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1II6, 1Q0B, 1X88, 1YRS, 2FKY, 2FL2, 2FL6, 2FME, 2G1Q, 2GM1, 2IEH, 2PG2, 2Q2Y, 2Q2Z, 2UYI, 2UYM, 2WOG, 2X2R, 2X7C, 2X7D, 2X7E, 2XAE, 3CJO, 3HQD, 3K3B, 3K5E, 3KEN, 3L9H, 3WPN, 3ZCW, 4A1Z, 4A28, 4A50, 4A51, 4A5Y, 4AP0, 4AQV, 4AQW, 4AS7, 4B7B, 4BBG, 4BXN, 4CK5, 4CK6, 4CK7, 4ZCA, 4ZHI
識別子
記号 ⇒KIF11, EG5, HKSP, KNSL1, MCLMR, TRIP5, Kinesin family member 11
外部IDOMIM: 148760 MGI: ⇒1098231 HomoloGene: 3322 GeneCards: KIF11
遺伝子の位置 (ヒト)
染色体10番染色体 (ヒト)[1]
バンドデータ無し開始点92,574,105 bp[1]
終点92,655,395 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
染色体19番染色体 (マウス)[2]
バンドデータ無し開始点37,364,851 bp[2]
終点37,410,307 bp[2]
遺伝子オントロジー
分子機能? ⇒microtubule motor activity
? ⇒ヌクレオチド結合
? ⇒microtubule binding
? ⇒protein-containing complex binding
? ⇒plus-end-directed microtubule motor activity
? ⇒ATP binding
? ⇒プロテインキナーゼ結合
? ⇒ATPアーゼ活性
細胞の構成要素? ⇒spindle pole
? ⇒膜
? ⇒キネシン
? ⇒紡錘体
? ⇒spindle microtubule
? ⇒微小管
? ⇒細胞骨格
? ⇒細胞質
? ⇒細胞質基質
? ⇒細胞核
? ⇒高分子複合体
? ⇒mitotic spindle
生物学的プロセス? ⇒antigen processing and presentation of exogenous peptide antigen via MHC class II
? ⇒regulation of mitotic centrosome separation
? ⇒染色体分離
? ⇒mitotic spindle organization
? ⇒細胞分裂
? ⇒spindle assembly
? ⇒microtubule-based movement
? ⇒mitotic spindle assembly
? ⇒spindle organization
? ⇒mitotic centrosome separation
? ⇒細胞周期
? ⇒retrograde vesicle-mediated transport, Golgi to endoplasmic reticulum
? ⇒体細胞分裂
出典: ⇒Amigo / QuickGO
オルソログ
種ヒトマウス
Entrez
3832
16551
Ensembl
⇒ENSMUSG00000012443
UniProt
⇒Q6P9P6
RefSeq
(mRNA)
NM_004523
NM_010615
RefSeq
(タンパク質)
NP_004514
NP_034745
場所
(UCSC)Chr 10: 92.57 ? 92.66 MbChr 10: 37.36 ? 37.41 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
KIF11(kinesin family member 11)は有糸分裂に必要不可欠なモータータンパク質であり、ヒトではKIF11遺伝子にコードされる[5][6]。KIF11はキネシンスーパーファミリーのメンバーであり、このファミリーのメンバーは細胞内の微小管に沿って移動するナノモーターである。発見当初の研究における命名である、キネシン-5(Kinesin-5)、BimC、Eg5、N-2といった名称でも知られる。
現在、配列類似性に基づき、70種類以上の真核生物のキネシン-5タンパク質が同定されている。このタンパク質ファミリーのメンバーは紡錘体のダイナミクスさまざまな面に関与しており、有糸分裂に必要不可欠である。KIF11の機能として、染色体の配置、中心体の分離、紡錘体の双極型構造の確立などが挙げられる[7]。ヒトのキネシン-5タンパク質(KIF11)は、有糸分裂における役割について精力的な研究がなされており、またがんの治療標的としての可能性もある。 KIF11(キネシン-5、Eg5)は紡錘体の逆平行微小管の間を架橋し、紡錘体の双極性を維持するホモ四量体である[8][9][10][11]。N末端にはモータードメイン(モーターヘッド)が位置し、ATPの加水分解と微小管への結合を担っている。キネシン-5は双極型のホモ四量体構造へと組み立てられ、逆平行方向に配置された微小管束をスライドさせて引き離すことができる[9][12][13]。大部分の生物の有糸分裂においてこのモーターは必要不可欠であり、微小管を基盤とした紡錘体の自己組織化に関与しているが、その他の過程では細胞生存に必須ではない。またこのモーターは、成長円錐の誘導や伸長など、哺乳類の神経過程の適切な発達にも関与している可能性がある[14][15]。 大部分の真核細胞においてキネシン-5は、有糸分裂前期の間に逆方向を向いた微小管対の間でクロスブリッジを形成し、複製された中心体を紡錘体形成時に引き離す役割を果たすと考えられている[9][13][16]。その結果、双極型紡錘体構造の定常状態が確立される。 哺乳類、植物、菌類など多くの真核生物種において、有糸分裂の開始時にキネシン-5の機能を喪失させる実験が行われており、その結果として有糸分裂に壊滅的な欠陥が引き起こされることが示されている[17][18][19][20][21][22]。キネシン-5のモーター機能は有糸分裂の開始時を通じて重要であり、その機能が喪失することで紡錘体極の崩壊や反転が引き起こされ、中心体の対が細胞中心に位置し、そこから微小管が放射して凝縮した染色体が周縁部に位置する状態となる。こうした影響の例外の1つは線虫Caenorhabditis elegansであり、キネシン-5が有糸分裂に絶対に必要であるわけではない。しかしながら、細胞分裂の全体的な正確性には大きな影響が生じる[23]。 がん細胞株を用いたin vitroでの表現型スクリーニングをもとに、ヒトのキネシン-5に対する低分子阻害剤が発見されており、こうした化合物をもとに新たな抗がん薬の開発が行われているほか、微小管モータータンパク質のメカニズムを調べるためのツールとしても利用されている[22][24]。
機能
有糸分裂における機能