(S, Σ, μ) を測度空間とし、f を S 上の実あるいは複素数値可測函数とする。任意の t > 0 に対する f の分布函数は、 λ f ( t ) = μ { x ∈ S ∣ 。 f ( x ) 。 > t } {\displaystyle \lambda _{f}(t)=\mu \left\{x\in S\mid |f(x)|>t\right\}}
と定義される。
1 ? p < ∞ であるようなある p に対して、f が Lp(S, μ) に含まれるなら、マルコフの不等式より λ f ( t ) ≤ ‖ f ‖ p p t p {\displaystyle \lambda _{f}(t)\leq {\frac {\|f\|_{p}^{p}}{t^{p}}}}
が得られる。
函数 f は、全ての t > 0 に対して λ f ( t ) ≤ C p t p {\displaystyle \lambda _{f}(t)\leq {\frac {C^{p}}{t^{p}}}}
であるような正定数 C > 0 が存在するとき、弱 Lp(S, μ) 空間に属する、あるいは Lp,w(S, μ) に属すると言われる。
この不等式に対する最良の定数によって、f の Lp,w-ノルムが与えられる。すなわち、 ‖ f ‖ p , w = sup t > 0 t λ f 1 p ( t ) {\displaystyle \|f\|_{p,w}=\sup _{t>0}~t\lambda _{f}^{\frac {1}{p}}(t)}
が与えられる。
弱 Lp 空間はローレンツ空間 Lp,∞ と一致するため、それらを表すためにこの Lp,∞ の記号が用いられることもある。
Lp,w-ノルムは、三角不等式を満たさないので、真のノルムではない。しかし、Lp(S, μ) に属する f に対して ‖ f ‖ p , w ≤ ‖ f ‖ p {\displaystyle \|f\|_{p,w}\leq \|f\|_{p}}
が成立し、特に Lp(S, μ) ⊂ Lp,w(S, μ) が成立する。二つの関数が一致するとは μ に関してほとんど至る所でそれらが一致することであるという慣例の下で、空間 Lp,w は完備である[10]。
任意の 0 < r < p に対して、式 。 。 。 f 。 。 。 L p , ∞ = sup 0 < μ ( E ) < ∞ μ ( E ) − 1 r + 1 p ( ∫ E 。 f 。 r d μ ) 1 r {\displaystyle |||f|||_{L^{p,\infty }}=\sup _{0<\mu (E)<\infty }\mu (E)^{-{\frac {1}{r}}+{\frac {1}{p}}}\left(\int _{E}|f|^{r}\,d\mu \right)^{\frac {1}{r}}}
は Lp,w-ノルムと比較可能である。さらに、p > 1 の場合、r = 1 であるならこの式はノルムを定める。したがって p > 1 に対して、弱 Lp 空間はバナッハ空間である[10]。
Lp,w-空間を利用した主要な結果の一つに、マルチンキェヴィチの補間定理
(英語版)がある。それは、調和解析や特異積分(英語版)の研究に幅広く応用されている。再び、測度空間 (S, Σ, μ) を考える。 w : S → [ 0 , + ∞ ) {\textstyle w\colon S\to [0,+\infty )} をある可測函数とする。w で重み付けられた Lp 空間は、Lp(S, w dμ) と定義される。ここで、w dμ は ν ( A ) ≡ ∫ A w ( x ) d μ ( x ) , ( A ∈ Σ ) {\displaystyle \nu (A)\equiv \int _{A}w(x)\,d\mu (x),\quad (A\in \Sigma )}
あるいは、ラドン=ニコディム微分 w = d ν d μ {\displaystyle \ w={\frac {d\nu }{d\mu }}}
について定義される測度 ν を意味する。
Lp(S, w dμ) のノルムは、陽的には ‖ u ‖ L p ( S , w d μ ) ≡ ( ∫ S w ( x ) 。 u ( x ) 。 p d μ ( x ) ) 1 p {\displaystyle \|u\|_{L^{p}(S,w\,d\mu )}\equiv \left(\int _{S}w(x)|u(x)|^{p}\,d\mu (x)\right)^{\frac {1}{p}}}
と与えられる。Lp(S, w dμ) と Lp(S, dν) は等しいため、Lp-空間としての重み付けられた空間には特に変わった点は無い。しかし、それらは調和解析におけるいくつかの結果に対する基本的な構成要素である[10]。それらは例えばミュッケンハウプトの定理
(英語版)に現れる:1 < p < ∞ に対して、古典的なヒルベルト変換は Lp(T, λ) 上で定義される。ただし T は単位円板を表し λ はルベーグ測度を表す。(非線型)ハーディ=リトルウッドの極大作用素(英語版)は Lp(Rn, λ) 上で有界である。ミュッケンハウプトの定理は、ヒルベルト変換が Lp(T, w dλ) 上で有界であり、また極大作用素が Lp(Rn, w dλ) 上で有界であるような重み w について述べている。多様体上にも空間 L p ( M ) {\textstyle L^{p}(M)} を定義することが出来、それはその多様体の内的 Lp 空間と呼ばれる。定義の際には、多様体上の密度
(英語版)を用いる。