L-アスパラギンモノハイドレート
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L-アスパラギン


IUPAC名

Asparagine
別称2-Amino-3-carbamoylpropanoic acid
識別情報
CAS登録番号70-47-3 
PubChem236
ChemSpider6031 
UNII7NG0A2TUHQ 
EC番号200-735-9
KEGGC00152 
ChEMBLCHEMBL58832 
SMILES

O=C(N)C[C@H](N)C(=O)O

C([C@@H](C(=O)O)N)C(=O)N

InChI

InChI=1S/C4H8N2O3/c5-2(4(8)9)1-3(6)7/h2H,1,5H2,(H2,6,7)(H,8,9)/t2-/m0/s1 Key: DCXYFEDJOCDNAF-REOHCLBHSA-N 

InChI=1/C4H8N2O3/c5-2(4(8)9)1-3(6)7/h2H,1,5H2,(H2,6,7)(H,8,9)/t2-/m0/s1Key: DCXYFEDJOCDNAF-REOHCLBHBD

特性
化学式C4H8N2O3
モル質量132.12 g mol?1
示性式NH2COCH2CH(COOH)NH2
酸解離定数 pKa2.02 (カルボキシル基), 8.8 (アミノ基)[1]
危険性
NFPA 704010
引火点219 ℃
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アスパラギン(: asparagine)は、アミノ酸のひとつで、2-アミノ-3-カルバモイルプロピオン酸のこと。略号は N あるいは Asn。アスパラガスからはじめて単離されたことによりこの名がついた。

中性極性側鎖アミノ酸に分類される。蛋白質構成アミノ酸のひとつで、非必須アミノ酸。グリコーゲン生産性を持つ。コドンはAAUまたはAACである。
歴史

アスパラギンは1806年、フランスのルイ=ニコラ・ヴォークランとピエール=ジャン・ロビケ(当時は助手)によりアスパラガスの汁から結晶として単離され、単離された最初のアミノ酸となった[2][3]

1809年、ピエール=ジャン・ロビケは甘草の根からもアスパラギン様物質を単離したが、1828年、それはアスパラギンであったことが確認された[4]
タンパク質内での機能

アスパラギンの側鎖はペプチド骨格と水素結合を形成することができる。つまり、他のペプチド骨格の代わりに水素結合サイトを埋めることができる。そのため、この残基はαヘリックスの始点、終点、βシートターンで見られる。構造の類似したグルタミンは立体配座エントロピーが大きいため、このような機能は持たない。

また、アスパラギンはタンパクのN-グリコシル化の標的となる。
生合成

生体内では、アスパラギン酸からアスパラギンシンテターゼにより生合成される。また、アスパラギナーゼによりアスパラギン酸とアンモニアに分解される。オキサロ酢酸からのアスパラギン生合成
物性

分子量 132.12

等電点 5.41

溶解性 水にやや難溶。

溶解度(水、g/100g)2.36 (20℃)、5.94 (40℃)、13.7 (60℃)(一水和物の場合)

ファンデルワールス半径 96

がんへの影響

英科学誌「ネイチャー」に掲載された研究論文で、動物実験段階ではあるがアスパラギンが不足すると乳がん細胞の成長が妨げられることが分かった。実験の内容はがんにかかったマウスに低アスパラギンの食事やアスパラギンを阻害する薬を与えるというものである。通常、がんにかかったマウスだとがんが転移して2?3週間程度で亡くなるが、低アスパラギンの食事やアスパラギンを阻害する薬を与えたマウスでは転移が抑えられた[5]
出典^ Dawson, R.M.C., et al., Data for Biochemical Research, Oxford, Clarendon Press, 1959.
^ Vauquelin LN, Robiquet PJ (1806). “La decouverte d'un nouveau principe vegetal dans le suc des asperges”. Annales de Chimie 57: 88?93. 
^ R.H.A. Plimmer (1912) [1908]. R.H.A. Plimmer & F.G. Hopkins. ed. The chemical composition of the proteins. Monographs on biochemistry. Part I. Analysis (2nd ed.). London: Longmans, Green and Co.. p. 112. https://books.google.co.jp/books?id=7JM8AAAAIAAJ&pg=PA112&redir_esc=y&hl=ja 2010年1月18日閲覧。 
^http://www.henriettesherbal.com/eclectic/kings/glycyrrhiza.html
^ “がん進行・転移に食品が影響か=英研究”. BBC. 2018年2月9日閲覧。

関連項目

アミノ酸発酵

L-アスパラギン酸発酵

外部リンク

アスパラギン
- 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所










タンパク質を構成するアミノ酸
主なトピック

タンパク質

ペプチド

コドン

特性

脂肪族

分枝鎖アミノ酸 (バリン

イソロイシン

ロイシン)

メチオニン

アラニン

プロリン

グリシン

芳香族

フェニルアラニン

チロシン

トリプトファン

ヒスチジン

極性なし

アスパラギン

グルタミン

セリン

トレオニン

正電荷 (pKa)

リシン (?10.8)

アルギニン (?12.5)

ヒスチジン (?6.1)

負電荷 (pKa)

アスパラギン酸 (?3.9)

グルタミン酸 (?4.1)

システイン (?8.3)

チロシン (?10.1)


分類

必須アミノ酸

ケト原性アミノ酸


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