「KISS」
プリンス の シングル
初出アルバム『パレード』
B面? or $ (Love Or Money)
リリース1986年2月5日
規格7インチ・レコード、12インチ・レコード、カセットシングル
録音サンセット・サウンド・レコーダーズ
1985年4月
ジャンルR&B、ファンク、ソウル、ポップ、ミネアポリス・サウンド
時間3分38秒(アルバム・ヴァージョン)
3分46秒(シングル・ヴァージョン)
レーベルペイズリー・パーク・レコード
「アメリカ」(America)
(1985年)「KISS」(Kiss)
(1986年)「マウンテンズ」(Mountains)
(1986年)
ミュージックビデオ
Prince & The Revolution - Kiss (Official Music Video) - YouTube
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「KISS」(キス、Kiss)はプリンスのシングル。8thアルバム『パレード』からの1枚目のシングルとして1986年2月5日に先行発売された[6]。
『パレード』はプリンス主演・監督の映画『プリンス/アンダー・ザ・チェリー・ムーン』のサウンドトラックでもあったが、「KISS」はその映画内では特に前面的に打ち出されてはいなかった[6]。にもかかわらず「KISS」は、ビルボード全米シングルチャートで2週連続1位となり[3]、R&Bチャートでも連続4週間1位を記録する大ヒットとなった[4][注釈 1]。
映画の方は評価的にも興行的にも失敗に終わったが、シングル「KISS」は高評価されており、バラエティ豊かに構成されているアルバム『パレード』の作品的評価を支える楽曲になっているとともに、プリンスのキャリアを代表する楽曲の一つにも挙げられている[6][7]。
カバーやサンプリングで採用されることも多く、1988年にイギリスのアート・オブ・ノイズがトム・ジョーンズをフィーチャリングしたカバー曲が全米でも31位のヒットになり[8]、ほかにも多数のアーティストがカバーしている[9]。 作詞作曲とプロデュースは、従来の楽曲同様にプリンス自身が手掛けている。この「KISS」は、元々はプリンスがロック・ファンク・バンドのマザラティ
制作・録音
プリンスが設立したペイズリー・パーク・レコード(英語版)の所属バンドでもあったマザラティは、プリンスのバンドのザ・レボリューションのベーシストのブラウンマーク(英語版)が所属・プロデュースを手掛け、プリンスもマザラティと一緒に仕事をしていた[6][7]。
マザラティに提供された元楽曲のデモテープは、ペイズリー・パークのスタッフのデヴィッド・Zの主導でアレンジされることになった[6][10][7]。デヴィッド・Zは、ザ・レボリューションのドラマーボビー・Z(英語版)の実兄である[7][注釈 2]。
デヴィッド・Zはアレンジの際に、ボ・ディドリーの「セイ・マン」(Say Man)にインスパイアされたピアノのパートをマザラティのメンバーの1人に演奏させた[10]。また、ブレンダ・リーの「スウィート・ナッシン」(Sweet Nothin's)から着想を得たバック・ボーカルが加わった[10]。こうした作業により、元のアコースティックなデモテープは、ファンクなアレンジになった[6][10][7]。
その彼らの大胆なアレンジからヒントを得たプリンスは、自身の楽曲として最終的にまとめることを考えた[10][7][12]。プリンスはデヴィッド・Zによるファンキーなアレンジと、マザラティのメンバーらのバック・ボーカルを維持したまま、ベースラインを削除した上で、自身の演奏によるギターリフやソロ・パートと、自身のファルセット・ボーカルを吹き込み、プリンスの楽曲としての「KISS」に仕上げた[6][10][7]。デヴィッド・Zは当時の模様を以下のように振り返っている[7]。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}このトラックをマザラティのメンバー数人と一緒に作った。そしたら、翌日になってプリンスがリード・ギターと声をそこに入れたんだ。最初はベースのパートとスネア・ドラムの音と手拍子とアコースティック・ギターがあったんだが、プリンスが全部とっぱらってしまった。