M16自動小銃
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AR-15の開発

後にM16として結実する新型ライフルの開発は初め、ジェームズ・サリバンによるベンチャー事業として着手された。その後より大きな資本を得るため、サリバンはフェアチャイルド社と提携することとした[1]。1954年、フェアチャイルド社の銃器開発部門としてアーマライトが設立され、サリバンが社長、チャールズ・ドーチェスターが工場長、そしてユージン・ストーナーが主任エンジニアを勤めた[2]

1955年7.62mm口径AR-10が開発された[1]1950年代後半より、アメリカ軍では「小口径高速弾ライフル・プログラム」を開始しており、アーマライト社も、レミントン社と共同でこの計画で使用する弾薬の開発を行い、AR-10を小口径化した小銃が開発され、のちにAR-15となった[3]
アメリカ軍での検討

1957年5月、フォートベニングの歩兵学校で、小口径高速弾ライフルのデモンストレーションが行われた。このとき展示されたAR-15は、既存の.222レミントン弾をもとにした.222レミントン・スペシャル弾を使用していたが、この弾薬はのちに改良されて.223レミントン弾となった[2]

このテストでは、アメリカ陸軍武器科FN FALT48)をもとに小口径化した改造小銃と、ウィンチェスター社が試作したライトライフルも対象となった。T48改は不合格とされ、ウィンチェスター・ライトライフルとAR-15はM14の後継小銃になりうると評価されたものの、1958年8月、歩兵兵器審議委員会は、いずれも更なる研究開発が必要と結論した。このため、ウィンチェスター社はトライアルの継続を断念した[2]

1959年初頭、AR-15採用の可能性が検討され、スプリングフィールドM14の代替小銃として選定トライアルを継続するか、小口径小銃のトライアル自体を中断するか、7.62 mm口径小銃の代替ではなく特殊用途の小銃として検討するかが議論された。5月には、陸軍戦闘開発実験センターより、「理論上、AR-15で武装した5?7名の小銃組は、M14で武装した11名の分隊よりも多くの目標に命中させることができる」との報告書が公表された[2]
部隊配備の開始

空軍警備隊では、航空機への被害を抑えるという観点から、フルサイズの小銃ではなくM2カービンを使用しており、これを代替する軽量小型のカービンを模索していた。1960年7月、AR-15を試射した空軍のカーチス・ルメイ将軍は、この小銃をM2カービンの後継として推薦することにした[2]

1960年11月、空軍による評価試験が承認された。1961年、ルメイ将軍は空軍へのAR-15小銃8万丁の調達を申請したが、旧式とはいえ十分な数のM2カービンを保有しているうえに、陸軍・海兵隊へのM14小銃の調達が進んでいたことから、これに加えて新しい小銃を導入することには抵抗が強かった。このことから、まず東南アジアに駐留する部隊に限定的に導入されることになり、1961年9月、8,500丁の導入が承認された。また南ベトナム米軍事援助顧問団(MAAG-V)でも、M1小銃よりベトナム人の体格に適合し、M2カービンより威力に優れることを評価して、1,000丁を調達した[2]

1962年1月、AR-15はM16としてアメリカ空軍に採用され、空軍は再度8万丁の調達を申請した。当時呈されていた疑義に対して空軍が真摯に対応したことから、議会は今度はこの予算を認可した。また同時期にNavy SEALsも172丁を試験調達して好評価を与えた。陸軍は、1962年よりフレシェット弾を使用する新型歩兵火器(SPIW)の開発に着手していたことから、これと競合すると見込まれたAR-15の調達には慎重な立場を採っていたが、1963年には、SPIWの配備までの暫定策としてAR-15を導入することになり、5月よりXM16E1の部隊配備を開始した[2]
設計XM16E1をクリーニングするアメリカ陸軍兵士(1966年ベトナム
構成

上記の経緯より、先行するAR-10をもとに小口径化して開発されたことから、多くの特色を引き継いでいる。

重量軽減と耐腐食性のため、XM16E1では、レシーバーはアルミニウム合金(当初はNo.6061、1968年よりNo.7075)製とし、表面には陽極酸化処理とパーカライジング加工を施した。ただし銃身やボルト、ボルトキャリアーなどの内部機構は鋼鉄製とされた。また銃床やハンドガード、グリップはGFRP製とされ、銃床内部には発泡プラスチックが充填された。構成部品数は約100個であった[2]

銃床の内部には、作動時に後退するボルトキャリア後部・バッファーリング・スプリングを収納するために、リコイル・スプリングガイド(リコイル・バッファー)が収納されている。このため、本銃の構造を継承する殆どの小火器は折りたたみ式ストックを採用できない欠点を抱えている。またM16A1の途中から、銃床内部にクリーニング・キットの収納スペースが設けられた[2]

動作方式はダイレクト・インピンジメント式(ガス圧直接利用式)とされた。前部照星の根部から上部レシーバーにかけて、銃身上部に沿うように細いステンレス製のガスチューブが伸びており、ボルトキャリア上部のチューブ型のガスポートに接続されている。発射ガスはガスポートからボルトキャリア内のガスチャンバーに導かれ、その膨張する圧力でボルトキャリアが後退する[1]。ボルトには8個のロッキング・ラグが放射状に並んでいる[2]

銃身にクロームメッキを施せば耐久性が向上すると提案されていたが、コスト面の問題から当初は採用されなかった。その後、まず1967年5月から薬室と撃針に、そして1971年からは銃身にもクロームメッキが施されるようになった。逆にボルトは、当初はクロームメッキ処理されていたが、1967年以降はパーカライジング処理となった[2]
操作STANAG マガジン
左が20発用、右が30発用(ただし写真の30発用はHK416の物)M16のピープサイトの使用方法

安全装置を兼ねたセレクターがSAFE位置にあることを確認し、弾倉を銃のマガジンハウジングにさしこんで固定させたあと、リア・サイト下にあるチャージングハンドルに指をかけて後端まで引くとボルトキャリアが後退し、同時にハンマーが起こされる。チャージングハンドルにはロックがあり、指をかけた状態でないと引けない。上の取手を提げながら、衝撃を加えると弾薬を吐き出す。指を放すとチャージングハンドルとボルトキャリアが前進し、その際にチャンバーに初弾が装填される。弾倉が空のときチャージングハンドルを引くと、ボルトキャッチが作用してボルトキャリアが後退したままの位置で保持される。チャージングハンドルはボルトキャリアの位置に関係なく、放せば前進した定位置にもどる。この状態では弾倉交換後、銃の左側面にあるボルトキャッチを押すとボルトキャリアが解放されて前進し、初弾の装填とボルトの閉鎖がおこなわれる[4]

右手でグリップを握った場合、親指の位置にセレクターレバーがある。SAFE(安全)、SEMI(半自動・単発)、AUTO(自動・連発)またはBURST(3点射)と切りかえることができる[4]

右側面にある排莢口のダストカバーはボルトキャリアが動くことで自動的に開くため、通常は閉めておいても良い。分解清掃をしないまま射撃を続けるなど、酷使によりボルトの不完全閉鎖が起こった場合には右側面のボルト・フォアード・アシスト・ノブを押すことでボルトを前に押し込むことができる。全弾発射されるとボルトが後退位置で保持されるので、右側面のトリガー・ガード前にあるマガジン・キャッチ・ボタンを押しながらマガジンを抜く[4]

サイトの高さ調整はフロントサイトでおこなう。弾丸の先の尖った部分でスプリングピンを押し下げながらフロントサイトを回転させることにより高さ調整ができる。左右の調整はリアサイトで行い、同様に弾丸の尖った先でスプリングピンを押しながら回すことで調整する[4]

リアサイトはM16ではL字型の孔照門タイプで、近距離(0 - 300 m)用と遠距離(300 - 500 m:Lの刻印が孔の下にある)をどちらかに倒すことで距離を選べる。M16A2では近距離(0 - 200 m)用と遠距離(200 - 800 m:Lの刻印が孔の下にある)をどちらかに倒すことで距離を選べる。微調整はサイト下のレンジ・アジャスティング・ドラム(調整用ダイアル)でおこなうこともできる[4]

冬季作戦のように厚いグローブを着用しているときは、トリガー・ガードの前側にあるロックボタンのスプリングピンを弾丸の先で押すとトリガー・ガードを下に開放でき、トリガー・ガードが無い状態で操作できる[4]

ストックの肩当部分にあるふたは中にクリーニングキットが入っており、クリーニングロッドやチャンバーブラシが内蔵されている。通常分解掃除には、あらかじめチャンバーから弾薬を抜いてハンマーを起こしておき、弾丸の先を使ってテイク・ダウン・ピンを銃の左側面から押すことで中折れ式にボルトが開放されるので、ボルトを抜き出したあとチャンバー、ボルトの掃除をする[4]
M16ライフル

モデルナンバー運用者軍での名称種別
601アメリカ空軍AR-15ライフル
[5]


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