ軍中戦車重戦車を正面から撃破するには力不足であった。また、それ以前からより強力な対戦車向け火砲の駆逐戦車への搭載が検討されており、M1 90mm高射砲を原型としたT7戦車砲が開発された。
開発

T7(後にM3)はT1E1重戦車やM10の試作型に搭載するなどの実験が行われた。90mm砲の威力は十分であったが、前方に向けて絞り込まれた形状のM10砲塔ではスペースが足りないため、より大型の砲塔が必要であることがわかった。

1942年12月、即用弾薬庫とカウンターウェイトを兼ねる鋳造製の後方張り出し部を付けた新型砲塔を、M10A1に載せたT71とM10に載せたT71E1の2つの試作車が完成している。前者が90mm砲搭載自走砲M36として採用された。

M36はM10系からの改造や新規生産で、各型合計2,324両が生産された。
武装

M36の主砲である90mm T7戦車砲は、ドイツ軍8.8 cm FlaK 18/36/37高射砲ティーガーIの主砲に匹敵する威力を持っている。この砲は後に、砲口にシングルバッフル型のマズルブレーキが追加された。

戦後、フランス軍の装備車両のようにダブルバッフル型のマズルブレーキに変更したものや、土浦陸上自衛隊の保有車両のように主砲にエバキュエーターが増設されたM3A1に変更され、車体前方機銃が追加された物もある。これは、朝鮮戦争に投入された車両にも現れているため、日本赤羽にあったデポで改造された仕様ではないかと言われている。
バリエーション
M36
M10A1から改造された1944年10月からの量産型。90mm砲榴弾の威力も大きいため、歩兵の直接火力支援にも多用された。しかし、M10同様に砲塔上部が開放されており、防御力が劣っていたため、現地改造で開放部前半をカバーする装甲を取り付けた例もある。これは後に正式な改修キットが作られたが、大戦中にはほとんど間に合っていない。
M36B1
M10A1からの改造だけでは需要を満たしきれないため、M4A3戦車の車体にM36の砲塔を載せたもの。


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