1980年ごろのビデオカメラを使用したニュース取材 (ENG) では、カメラとVTRとが分離式であるためフィルム利用と比べて機動性が落ち、人件費がかさむだけでなく、当時主流であったU規格では多数回のダビングに耐えられない問題が存在した[2]。これらの問題を解決すべく、カメラとVTRとを一体型としたカムコーダ型とし、輝度信号 (Y) と 色差信号 (I, Q) とを分離記録するコンポーネント記録方式を採用した。
この規格には池上通信機と日立電子 (現: 日立国際電子) が賛同した。しかし、直後にソニーから同コンセプトのベータカムが発売になると販売は伸び悩み、多くの放送局で採用されることはなかった。その後松下電器では、1985年にメタルテープを採用した後継規格のMIIを開発・発売することになるが、当規格との互換性はない。
技術諸元
記録方式: 回転4ヘッド ヘリカルスキャンアジマス方式 スタガー形2チャネルパラレル記録
ヘッドドラム径: 62mm
テープスピード: 204.537mm/s ±0.2% (VHSの6倍)
カセットサイズ: VHSと同一 (W188×H25×D104)
トラック幅
輝度信号 (Y): 175μm
色差信号 (I, Q): 65μm FM周波数多重
トラックピッチ: 282μm
音声信号: 0.7mm×2ch
参考文献
監修:萩原春男『新版 ビデオ用語事典』、写真工業出版社、1997年、ISBN 4-87956-049-9
^ 野谷正明・山本克彦・山本長寿郎 (1982). “カメラ一体形 VTR ENGシステム”. テレビジョン学会誌 36 (8): 33 - 41. doi:10.3169/itej1978.36.717
アナログ
2インチ(1956)
VERA(英語版)(1958)
ソニー2インチヘリカルVTR(英語版)(1961)
Ampex 2 inch helical VTR(1962)
タイプA(英語版)(1965)
CV-2000(1965)
AKAI(英語版)(1967)
Uマチック(1969)
EIAJ-1(1969)
カートリビジョン(1972)
フィリップスVCR(英語版)(1972)
Vコード(1974)
VX(1974)
ベータマックス(1975)
IVC(英語版)(1975)
タイプB(英語版)(1976)
タイプC(1976)
VHS(1976)
VK(英語版)(1977)
SVR(英語版)(1979)
Video 2000(1980)
CVC(英語版)(1980)
M規格(1981)
VHS-C(1982)
BETACAM(1982)
8ミリビデオ(1985)
MII(1986)
S-VHS(1987)
S-VHS-C(1987)
EDBeta(1987)
Hi8(1989)
Ruvi(1998)
デジタル
D1(1986)
D2(1988)
D3(1991)
DCT(英語版)(1992)
デジタルBETACAM(1993)
D5(1994)
Digital-S(D9)(1995)
BETACAM-SX(1996)
Digital8(1999)
MPEG IMX(2000)
MICROMV(2001)
HD
HDVS(英語版)(1984)
UNIHI(1989)
W-VHS(1994)
HDCAM(1997)
D-VHS(1998)
D6(2000)
HDV(2003)
HDCAM SR(2003)
ビデオディスク
アナログ
Phonovision(1927)
Ampex-HS(1967)
TeD(1975)
LD(1978)
CED(1981)
VHD(1983)
Laserfilm(1984)
CDビデオ(1987)
デジタル
ビデオCD(1993)
MovieCD(1995頃)
DVD(1996)
MiniDVD(1996頃)