KIPPO
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KIPPO
ジャンル
青年漫画
漫画
作者田中宏
出版社少年画報社
掲載誌ヤングキング
レーベルヤングキングコミックス
発表号2008年、2014年18号 -
巻数既刊26巻(2024年4月22日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『KIPPO』(キッポ)は、田中宏による日本漫画作品。 『BADBOYS』『BADBOYS グレアー』の続編で、2008年から『ヤングキング』(少年画報社)に不定期掲載された後[1]、『ヤングマガジン』(講談社)での『女神の鬼』連載終了を受け、『ヤングキング』2014年18号から定期連載が始まった。キッポとは広島弁で「あとに残る小さな傷」のことを意味する。

広島市を舞台に前2作の登場人物と『BADBOYS』の息子世代が入り乱れる群像劇で、関連作品である『女神の鬼』『莫逆家族』のキャラクターも登場する。長い休載期間を置いたことから、単行本第1巻に収録された話は2008年、第2巻以降は7年後の2015年を舞台とし、単行本18巻からは更に時間が経過し2018年となっている。
あらすじ

2000年代後半以降の広島市は暴走族暴力団もほぼ壊滅状態となり、「極楽蝶」「?威?斗」「廣島Night's」が暴走族TOP3と呼ばれていた1990年代前半、第二次廣島連合が暴走族やチーマーの統一を成し遂げた1990年代後半は、既に遠い過去の話となった。当時の不良少年たちはみな青年を経て中年となり、それぞれの人生を歩みながら今も「ファミリー」として家族ぐるみの付き合いを続けていた。

桐木司の息子・久司はファミリー内の諍いで白石要に刺され命を落としたが、幽霊として現世にとどまり、ファミリーに起こる事件を見守り時に手助けしていた。段野とヒロそれぞれの過去の傷の清算、銀次郎と父・金次郎の再会、司の復讐未遂と松尾安三の消滅を経て、久司は現世に存在しながら誰にも姿が見えなくなり自らの成仏の時を予感するようになる。

