M16自動小銃
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SPR Mk12SPR Mk12 Mod 0

Special Purpose Rifle(SPR) Mk12は、通常の狙撃銃よりもコンパクトでM4A1よりも射程・射撃精度に優れた選抜射手ライフルとして開発された。Navy SEALsによる偵察用ライフル・プロジェクトがベースとなっており、開発は2000年より開始された。ただしロック・アイランド陸軍兵器工廠とクレイン海軍基地兵器開発センターに民間企業が加わっており、開発経緯は不詳の部分が多い。陸軍特殊部隊はMk.12 mod.0、SEALsと陸軍レンジャー部隊はmod.1を採用した。ただしSEALsはSPRをあまり高く評価しておらず、406ミリ銃身のカービンを選ぶ傾向がある[8]

銃身は高精度、軽量化したもので、ハンドガードとともに、基部以外は他のパーツに接触しないフローティング式になっている。銃口には専用のサプレッサーの取り付けが可能である。標準のスコープはリューポルド社のTS-30A2で、ほかにロイポルト社のLRM3やナイトフォース社のNXSなども用いられる[8]

なお本銃とあわせて、精密射撃用弾薬として、弾頭重量を4 g(62グレイン)のM855から5 g(77グレイン)に増した新設計のMk.262 mod.1/2が開発された。これは従来の弾薬と比して射程が長く、ストッピングパワーも向上していることから、ほとんどの特殊部隊が採用するようになった。ただし鋼製の弾芯が挿入されていないために貫通力が低く、また製造に手間がかかるため高価でもある[3]
SAM-RSAM-R

SAM-Rは、M16A4を狙撃銃として改良した分隊上級射手ライフル(Squad Advanced Marksman Rifle)である。

SAM-Rは、アメリカ海兵隊に配備されているM14をベースとしたDMR(Designated Marksman Rifle)の後継として開発された。競技銃用ステンレス銃身のクリーガーSSを採用し、ハンドガードはナイツ社RASでフローティング式になっている。

標準のスコープはリューポルド社のTS-30A2である。SPR Mk12とのコンセプトや仕様の共通点も多い。
SDM-RSDM-R

SDM-Rは、M16A4を狙撃銃として改良した選抜射手ライフル(Squad Designated Marksman Rifle)である。わかりやすく言えばSAM-Rのアメリカ陸軍版である。
分隊支援火器

M16をもとにした軽機関銃も開発されており、LSW(Light Support Weapon、軽支援火器)と称される[9]。また後にコルト自動小銃 (Colt Automatic Rifle) と称されるようになった[10]

M16の各バージョンを元にして製造されているため、数機種のバリエーションが存在する。ハンドガードが角が丸い四角形となり、下面にグリップが追加された。M16ライフルの機関部を流用して、これに肉厚のヘビー・バレルと折りたたみ式の二脚を付している。給弾は弾倉式で、標準的なSTANAG マガジンのほか、C-MAGなどのドラムマガジンも用いられる[9][10]。アメリカ海兵隊では、M16のヘビーバレル版を軽機関銃として検討しており、性能試験を行ったものの、銃身が加熱して連続射撃ができないことが問題視されて、1977年には試験中止となった[8]

一方、アメリカ陸軍もM16と同じ弾薬を使用できる軽機関銃の必要性を公式に認めて、1972年には分隊支援火器(SAW)計画を発足させていた[11]。このトライアルにはM16A1のヘビーバレル版改良型(XM106)も参加しており、海兵隊からは好評だったが[11]、結局はベルギーFN社が設計したミニミ軽機関銃M249軽機関銃として採用された[11]。ただし海兵隊の一部ではM16のヘビーバレル版が運用されているほか、中南米や中東諸国の一部でも採用されている。またディマコ社での生産分はカナダ軍で採用された[10]H&K HK416を元にした分隊支援火器モデルについては「M27 IAR」を参照

