M249軽機関銃
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M249軽機関銃M249
M249軽機関銃
種類軽機関銃
製造国 ベルギー
アメリカ合衆国
設計・製造FN
年代現代
仕様
種別分隊支援火器
口径5.56 mm、7.62mm
銃身長465 mm
348 mm(M249 パラ)
502 mm(Mk.48)
ライフリング6条/右回り
使用弾薬5.56x45mm NATO弾7.62x51mm NATO弾
装弾数100発または200発(M27弾帯
30発(M16マガジン
100発(C-Mag)
作動方式ガス圧利用(ロングストロークピストン式)、ロータリーボルト式、オープンボルト
全長1,038 mm
重量6.9 kg(無装填状態)
10 kg(200発装填状態)
6.56 kg(M249 パラ)
5.32 kg(Mk.46 Mod1)
8.17 kg(Mk.48 Mod0)
発射速度ベルト給弾時 毎分725発
マガジン装着時 毎分1,000発、(7.62mm口径)毎分800発
有効射程FN発表値1,000 m
アメリカ軍の方針:肩撃ち・点標的で600 m、肩撃ち・面標的あるいは伏射・点標的で800 m
オーストラリア陸軍の方針:伏射・点標的で400 m
歴史 
設計年1976年
製造期間1982年-現在
配備期間1984年-現在
配備先

アメリカ合衆国

アメリカ軍

アメリカ外交保安部(英語版)

ネパール[1]

ネパール陸軍(英語版)
レバノン[2][出典無効]
関連戦争・紛争湾岸戦争イラク戦争ほか多数
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M249軽機関銃(M249 light machine gun)は、アメリカ合衆国で国産化されたミニミ軽機関銃である。アメリカ軍における制式名称は5.56mm軽機関銃M249(Light Machine Gun, 5.56 mm, M249)で、かつてはM249分隊支援火器(M249 Squad Automatic Weapon)とも呼ばれた。

FNハースタル社の米国現地法人であるFNH USAが製造を担当し、アメリカ軍の各部隊に広く配備されている。小部隊の火力不足を補うべく1984年に採用された。
概要

M249は、ガス圧作動方式空冷軽機関銃であり、容易に銃身交換が行える構造になっている。前方に折畳式の二脚を備えるほか、M192三脚に取り付けることも可能である。給弾はM27弾帯STANAG マガジンによって行われる。これは、弾帯が不足した折、小銃手らが所持しているM16自動小銃またはM4カービン用の弾倉をそのまま転用することを想定した設計である。ただし、M249は小銃に比べると極めて発射速度が高いため、STANAG マガジンを使用した場合は装填不良が起こりやすいとされる。

1989年パナマ侵攻において初めて本格的に実戦投入され、以降アメリカ軍が参加した主要な戦闘の全てで使用されてきた。前線ではや汚れによる弾づまりの報告もあるが、多くの兵士はM249の性能に満足しているという。アメリカ海兵隊においては、分隊支援火器たるM249の一部をM27 IARによって更新している[3]

また、SAW(分隊支援火器)という通称から、しばしば誤って「分隊戦闘火器」(Squad Assault Weapon)とも呼ばれる[4][5]
開発・採用の経緯湾岸戦争中、初期型のM249を使用する米海兵隊員(1991年2月)

1965年の段階で、アメリカ陸軍およびアメリカ海兵隊の標準的な機関銃としてはM2重機関銃M60機関銃の2種が運用されていた。M2重機関銃は大口径の大型重機関銃で、主に車載ないし陣地据付の機関銃として使用されていた[6]。また、M60機関銃は重機関銃よりは軽量な中機関銃であり、兵員により携行され、前線での支援火器として使用されていた[7]。しかし、これらの機関銃はいずれも重量があり、効率的に運用するためには最低2名の兵士が必要であった[8]第一次世界大戦期に採用されたM1918自動銃は兵士1名でも運用しうる機関銃だったが、1957年にフルオート射撃機能を有するM14小銃が採用されたことで段階的に廃止されていた[9]。M14小銃は従来アメリカ軍で採用されていた4つの標準的な銃器、すなわちM1ガーランド歩兵銃)、M1カービン騎兵銃)、M3グリースガン短機関銃)、M1918自動銃(軽機関銃)の役割全てを兼ねる小銃として開発されたものである。当時、各分隊では「指定小銃手」(Designated riflemen)に選ばれた兵士のみがフルオート射撃を行い、その他の兵士は弾薬を節約すると共に射撃精度を維持するべくセミオート射撃のみを行った[10]。M14小銃やM16自動小銃は基本的に歩兵銃として設計されていたため、持続的なフルオート射撃によって運用される事を想定しておらず、こうした運用を行うとしばしば過熱や弾づまりなどの不良が発生した[10]。また、給弾も弾帯ではなく20連発ないし30連発の箱型弾倉によって行われていたため、これらの小銃の持続射撃能力は大幅に限定されていた[6]

こうして、陸軍ではM60機関銃よりも軽量かつM16自動小銃よりも高火力であり、さらに単独の兵員によって運用しうる機関銃の調達を決定した。これにより、歩兵銃のフルオート射撃に依存しない分隊支援能力の獲得が期待されたのである[11]1960年代を通じて、分隊向け機関銃の研究については様々な試みが成された[12]。一時はフレシェット弾を使用する汎用機関銃といった奇妙な設計も行われたが、最終的に軽機関銃に関する研究はストーナー63に集約された[13][14]。ストーナー63は、海兵隊およびNavy SEALsによって限定的に使用された[14]

1968年、陸軍の新規小火器計画の一環として5.56mm口径の軽機関銃の開発が提案されるが、当時の軍部では5.56mm弾の威力不足を危惧する意見が一般的だったため、ほとんど資金が割り当てられなかった。こうして新型軽機関銃の研究は、まず5.56mm弾の弾道特性の改良から着手することとなる[15]1969年まではその他の口径の軽機関銃に関する研究は検討されなかった[16]1970年7月、陸軍は口径を指定せずに新規軽機関銃の開発計画を承認した。この時点では新規軽機関銃について、単に「分隊支援火器」(Squad Automatic Weapon, SAW)という名称が使用されていた[12]。なお、威力不足とされた5.56mm弾に代わる軽機関銃用銃弾に関する研究は1971年7月まで着手されなかった。


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