M2ブラッドリー歩兵戦闘車
[Wikipedia|▼Menu]

M2 / M3 ブラッドレーM2 ブラッドレー歩兵戦闘車
初期生産型(M2A1)
後期生産型(M2A3)
基礎データ
全長6.55m
全幅3.60m
全高2.98m
重量30.4t
乗員数3名+兵員7名(M2A3 IFV)
装甲・武装
装甲アルミニウム/
主武装M242 87口径25mm機関砲
TOW対戦車ミサイル2連装発射機
副武装M240 7.62mm機関銃
機動力
速度66km/h整地
7.2km/h(水上)
エンジンカミンズ VTA903
4ストロークV型8気筒液冷ターボチャージドディーゼル
600hp
懸架・駆動トーションバー
行動距離483km
テンプレートを表示

M2 ブラッドレー歩兵戦闘車(M2 Bradley Infantry Fighting Vehicle)は、アメリカ合衆国で開発された歩兵戦闘車(IFV)である。

当項目では派生型の騎兵戦闘車型(M3 ブラッドレー)およびその他の派生型についても記述する。
開発

1930年代後半から、アメリカ陸軍装甲兵員輸送車の必要性を認め、第二次世界大戦中にはM3ハーフトラックなどが運用されたが、大戦の終結後には敵がVT信管と同じタイプの兵器を使用する可能性が懸念され、乗員の頭上を装甲防御する新型のAPCの開発が進められることとなり、1950年代からM75装甲兵員輸送車やその後継のM59装甲兵員輸送車が配備された[1]。しかし、核戦争の脅威が現実的なものとなると、ソ連軍が戦争で使用するであろう放射性兵器に対して、砲手が露出するタイプの車両は脆弱であると考えられるようになり、1958年には砲塔を備えた本格的なIFVの開発が求められるようになった[2]。だが、西ドイツフランスソビエト連邦に比べると、その開発は遅々たるものであった。1954年には、フランス陸軍AMX-VCI装甲兵員輸送車に実験的に20mm機関砲を搭載し、1950年代後半には、西ドイツが世界初の歩兵戦闘車であるラングHS.30を開発・配備していた。アメリカ陸軍もこれらの影響を受けて開発を加速し、1965年より、MICV-65(英語版)(Mechanized Infantry Combat Vehicle 1965)計画を開始した。なお、当時進められていたMBT-70計画になぞらえて、この計画はMICV-70と呼ばれることもあった。

MICV-65計画のもとでは、M109 155mm自走榴弾砲をもとにパッカー社が開発したXM701と、M113装甲兵員輸送車をもとにFMC社が開発したXM734が試験されていた。この試験ではパッカー社のXM701が勝利したが、結局、アメリカ空軍が新しく主力としたC-141輸送機で輸送できないことが判明して、採用はされなかった。一方、XM734が退けられたFMC社はさらに開発を続け、1967年にはM139 20mm機関砲を搭載するとともに車体にも小改正を施したXM765を発表したが、XM765もやはりアメリカ陸軍の試験を合格できなかった[注 1]

そして、1967年にソ連が開発したBMP-1が公開されて、アメリカ陸軍に大きなショックを与えた。BMP-1は、2A28 73mm低圧砲と9M14対戦車ミサイルの重武装を備え、また、歩兵兵員室に収容して放射能生物化学兵器から守りつつ(NBC防護)、ガンポートから小銃を射撃して戦えるように設計されていた。アメリカがMICV-65計画で乗車戦闘能力を重視する一方で、ドイツとフランスの同種車両にはまだその種の能力が備わっていなかったことから、これは、アメリカ陸軍がとくに感銘を受けた点であった。ソ連が既に乗車戦闘能力と重武装を備えた歩兵戦闘車を実用化しているのに対して、アメリカ陸軍のMICV-65は依然として計画段階に留まっており、実用化の目途は立たずにいた。XM723歩兵戦闘車。M2以前のプロトタイプのひとつである

1972年、アメリカ陸軍はMICV-65計画の失敗を踏まえて、新しい歩兵戦闘車の開発計画を発表し、FMC社はこれに対してXM723を提示した。XM723は、海兵隊向けのAAV7水陸両用装甲兵員輸送車をベースにしており、重量21トン、ソ連の標準的な車載機関銃であるKPV 14.5mm重機関銃に耐えられる装甲を備え、3名の乗員と8名の歩兵を輸送できた。XM723は当初、M139 20mm機関砲を備えた1名用砲塔を搭載していたが、1976年、これは、M242 25mm機関砲BGM-71 TOW対戦車ミサイルを備えた2名用砲塔に換装され、この改正型はMICV TBAT-IIと呼ばれるようになった。また、車内では標準的なM16自動小銃では長すぎて扱いづらいことから、乗車戦闘専用の小銃として、M231 FPW(Firing Port Weapon)の開発も進められた。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:91 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef