L-649
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コンステレーション

トランスワールド航空
L-1049「スーパー・コンステレーション」の派生型L-1649「スターライナー」(主翼が新設計)

用途:旅客機

製造者:ロッキード

運用者:トランス・ワールド航空
パンアメリカン航空
ヴァリグ・ブラジル航空
英国海外航空など

初飛行:1943年

生産開始:1943年

運用状況:数機のみ
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ロッキード コンステレーション(Lockheed Constellation)は、アメリカ合衆国の航空機メーカー・ロッキード社が開発・製造した、与圧構造装備の4発大型プロペラ旅客機である。「コンステレーション」を略したコニー(Connie)のニックネームと、3枚垂直尾翼付きの独特な機体形状で知られ、1940年代から1950年代にかけて、レシプロエンジン旅客機の歴史の掉尾を飾った存在としても著名である。
目次

1 概要

1.1 開発開始

1.2 初期型

1.3 生産再開

1.4 航続距離延長型

1.5 生産中止


2 その後

2.1 第一線からの退役

2.2 現在


3 技術

4 スペック (投影図はL-1049C)

5 派生型

6 運航者

6.1 航空会社

6.2 軍用


7 日本におけるコンステレーション

8 脚注

9 関連項目

10 外部リンク

概要
開発開始 C-69(アメリカ陸軍航空隊 VC-121A「バターン号」 L-049コンステレーション(英国海外航空 L-649コンステレーション(イースタン航空 L-749コンステレーション(南アフリカ航空 L-1049G スーパー・コンステレーション(KLMオランダ航空) L-1649A スターライナー(トランス・ワールド航空)

1939年に、トランス・ワールド航空(TWA)のオーナーで、大富豪として知られるハワード・ヒューズの支援のもと、当時の新鋭長距離爆撃機を超える飛行性能と与圧された客室を持ち、北アメリカ大陸無着陸横断飛行が可能な旅客輸送機を目標に、ロッキード社のカリフォルニア州バーバンク工場で「L-49」の計画名称で開発が始まった。
初期型

1943年1月9日に初飛行。プラット・アンド・ホイットニー R-2800型を4基搭載し、航続距離、巡航速度は世界最高性能を誇った。第二次世界大戦への参戦により、アメリカが戦時体制下に置かれたことから、完成したL-49は、トランスワールド航空ではなくアメリカ陸軍輸送機「C-69」として納入されることが決定していた。しかし、ロッキード社ではP-38ライトニングなどの製造が優先され、量産計画も立てられない状況が続き、1945年8月の戦争終結まで数機が完成して訓練用などに用いられたに留まり、実戦配備には至らなかった。
生産再開

戦時中、「L-49」の計画名称はロッキード社設計チームとトランスワールド航空の技術職員が討議した改良案で「L-049」に変更された。戦争が終わった年の1945年10月1日、トランスワールド航空が一機目を受領、同年12月3日ワシントンD.C.-パリ便から就航した。

その後ライバルのパンアメリカン航空をはじめ、各国で民間航空が復活するとともに英国海外航空エールフランス航空KLMオランダ航空など、各国のフラッグキャリアをはじめとした航空会社に向けた生産が拡大された。そして、これらの航空会社により大西洋、続いて太平洋を越えて運航される最初の民間機の一つとなった。

1947年には、ライバルのダグラス DC-6に対抗する2モデルを発表した。大西洋横断飛行用に燃料タンクを増設した「L-749 コンステレーション」と、北米大陸横断飛行用にカスタマイズした「L-049-84」案からの量産モデル「L-649」である。いずれもエンジンをライト R-3350型749C18BDデュプレックス・サイクロンに換装し、巡航速度を向上させ搭載重量を大幅に増やしている。

1947年3月14日にL-749[1]が投入され、トランス・ワールド航空やパンアメリカン航空の大西洋横断路線に導入された。L-649[2]は同年5月にイースタン航空へ納入された。ここで高評価を得て、トランスワールド航空、エールフランス航空の追加採用、ウェスタン航空などからの発注が続いた。

ペイロード強化には成功した反面、手荷物や郵便物などを扱う貨物室の狭さや、日を追って増加する乗客に対応するため機体の大型化による容積の拡大が要望され、搭載重量に余裕があるL-649の機体中央に懸架するカッターボート状で非与圧の脱着式貨物用バルク「スピードパック(Speedpak)」をオプションとして開発し、イースタン航空やウェスタン航空などがこれを採用した[3]

L-749は軍用の「C-121」として採用され、ドワイト・D・アイゼンハワー大統領の専用機(VC-121)やダグラス・マッカーサー元帥の専用機「バターン号(VC-121A)」としても使用された。
航続距離延長型

ダグラスがDC-6のペイロード増加型貨物輸送機DC-6Aから旅客型DC-6Bを開発して販売したのにともない、ロッキード社は胴体の中央を直線円筒状に5.64 m延長した「L-1049スーパー・コンステレーション」を発表した。

開発期間の短縮へ民間モデルL-049のデモンストレーション試験機を改造し、製造行程の簡略化を行った。これにより懸案だった容積不足は解消したが、L-1049は北米大陸横断便では搭載人員に対するエンジンの出力不足は否めず、また大西洋横断路線便用のL-749は航続距離不足でトランスワールド航空のハブ空港であったニューヨークのアイドルワイルド国際空港からの大西洋無着陸飛行ができなかった(アイルランドシャノンカナダガンダー、グース・ベイなどへ、燃料給油のための着陸が必要であった)。

このためL-1049を更に改良し、1950年にはエンジンをターボコンパウンド付ライトR-3350型972-TC-18DAに換装し出力不足を解消、構造を強化したL-1049Cと貨客混載型L-1049Dを追加した。1951年7月には航続距離を向上させたL-1049Gが導入され、トランス・ワールド航空のみならず長距離路線を多く保有するエール・フランスルフトハンザ・ドイツ航空ヴァリグ・ブラジル航空など世界の大手航空会社に導入された。

L-1049Gの特色とされる翼端燃料タンク、通称「チップ・タンク」はオプションで、おもに大洋横断飛行用など長距離飛行用仕様機に装備され、陸上を飛行するL-1049Gや準同型のL-1049Hでは取り付けない機体もあった。


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