松尾安三に取り憑かれて彩らを殺そうとし、ファミリーを離れ広島から去ったイチローだったが、松尾の後遺症で人格が大きく変わってしまい荒みきった生活を送るようになっていた。ファミリーは自分たちではイチローを更生させられないと判断し、かつて広島の不良少年の間で囁かれていた収容施設「鎖国島」の噂を頼る。前田梅の仲介を得て、鎖国島と縁のある猫ヶ丘島にて実際に対面した鎖国島の面々は、禍々しい気を放ちながらも好漢ばかりでイチロー達とすぐに打ち解け、イチローと白石親子は鎖国島へ入るかわりに猫ヶ丘島への移住を決意した。
登場人物
久司世代
桐木 久司(きりき きゅうじ)
本作のナビゲーター。司の一人息子。髪を赤く染めピアスを複数つけているが、ヤンキーとは程遠い優しく大人しい性格をしており、ファミリーの皆から愛されている。2008年、溜まり場を占拠しようとした犯人を探せとイチローに依頼されたことで、イチローらがファミリーに入るきっかけを作った。その後加治屋と要の諍いに巻き込まれ命を落としたが、自分が死んだと気付くより先に幽霊として復活。7年経った2015年にも現世にとどまり続けており、普段は彩の傍につきながら、ファミリーに事件が起こると手助けに奔走している。ファミリーの人間以外には姿は見えず声も聞こえず、現世の物は全て体を通り抜けてしまうが、一瞬だけなら自分の意志で物を触ることができる。2015年、昇喜郎の力を借りて司の復讐を止め松尾安三を消滅させたことで成仏したかに見えたが、ファミリーの人間にも姿が見えなくなってしまっただけでそれ以外は以前と変わっていない。
大友 彩(おおとも あや)
勝恋と津紀子の娘。勝将の異母妹、銀次郎の異父妹にあたる。生まれた時からファミリーの皆に愛されているアイドル的存在。年齢は2008年に小学生、2015年に高校生、2018年に大学生。思春期までは、ファミリーからの愛情を実感しながらも、柄が悪く過保護なファミリーの面々に辟易し反抗していた。子供のころから久司に想いを寄せており、久司が死んだ時には後を追おうとしたこともある。
イチロー / 澤 一郎(さわ いちろう)
黒ヶ丘の不良少年。幼いころから両親の仲が悪く、離婚し母子家庭になった後も母が自分を顧みようとしなかったため、同じ境遇のトモ・フミヤと三人で非行に走り周囲に悪名が知れ渡っていた。2008年、溜まり場にしていた場所へファミリーが彩の運動会の観戦に来たことがきっかけで、家族の愛情に触れ三人でファミリーの一員となった。ファミリーに入ってから加治屋と縁を切るための金として300万円を要求され、トモとフミヤに秀樹とタツヒロを加えた5人で襲撃し加治屋を刺すも一方的に叩きのめされ、秀樹、タツヒロと共に森本組に監禁されていたところをファミリーのカンパによって助けられた。左の眉根に、初対面時に勝恋に殴られた時についた傷がキッポとして残っている。その後は「No.9」で美容師として働いているが、2015年も自分を顧みない母親の愛情に飢えており、それに付け込まれる形で松尾安三に取り憑かれ人格が大きく変わった。それによってトモとフミヤを捨て駒にして彩と勝将を殺そうとし、失敗したことで松尾の呪縛からは解放されたが自分のしてしまったことの罪悪感に苦しみ、ファミリーから姿を消した。その後広島を離れ白石親子と生活を共にしているが、松尾が取り憑いていた後遺症から、衝動を抑えられず人を傷つけることを厭わない荒んだ人間性になってしまっていた。しかしトモとフミヤに再会して黒い気が少し収まり、猫ヶ丘島で鎖国島の島民と交流したことをきっかけに、白石親子と共に猫ヶ丘島へ移り住むことを決意する。
トモ、フミヤ
イチローの親友。少年時代は境遇の似ている者同士常に3人でつるんでいた。2008年の加治屋とのトラブル後、トモは松本泰次(元・極楽蝶八代目メンバー)の経営するつけ麺屋「泰次」、フミヤは鈴木亮介(元・極楽蝶八代目メンバー)の経営するバー「HEITAI'S」で修行に励んでいる。2008年にイチローが加治屋に監禁された時は助ける金を作るため二人で強盗を働こうとしたり、2015年にイチローを鎖国島に入れる話が出た時は錯乱したイチローに切りつけられながら責めもせず慰めるなど、絆は深い。
段野 秀樹(だんの ひでき)
段野の長男。久司やイチローと同い年で、喧嘩はイチローやタツヒロより強い。父と同じく段野運輸に勤めており、2014年に結婚し翌2015年に長男・秀福が生まれた。
佐藤 タツヒロ(さとう タツヒロ)
ヒロの長男。久司やイチローと同い年で、黒ヶ丘で知られる不良だった。父と同じく女好き。職業はショップ店員。2015年に中村寿雄の娘・花と交際し、花の妊娠をきっかけに結婚の約束を交わした。
岩見 留加(いわみ るか)
岩見エイジの一人娘。久司らと同い年の24歳(2015年時)。結婚前から変わらず夫婦仲がいい両親に憧れ、父エイジのような結婚相手を探そうと躍起になっている。
加治屋(かじや)
森本組の
ヤクザ。年齢は久司らの2歳上。廣島連合時代の勝将と互いに「ブラザー」と呼び合い遊び相手になっていた近所の小学生で、秀樹やイチローら数人を独りで一方的に叩きのめせるほど喧嘩が強く、少年時代は広島中に悪名を轟かせていた。イチローが不良少年だったころは、組の力をバックにトラブルを片付けるなど面倒を見ていた。坊主頭で頭と顔に無数の傷痕があり、両肩には骨の手が自分の肩を抱いているような柄の刺青を入れている。子供のころからファミリーの人間と顔見知りで、親の愛情を受けずに育ったことなどから他人の善意を信じない性格になり、ファミリーからは距離を置いていた。2008年の林の放火事件をきっかけにファミリーと交遊を結ぶようになったが、自分と要の諍いで久司が命を落として以来、自責の念から別人のように大人しくなっている。2015年、イチローを鎖国島に入れるべく昇喜郎らと共に白石の元を訪れ、その時に要と和解した。
白石 要(しらいし かなめ)
白石勇の一人息子で、加治屋と同い歳の不良。父親が幹部だった旧廣島連合に憧れ、自分を村越宏明、加治屋を松尾安三に見立て、伝説の男になろうと加治屋と頻繁に衝突し、また松尾の息子である昇喜郎がファミリーの一員であることに不満を漏らしていた。2008年、昇喜郎だけでなく加治屋もファミリーの一員となったことでファミリーを敵視、加治屋を殺そうとナイフで襲い、割り込んできた久司を誤って刺殺し逮捕された。2015年に刑務所を出所、広島を離れた父らと共に暮らし、猫ヶ丘島へ移住した。


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