M1ガーランド
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M1ガーランドスリング(英語版)付きのM1ガーランド
M1ガーランド
種類軍用小銃(英語版)
製造国 アメリカ合衆国
イタリア
アルゼンチン
設計・製造設計:ジョン・ガーランド
製造:スプリングフィールド造兵廠
ウィンチェスター・リピーティングアームズ
ブレダ
ベレッタ
F.M.A.P
年代第二次世界大戦 - 冷戦
仕様
種別セミオートマチックライフル
口径7.62mm
銃身長610mm
ライフリング4条右転
使用弾薬.30-06スプリングフィールド弾(7.62x63mm)
7.62x51mm NATO弾
装弾数8発
作動方式ガス圧利用(ロングストロークピストン式)、ターンロックボルト
全長1,108mm
重量4,300g
銃口初速848m/秒
有効射程500 yd (457 m)
歴史 
設計年1932年
製造期間1936年-1957年
配備先アメリカ軍など
関連戦争・紛争第二次世界大戦など
バリエーション派生型参照
製造数約625万丁
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M1ガーランド(英語: M1 Garand)は、アメリカ合衆国スプリングフィールド造兵廠が開発した半自動小銃である。アメリカ軍での制式名称は当初United States Rifle, Caliber .30, M1とされていたが、後にRifle, Caliber .30, M1と改められ、 US Rifle, Cal. .30, M1という略記も用いられた。

1936年ボルトアクションM1903小銃に替わって採用され、1957年M14小銃が採用されるまで、米軍の主力小銃であった。

M1ガーランドを指して、ジョージ・パットン将軍は「これまで考案された物の中では最も偉大な武具」(the greatest battle implement ever devised)、ダグラス・マッカーサー将軍は「我が軍に対する最も偉大な貢献の1つ」(one of the greatest contributions to our armed forces)などと賞賛したと伝えられている[1]

主力小銃として一線を退いた後も、いくつかの国では儀仗銃などとして利用し続けた。

なお、同じ.30口径で同じM1という形式名を持つ「M1カービン」が存在するが、使用弾薬、設計者、運用方法などは異なった別種の銃である。
開発陸軍の将官にM1ガーランドの解説を行うジョン・ガーランド(左)

最初にアメリカ陸軍武器省が自動小銃の開発に着手し、スプリングフィールド造兵廠に設計要件の策定を命じたのは1909年のことである。続く数年間で多くの自動小銃が試作され、M1903小銃に自動装填機構を組み込んだものも複数あった。ほとんどは注目に値しないものと見なされたが、デンマーク出身のR・M・H・バン技師(R.M.H. Bang)の設計案は高く評価された。彼の名を取ってバン小銃(Bang rifle)と呼ばれた試作自動小銃は、1912年に武器科での性能試験が行われている。バン小銃はガス圧作動方式・回転ボルト方式の自動小銃で、試験自体は成功したものの、性能上の不安と過剰なコストが問題点として指摘されていた。以後、1914年末頃まではバン小銃の改良が進められた。

1914年から1918年までの第一次世界大戦では、フルオート射撃を行える自動火器のボルトアクション小銃に対する優位性が明確に示された。この戦訓のもと、各国ともフルオート射撃能力を有する重機関銃や自動小銃(現代の軽機関銃に相当)の配備を進めたが、一方で半自動小銃にはあまり関心が払われていなかった。半自動小銃自体は戦前から主に民生用市場で普及していたものの、.30-06弾などの軍用小銃弾は非常に強力なため、安定して射撃することが難しいと考えられていた。しかし、歩兵用小銃としての有用性を認めていたアメリカ陸軍武器省では、大戦末期頃からこの種の小銃に着目していた[2]

当時の新型半自動小銃に関する軍部からの要求は、「自動装填式、.25口径から.30口径の範囲で軍用に適した銃弾を使用(.30-06弾を使うことが望ましい)、単純かつ頑丈な構造を備え、生産性に優れること。平均的な兵士が手にする標準軍用小銃であることに留意すること」というものだった[3]

1918年6月、大戦中から標準局にて軽機関銃の改良を行っていたジョン・ガーランド技師が、マシンライフル(machine rifle)と称する設計案のプロトタイプを完成させた。この試作小銃が高く評価されたことで、1919年11月4日以降はスプリングフィールド造兵廠に雇用され、半自動小銃の設計に携わっていくこととなった。当初、ガーランドの自動小銃にはプライマー作動方式(primer-actuated)が組み込まれていた。1920年5月、ガーランドの設計したT1920、コルト製小銃、ベルティエ設計案(フランス製)、改良型バン小銃の4種の自動小銃による比較試験が行われたが、いずれの小銃も性能不十分とされた。翌1921年に行われた試験でも結論は変わらず、さらなる改良が進められた。そして1924年の試験において、前回の試験を踏まえて設計されたT1921が提出された。この試験を以って、ガーランドの自動小銃は新型半自動小銃の有力候補の1つと見なされるようになった。


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