LS-Cロケット
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LS-Cロケットとは科学技術庁宇宙開発推進本部と後継機関の宇宙開発事業団(後の宇宙航空研究開発機構)が開発した技術試験用の2段式ロケットである。
概要

Qロケット第3段用液体燃料ロケットエンジン技術及び、ジンバルを用いた推力偏向による誘導制御技術の開発を目的として1966年から開発が開始された。その後、1970年にQ,N計画が新N計画に変更されたことに伴い、N-Iロケット第2段用エンジンの開発へと目的が変更された[1]1968年から1974年まで種子島宇宙センター竹崎射場から8機が飛翔し5機が成功した。

LSは第2段が液体(英語: Liquid)ロケット、第1段が固体(英語: Solid)ロケットであることを意味する[1]
構成・諸元

第1段に固体ロケット、第2段に液体ロケットを使用した2段式の構成をもつ。第1段、第2段ともに三菱重工業が製造した。第1段は566mmで固体推進剤は旭化成が担当した。第2段の構成は号番によって異なり、LS-C-Dではダミー、1号機では硝酸非対称ジメチルヒドラジンを推進剤とする二重壁構造のLE-1エンジン、2号機から6号機では硝酸とエアロジン-50を推進剤とする管構造のLE-2エンジン、7号機では四酸化二窒素とエアロジン-50を推進剤とする管構造のLE-3エンジンが用いられた[1]

主要諸元一覧(1号機)[1][2]諸元
全長10.3m
全備質量2,338kg
段数第1段第2段
各段全長7.1m3.2m
直径566mm600mm
平均推力15.5tf3.5tf
比推力210s178s
燃焼時間10.16s38.9s

飛翔実績

号番飛翔日時(JST)場所到達高度目的成否備考
LS-C-D1968年9月19日10:58
TNSC竹崎射場竹崎第1射点9.6km第1段固体ロケットの性能確認、1,2段分離機能の確認成功
LS-C1号機1969年2月6日15:31TNSC竹崎射場竹崎第1射点LE-1の性能確認失敗第1段燃焼末期に爆発し1,2段が分離、第2段は点火後正常に飛行した
LS-C2号機1969年9月10日15:30TNSC竹崎射場竹崎第1射点LE-2の性能及び飛翔性能の確認失敗発射時にタイマースタート用スイッチが動作せず、1,2段分離失敗
LS-C3号機1970年2月3日15:03TNSC竹崎射場竹崎第1射点65kmLE-2の性能及びジンバル機構の動作確認成功
LS-C4号機1970年9月9日15:40TNSC竹崎射場竹崎第1射点45kmジンバル制御装置の作動試験、ジャイロ機器及びガスジェット制御装置の回転制御特性確認成功
LS-C5号機1971年9月10日15:47TNSC竹崎射場竹崎第1射点53kmジンバル制御試験、ジャイロ機器及びガスジェット制御装置の回転制御特性確認成功
LS-C6号機1972年9月25日15:06TNSC竹崎射場竹崎第1射点40kmジンバル制御装置及びガスジェット制御装置による制御試験成功
LS-C7号機1974年2月9日15:30TNSC竹崎射場竹崎第1射点15kmLE-3エンジンの飛翔性能試験失敗第2段着火時、推進薬供給配管に圧力異常が発生し、多量の酸化剤が漏洩

出典・脚注^ a b c d 新版 日本ロケット物語 - 大澤弘之 監修 / 2003年9月 ISBN 4-416-20305-5 p.132-135
^ 我が国の宇宙開発のあゆみ - 科学技術庁 編 / 1978年8月31日 p.15

関連項目

科学技術庁研究調整局航空宇宙課宇宙開発室

LS-Aロケット / LS-Bロケット


宇宙開発事業団(NASDA)

ETVロケット

N-Iロケット


外部リンク

ロケット打ち上げ実績(NASDA) キャッシュ


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