M.2
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、コンピュータ拡張機器の規格であるM.2について説明しています。その他の用法については「M2」をご覧ください。
mSATAのSSD(左)とM.2のSSD(右)のサイズ比較左から、Wifi(A/E-Key,1630)、SSD(B/M-Key,2242)、SSD(B/M-Key,2280)、SSD(M-Key,2280)の比較

M.2(エムドットツー)(旧称: Next Generation Form Factor、NGFF)は、コンピュータの内蔵拡張カードフォームファクタと接続端子について定めた規格である。M.2はmSATAの後継として開発された。機能性に優れカードの幅や長さについてもより柔軟性を持つことから、SSDやそれを組み込むウルトラブックタブレットコンピュータなどの小さいデバイスに適した規格とされる[1]

M.2は本質的にはSATA Expressの小型版といえる。M.2の提供するバスインターフェイスは論理的にはSATA Expressの上位互換である。M.2はSATA Expressの持つPCI ExpressとSATA 3.0との互換性に加えて、USB 3.0との内部互換性を備える。M.2端子には一つ以上の切り欠きがあり、組み合わせで機器のタイプを示す[1][2]
機能

M.2の拡張カードには、SSDWi-FiBluetoothGPSNFCデジタルラジオWiGigWWANなど様々な機能を持たせることができる。バス方式はPCI ExpressSerial ATA 3.0、USB 3.0(USB 2.0と下位互換)の三種類が提供される。SATA規格ではrevision 3.2で新たにM.2についてのハードウェアレイアウトを定めている[3][4]

M.2は4つのPCI Expressレーンと1つのSATA 3.0 6Gbpsポートを一つの端子内に備えており、PCI Express機器とSATAストレージ機器をM.2カードとして接続することができる。PCI Expressレーンはストレージ機器から見て通常のPCI Expressと全く同じに、追加の抽象化なく接続できる[5]。2013年12月、PCI-SIG(英語版)は、M.2規格 1.0でM.2について定めている[6]

M.2ストレージ機器はSATA Expressと同じく、論理的インターフェイスおよび命令セットについて以下の三種類のいずれかを使うことができる[5][7]
レガシーSATA
SATA接続のSSDなどに使われる。M.2端子のSATA 3.0 6Gbpsポートを使用し、AHCIで機器と通信する。
PCI Express上のAHCI
PCI Express接続のSSDなどに使われる。PCI Expressレーンを使用し、AHCIで機器と通信する。AHCIはCPUと外部機器の速度差が大きい頃ホストバスアダプタのために開発された規格であるため、非効率な部分がある。そのため最高速度ではないものの、普及しているSATA機器との後方互換性を確保できる。2018年現在ではNVM Expressへの移行が完了している。
PCI Express上のNVM Express
PCI Express接続のSSDなどに使われる。PCI Expressレーンを使用し、NVM Expressで機器と通信する。NVM Expressは低レイテンシと並列性を主眼に置いて新たに開発されたストレージインターフェイスで、近年のCPU、プラットフォーム、アプリケーションの並列性を活かすことができる。
フォームファクタと端子

M.2はmSATAの後継ではあるが、フォームファクタや端子の互換性を持たない。mSATAは拡張カードのフォームファクタと端子規格には既存のMini PCI Expressの物をそのまま採用したが、M.2はフットプリントを小さく、拡張カードのサイズを大きくできるよう新規に設計された。基板の両面に部品が張り出したような機器も可能になるため、単純に考えてM.2のSSDはmSATAのSSDに比べて容量を倍にすることができる。

M.2カードは直方体で、短辺に端子を持つ。0.5mmのピッチで75のポジションと最大67のピンを持ち、ピンは基板の両面にわたる。端子の逆側の辺の中央に半円形のネジ穴がある。端子の各ピンは最大50V、0.5A、端子自体は最大60回の抜き差しに耐えるものとされる。M.2機器の幅は12、16、22、30mmの4種、長さは16、26、30、38、42、60、80、110mmの8種類からなる。最初期に一般に流通したM.2機器のサイズは、幅22mm、長さは30、42、60、80、110mmというものだった[1][2][8][9]

M.2カードは端子によってホスト機器の回路に接続され、逆側のネジ1本で固定される。カード基板上の部品は両方の面に張り出してもよい。タイプによって最大の厚みは異なるが、最大で片面ごとに1.5mmである。空間を確保するため、ホスト側の端子は片面のカードと両面のカードで別のものが使われる[2][8]。ホスト機器は通常複数の種類の長さのM.2カードをサポートするため、その場合基板上にはマウント用のネジ穴が複数用意されることになる[10]

fig.1 M.2端子の切り欠きと対応インターフェイス[2]:8[8]:3Key ID欠くピン対応インターフェイス
A8–152×(PCIe×1), USB 2.0, I2C, DP×4
B12–19PCIe×2, SATA, USB 2.0 and 3.0, Audio, PCM, IUM, SSIC, I2C
C16–23将来のため予約
D20–27将来のため予約
E24–312×(PCIe×1), USB 2.0, I2C, SDIO, UART, PCM
F28–35Future Memory Interface (FMI)
G39–46汎用(M.2規格で指定しない)
H43–50将来のため予約
J47–54将来のため予約
K51–58将来のため予約
L55–62将来のため予約
M59–66PCIe×4, SATA

fig.2 部品の最大の厚み (mm)[2]:8[8]:3タイプID表側裏側


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:28 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef