Krita
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Krita
Kritaで描かれたマスコットのキキ
作者KDE
開発元Krita財団
初版2005年6月21日 (18年前) (2005-06-21)

最新版5.2.2[1]  - 2023年12月7日 (5か月前)
リポジトリ

invent.kde.org/graphics/krita

プログラミング
言語C++, Qt
対応OSLinuxFreeBSDOpenBSDWindowsmacOSAndroidChromeOS
プラットフォームKDE,x86,x64,AArch64
対応言語英語日本語、他多数
サポート状況開発中
種別グラフィックソフトウェア
ライセンスGNU General Public License v2 and above
公式サイトkrita.org/jp/
テンプレートを表示

Krita(クリータ、クリタ[2])は、オープンソースソフトウェアとして開発されているペイントソフトである。

KDEプロジェクトに所属するKDEプログラムであり、KDE Frameworksを搭載したUnixオペレーティングシステム (OS) での動作を前提とするが、Windowsなど他のOSにも対応している。GPLライセンスで配布されるフリーソフトウェアであるが、有料版も販売されている(後述)。
概要

PhotoshopGIMPなどのフォトレタッチソフトよりも、PainterSAIなどのペイントソフトに近い操作性を持つ。ただし、Photoshopの調整レイヤに相当する機能を搭載したり、HDR画像(1チャネル当たり32bit)に対応するなど、ペイントソフトとしては強力なフォトレタッチ機能を持つ。

「プロ作品を最初から最後まで作りたいアーティストのためのデジタルペイントスタジオ」であり、「漫画作者、イラストレーター、コンセプトアーティスト、デジタルVFX産業でのマットペイント・テクスチャ製作者」による利用を念頭に置いている[3]

元々はKDEプラットホーム用のオフィススイートである「KOffice」および「Calligra Suite」の一員であったが、2016年リリースのKrita 3.0よりCalligraプロジェクトを離脱し[4]、以後は単独の開発プロジェクトとなっている。2013年、Kritaの開発をサポートするKrita財団がオランダで立ち上げられ、リリースはKrita財団から行われている[5][6]

Kiki the Cyber Squirrelと言うマスコットキャラクターがいる。中国のケモノ系グラフィックデザイナーであるタイソン・タン(zh:?代山)のデザイン。タン氏はKritaの中文版の制作や、他のKDEプロジェクトにも協力している。

フリーの画像加工用フィルター集「G'MIC」を内蔵しており、1クリックで様々なエフェクトをかけることが可能である。

Kritaはフリーソフトだが、Kritaの開発費を賄うために、有料版がSteamWindows Storeなどのストアで販売中。ストア版は自動アップデート機能があり、メジャーバージョンアップも今のところ無料である。2021年現在のKritaの収入はストア版の売り上げが中心となっているので、ためらわずに購入して欲しいが、しかしストアに手数料を払う分が無駄になるので、出来れば寄付して欲しいとのこと[7]。2021年には「Krita開発基金(The Krita Development Fund)」が立ち上げられ、Krita開発のための寄付を募っている。
歴史

1990年代後半、Linuxの世界において、ツールキットとしてGTKを擁する「GNOME陣営」と、Qtを擁する「KDE陣営」が激しく対立していた。

そんな最中、1998年開催のLinux Kongressにおいて、KDEの創始者であるマティアス・エトリッヒが、既存のアプリケーションをQtGUIで動かすのがどれだけ簡単かということを示すため、GIMPQt上で動かすパッチを一晩で書き上げ、実際に動かして見せた。しかしその行為は、元々GIMPの実装のために開発されたツールキットである「GTK(The GIMP Toolkit)」を擁するGNOME陣営にとっては挑発でしかなかった。

それは、GIMPのユーザーコミュニティから大きな怒りを呼び、メーリングリストが炎上した。その結果、エトリッヒが制作したパッチはリリースを断念することになったが、それは同時に、「KDEではGIMPが利用できない」ということを意味した。

GIMPの共同作業者としての立場を失ったKDEプロジェクトは、新たな画像編集アプリケーションを自力で開発することを決定した[8]。当時「KOfficeスイート」の一員として「KImage」という簡単な画像閲覧ソフトが存在したが、エトリッヒは「KImage」をベースとする画像編集ソフトを開発することでKImageの開発者と合意。「KImage」は画像閲覧ソフトとしての機能を「KView(KDE Image Viewer)」として分離独立させた後、「KImageShop」に改名した。(なお、KViewはKDE3まではKuickShowとともにKDE標準の画像ビューワだったが、KDE4でGwenviewにリプレースされた)

1999年5月31日、KImageShopプロジェクトが開始された。当初の構想では、ImageMagickのラッパーとして「KImageShopのGUI」を作るというもので、GIMPのプラグインと互換性のあるアウトプロセスのフィルタプラグインを持つCORBAベースのアプリケーションとなる予定だった。しかしこの構想は実現しないまま、KDE 2.0の開発の忙しさの中、KImageShopの開発は半ば放置された。

その後、「KImageShop」が商標に引っかかったので「Krayon」と改名した。しかし、この名称も商標に引っかかったため、2002年に「Krita」と改名された。スウェーデン語で「クレヨン」の意味を持つ名前で、ここにアプリケーションの名称が決定された。

当初の開発は低速だったが、2003年より重点的な開発が行われ、2004年にKOffice 1.4の一員として初版である「Krita 1.4」の公式リリースが行われた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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