M16自動小銃
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SDM-RSDM-R

SDM-Rは、M16A4を狙撃銃として改良した選抜射手ライフル(Squad Designated Marksman Rifle)である。わかりやすく言えばSAM-Rのアメリカ陸軍版である。
分隊支援火器

M16をもとにした軽機関銃も開発されており、LSW(Light Support Weapon、軽支援火器)と称される[9]。また後にコルト自動小銃 (Colt Automatic Rifle) と称されるようになった[10]

M16の各バージョンを元にして製造されているため、数機種のバリエーションが存在する。ハンドガードが角が丸い四角形となり、下面にグリップが追加された。M16ライフルの機関部を流用して、これに肉厚のヘビー・バレルと折りたたみ式の二脚を付している。給弾は弾倉式で、標準的なSTANAG マガジンのほか、C-MAGなどのドラムマガジンも用いられる[9][10]。アメリカ海兵隊では、M16のヘビーバレル版を軽機関銃として検討しており、性能試験を行ったものの、銃身が加熱して連続射撃ができないことが問題視されて、1977年には試験中止となった[8]

一方、アメリカ陸軍もM16と同じ弾薬を使用できる軽機関銃の必要性を公式に認めて、1972年には分隊支援火器(SAW)計画を発足させていた[11]。このトライアルにはM16A1のヘビーバレル版改良型(XM106)も参加しており、海兵隊からは好評だったが[11]、結局はベルギーFN社が設計したミニミ軽機関銃M249軽機関銃として採用された[11]。ただし海兵隊の一部ではM16のヘビーバレル版が運用されているほか、中南米や中東諸国の一部でも採用されている。またディマコ社での生産分はカナダ軍で採用された[10]H&K HK416を元にした分隊支援火器モデルについては「M27 IAR」を参照

SAW計画に提出されたXM106

デンマーク軍のM16 LSW

M231 FPW詳細は「M231 FPW」を参照M231 FPW

M231 FPWは、M2/M3ブラッドレーガンポートで使用するために開発された小銃[8]

M16A1を元にしているが、射撃はフルオート以外不可能で、作動方式はオープンボルト。ストックは取り外され、リコイルスプリングも専用品を用いている。アッパーレシーバーはM16のものに準じた形状だが、照準器は装備されていない。当初は、緊急時に車外で使用するための伸縮式ワイヤー・ストックを装備する計画もあったが、実現しなかった[8]

狙って当てるようなものではなく、あくまでも弾幕を展開することにより敵歩兵から車両を防御することを狙ったものである。弾薬には曳光弾を使用し、射撃時にはガンポートの上に設けられた窓から、その弾道を目視して射線を調整する[8]

ブラッドレーのガンポートが廃止されたため現在は使用されていない。
AR-15

AR-15は、M16がアーマライトで開発された時の製品名。制式採用前はAR-15(モデル No.602)としてアメリカ政府に納入された。現在は各銃器メーカーが販売するセミオートのみの民間版にこの名称が使用されている。

民間版のAR-15はM16からフルオート機構を削除した以外は基本的に構造は同じで、外観はM16/M4の各バリエーションに準じたものがある。また、標的射撃用にはフローティングマウント化したヘビーバレルやハンドガードを採用し、スコープ装着のためフロントサイトを省略したモデルもある。フルオート用トリガーブロックを組み込む違法改造防止のため、レシーバー内の部品構成や配置はM16と意図的に変えている。

ブッシュマスター社やオリンピック・アームズ社などは銃身を極端に短くし、ストックを取り去ったピストルモデルを製品化している。これらは特殊部隊用にサブマシンガン化したM16に倣ったものだが、精度に関しては当然ライフルサイズに比べて劣る上、場合によっては動作に悪影響を与えるデザインを行っている場合もある。

コルト社はアサルトライフル販売規制による市場イメージを考慮し、製品名をAR-15から「コルトスポーター」、「コルトマッチターゲット」など競技モデルを思わせる名称に変更した。コルト社以外にもアーマライト社(M15)やナイツアーマメント社(SR-15)、ブッシュマスター社(XM-15)など大多数の会社が類似製品を販売しており、一部についてコルト社はライセンス侵害を訴えている。またこれらの民間モデル用のカスタムパーツも多数販売された。

合法的に入手可能な中では射程や殺傷力に優れ、市販のパーツでカスタマイズも容易であることから、アメリカ国内では犯罪者にも利用された[12][13].mw-parser-output .scope-of-sources>.ref1:hover~.source1,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref2:hover~.source2,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref3:hover~.source3,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref4:hover~.source4,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref5:hover~.source5,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref6:hover~.source6,.mw-parser-output .scope-of-sources>.ref7:hover~.source7{background-color:#ffe1ff}.mw-parser-output .scope-of-sources>.text1:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text2:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text3:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text4:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text5:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text6:hover,.mw-parser-output .scope-of-sources>.text7:hover{border-bottom:dashed 1px}。ノースハリウッド銀行強盗事件では防弾ベストを着た犯人がXM-15 Dissipator(照準延長モデル)にドラムマガジンを付けて銃撃したが、対応した警察は射程に劣る拳銃や散弾銃しか装備しておらず、近所にある銃砲店からAR-15を購入して対抗しようとした(最終的にAR-15を装備したSWATが対処した)。またアメリカで多発するスクールシューティングでも使用されている(マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃乱射事件ロブ小学校銃乱射事件など)。

2019年、コルト社は高出力の半自動銃への需要が低迷し、供給過多の状態になっているとしてAR-15の消費者向け製造をやめると発表した[14]。一方で、人気は衰えず競合他社は売り上げを伸ばした。2022年、銃乱射事件が多発したことを受けて開催されたアメリカ下院の公聴会では、過去10年間に大手銃器メーカー5社による AR15(クローンモデルを含む)の売上額は約10億ドルを超えるとの報告がなされている[15]

2022年、サンディフック小学校銃乱射事件(死者26人)の被害者の遺族は、事件に使用されたAR-15相当品を製造したレミントン・アームズ社を訴えていたが和解が成立。レミントン社が遺族に対して7300万ドルの支払いを行うことを決めている[16]
M16系統の銃を製造する会社詳細は「AR-15を製造する会社の一覧」を参照

M16は、コルト社や同社の委託でGM社やH&R社が生産し、アメリカ軍に納入していたが、コルト社の経営危機により製造権がアメリカ政府に移り、現在ではFN社が主に生産している。コルト社はM4を受注しているものの、国内では生産しておらず、カナダ・コルト(米国コルト社に買収された旧ディマコ社)がM16A2に相当するC7と、M4に相当するC8を生産し、制式採用しているカナダ軍に納入している。
他社の派生型C7A2を使用するカナダ軍兵士H&K HK416
コルト・カナダ C7(カナダ/コルト・カナダ[旧ディマコ])
カナダ軍制式銃。M16A2ライセンス品。連射機能(フルオート)とリアサイト(L型2段切換方式)はM16(A1)に準じている。
C7A1(カナダ/コルト・カナダ[旧ディマコ])
カナダ軍制式銃。M16A3ライセンス品(Elcan C79 optical sightが装備されている)。
M16A1-603K(韓国/大宇
韓国軍制式銃。M16A1ライセンス品。
K2(韓国/大宇)


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