SAW計画に提出されたXM106

デンマーク軍のM16 LSW

M231 FPW詳細は「M231 FPW」を参照M231 FPW

M231 FPWは、M2/M3ブラッドレーガンポートで使用するために開発された小銃[8]

M16A1を元にしているが、射撃はフルオート以外不可能で、作動方式はオープンボルト。ストックは取り外され、リコイルスプリングも専用品を用いている。アッパーレシーバーはM16のものに準じた形状だが、照準器は装備されていない。当初は、緊急時に車外で使用するための伸縮式ワイヤー・ストックを装備する計画もあったが、実現しなかった[8]

狙って当てるようなものではなく、あくまでも弾幕を展開することにより敵歩兵から車両を防御することを狙ったものである。弾薬には曳光弾を使用し、射撃時にはガンポートの上に設けられた窓から、その弾道を目視して射線を調整する[8]

ブラッドレーのガンポートが廃止されたため現在は使用されていない。
AR-15

AR-15は、M16がアーマライトで開発された時の製品名。制式採用前はAR-15(モデル No.602)としてアメリカ政府に納入された。現在は各銃器メーカーが販売するセミオートのみの民間版にこの名称が使用されている。

民間版のAR-15はM16からフルオート機構を削除した以外は基本的に構造は同じで、外観はM16/M4の各バリエーションに準じたものがある。また、標的射撃用にはフローティングマウント化したヘビーバレルやハンドガードを採用し、スコープ装着のためフロントサイトを省略したモデルもある。フルオート用トリガーブロックを組み込む違法改造防止のため、レシーバー内の部品構成や配置はM16と意図的に変えている。

ブッシュマスター社やオリンピック・アームズ社などは銃身を極端に短くし、ストックを取り去ったピストルモデルを製品化している。これらは特殊部隊用にサブマシンガン化したM16に倣ったものだが、精度に関しては当然ライフルサイズに比べて劣る上、場合によっては動作に悪影響を与えるデザインを行っている場合もある。

コルト社はアサルトライフル販売規制による市場イメージを考慮し、製品名をAR-15から「コルトスポーター」、「コルトマッチターゲット」など競技モデルを思わせる名称に変更した。コルト社以外にもアーマライト社(M15)やナイツアーマメント社(SR-15)、ブッシュマスター社(XM-15)など大多数の会社が類似製品を販売しており、一部についてコルト社はライセンス侵害を訴えている。またこれらの民間モデル用のカスタムパーツも多数販売された。

合法的に入手可能な中では射程や殺傷力に優れ、市販のパーツでカスタマイズも容易であることから、アメリカ国内では犯罪者にも利用された[12][13].mw-parser-output .scope-of-sources>.ref1:hover~.source1,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref2:hover~.source2,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref3:hover~.source3,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref4:hover~.source4,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref5:hover~.source5,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref6:hover~.source6,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref7:hover~.source7{background-color:#ffe1ff}.mw-parser-output .scope-of-sources>.text1:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text2:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text3:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text4:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text5:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text6:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text7:hover{border-bottom:dashed 1px}。ノースハリウッド銀行強盗事件では防弾ベストを着た犯人がXM-15 Dissipator(照準延長モデル)にドラムマガジンを付けて銃撃したが、対応した警察は射程に劣る拳銃や散弾銃しか装備しておらず、近所にある銃砲店からAR-15を購入して対抗しようとした(最終的にAR-15を装備したSWATが対処した)。またアメリカで多発するスクールシューティングでも使用されている(マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃乱射事件ロブ小学校銃乱射事件など)。

2019年、コルト社は高出力の半自動銃への需要が低迷し、供給過多の状態になっているとしてAR-15の消費者向け製造をやめると発表した[14]。一方で、人気は衰えず競合他社は売り上げを伸ばした。2022年、銃乱射事件が多発したことを受けて開催されたアメリカ下院の公聴会では、過去10年間に大手銃器メーカー5社による AR15(クローンモデルを含む)の売上額は約10億ドルを超えるとの報告がなされている[15]


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