この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証し出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2010年10月)
レイヤ3スイッチ(L3スイッチ)は、コンピュータネットワークにおいて、ルーターとスイッチングハブの機能を併せ持つ機器。LANの中核を構成することが多く、その場合はコアスイッチとも呼ばれる。「レイヤ3」は、OSI参照モデルにおけるネットワーク層(第3層)のデータ転送処理を担うことに由来する。
VLAN対応のL2スイッチにルータ機能を組み込んだ装置がL3スイッチとして解説される事もある[1]。 L3スイッチは、L2スイッチ(スイッチングハブ)から派生したもので、その処理ロジックはルーターよりもL2スイッチに似ている。一部の動作モードを除き、L2スイッチがEthernetフレームのヘッダのみをスキャンしてMACアドレスを元にMACテーブルを作成し、フレームをフォワードするのに対し、L3スイッチでは主にFDB(Forwarding DataBase:後述)と呼ばれるテーブルで3層とMACおよび物理ポート番号を統合して管理する。 通常のL3機器では、経路情報とARP情報が別々のテーブルにて管理されるが、L3スイッチにおいては、FDBにより経路情報とARP情報が一元管理される。以下に簡略したものではあるが例を示す。 ルータの場合は、1.受信フレーム内のIPヘッダから送信先のIPアドレスを抽出した後、2.経路情報を参照して次ノードを決定し、3.ARP情報を参照して送出インターフェースの決定とフレームヘッダのMACの書き換えをおこなう。 L3スイッチでは、1.受信フレーム内のIPヘッダから送信先のIPアドレスを抽出した後、2.FDBを参照して送出ポートの決定とフレームヘッダのMACの書き換えを行う。 この1手差の違いと高速なASIC、速いメモリの組み合わせが、高速なルーティングを可能にしている。
動作方式
FDB(Forwarding DataBase)
ルータの経路情報
宛先ネット マスク 次ノード10.0.0.0 255.0.0.0 192.168.0.1172.16.0.0 255.255.0.0 192.168.0.20.0.0.0 0.0.0.0 192.168.0.3
ルータのARP情報
IPアドレス MACアドレス インターフェース192.168.0.1 00:00:C0:11:11:11 FastEthernet0/0192.168.0.2 00:00:C0:22:22:22 FastEthernet0/1192.168.0.3 FF:FF:FF:FF:FF:FF Serial0/0
L3スイッチのFDB
宛先ネット マスク 次ノード MACアドレス ポート10.0.0.0 255.0.0.0 192.168.0.1 00:00:C0:11:11:11 1172.16.0.0 255.255.0.0 192.168.0.2 00:00:C0:22:22:22 90.0.0.0 0.0.0.0 192.168.0.3 00:00:C0:33:33:33 17
主なL3スイッチ製品とベンダ
OmniSwitch, Ethernet Service Switch, Series / アルカテル・ルーセント
CentreCOM Series / アライドテレシス
AX Series / アラクサラネットワークス
7130シリーズ、vEoS
Avaya , Ethernet Routing Switch Series / 日本アバイア
Catalyst Series / シスコシステムズ
BlackDiamond, Alpine, Summit Series / エクストリーム・ネットワークス
TeraScale, EtherScale Series / フォーステンネットワークス
BigIron, FastIron Series / ファウンドリーネットワークス
SR-S Series / 富士通
GS Series / 日立製作所
Apresia Series / 日立電線
HP A Series, E Series, ProCurve / ヒューレット・パッカード
Aruba CX / ヒューレット・パッカード・エンタープライズ (旧 Aruba networks
M4250 シリーズ / NETGEAR
Passport Series / ノーテルネットワークス
EX Series / ジュニパーネットワークス
関連項目
ワイヤー・スピード
VLAN
QoS
ルーター
出典^ “ ⇒LAN スイッチ - テクノロジー解説”. シスコシステムズ. 2016年9月6日閲覧。