K2_(戦車)
[Wikipedia|▼Menu]

K2 黒豹[1][2][3][4]ポーランド陸軍第20機械化旅団配備のK2戦車
性能諸元
全長10 m
車体長7.50 m
全幅3.60 m
全高2.50 m
重量55.0 t
懸架方式油気圧
速度70 km/h(整地
50 km/h(不整地
行動距離450 km
主砲ヒュンダイ WIA CN08 55口径120mm滑腔砲
副武装

7.62mm機関銃(主砲同軸)

12.7mm重機関銃K6(砲塔上面)

装甲複合装甲(砲塔前面 及び 車体前面)
エンジン

第1次量産車:MTU製MT-883 4サイクルV型12気筒ディーゼルエンジン

第2次・第3次量産車、ポーランド向け一次契約:HD現代インフラコア(旧斗山インフラコア)社製DV27K4サイクルV型12気筒水冷ターボチャージドディーゼル

TZENコンパクトAPU[5]
メインエンジン…1,500 hp、APU…8.0kW(285A)

乗員3名
テンプレートを表示

K2戦車(ケーツーせんしゃ、: K2 ??)は、大韓民国の第3.5世代主力戦車[3]K1戦車の改良型であるK1A1の導入後、旧世代のM48A3K及びM48A5K退役による戦力の穴を埋める目的[6]で1995年から開発され、2014年に量産車が就役した。

別称は「黒豹」(フクピョ、: ??)[7]、国際輸出市場においてはBlack Pantherと呼称されている。

2022年7月27日、ポーランド軍が1,000両調達する契約を締結し[注 1]、歴史上初めてヨーロッパで採用されたアジア製主力戦車となっている。
概要K2戦車の射撃及びスモークグレネード発射動画

K2戦車は、目標自動検出・自動追尾可能なFCSに制御された自動装填装置付120o55口滑腔砲による正確な射撃能力[注 2]複合装甲及びアクティブ防護システムによる高い防護力を有するとともに、敵味方識別装置、C4Iシステムと連動した車両間データ通信システム等を装備した標準的な第3.5世代戦車である[3][11]

特徴的な点としては、砲塔バスルに自動装填装置を装備したことで乗員が3名となっており、また油気圧サスペンションを有することで高俯仰角を得ることができ、これによるハルダウン射撃時に正面投影面積を極限できる台形状の砲塔正面の装甲形状を有することがあげられる。韓国向け量産車両には2022年7月現在装備されていないが、ハードキル式アクティブ防護システムがオプションとして用意されている。

本戦車は開発当初パワーパックの開発に難航したことが知られており、2023年5月現在、韓国向け量産車では韓国製エンジンとドイツ製トランスミッションの組み合わせで構成されている。

主要コンポーネントについては、主砲はヒュンダイWIA、複合装甲はSamyang Comtech、レーダーはLIGネクスワン、照準器はハンファタレス(現ハンファシステム)製となる[1]。パワーパックは第1次量産車が独MTU・RENK製ユーロパワーパック、第2次量産車以降がHD現代インフラコア(旧斗山インフラコア)製エンジン・独RENK製トランスミッションの混合パワーパックである。

価格は1両82億ウォン[12]

生産数は2023年6月時点で約234両(韓国軍向け206両[13]、ポーランド軍向け28両[14])、調達予定総数約1410両(韓国軍向け合計410両[15]、ポーランド軍向け合計1000両[8]
特徴
火力
火砲システム

国防科学研究所(ADD)とヒュンダイWIAが共同開発したCN08 120mm55口径滑腔砲 (CN08 120 mm gun) を搭載し、自動装填装置[注 3]を備える。副火器として12.7mm K6重機関銃、主砲同軸の7.62mm機関銃が装備されている。使用砲弾としてトップアタック攻撃可能な知能化弾、APFSDS弾、HEAT-MP弾などを使用可能である[1]。砲身と砲塔部にはレーザー式の「ボアサイト・ミラー」と「砲口照合装置」を備え、機動時等の砲身のズレを自動検出する[16]

120o砲弾搭載数は40発であり、内16発を即応弾として自動装填装置に、24発を車体内に格納する[注 4]。射撃速度は自動装填装置により毎分10-15発となる。12.7o機関銃弾の搭載数は3,200発、7.62o機関銃弾は12,000発である[3][18]
ベトロニクス

センサーとして砲塔部にハンファ・システム製昼夜兼用の非冷却式赤外線映像装置レーザー測距儀を有する車長用パノラマ潜望鏡器 (KCPS)及び砲手潜望鏡 (KGPS) を搭載し、ハンター・キラー能力を有する[18][19][20]。また砲手と車長の両方に大型の多機能ディスプレイが装備されているため、砲手は一つのスクリーンで砲手潜望鏡からの映像を確認しつつ、もう一つのスクリーンで車長潜望鏡からの映像を確認し、全周を監視する事が可能となっていいる。同様に車長が車長潜望鏡と砲手潜望鏡の映像を同時に確認する事が可能であるため、車長と砲手が同じ映像を確認し、それに応じた行動調整が可能となるため、状況認識と意思決定の高速化が可能となっている[17]

加えてFCS油気圧サスペンションと連動したEHFレーダー[21]を備えており、一例として戦車が停止して車体姿勢を下げた場合、トップアタック誘導砲弾KSTAM-IIを射撃を実施すると自動的に判断し、各種センサーと連動し目標物まで必要な角度を計算する。また、地上目標だけでなく、低高度を飛行するヘリコプター等の空中目標の検知も可能で目標補足距離は10kmに達する。FCSが目標の自動検出・自動追尾により乗員の戦闘をサポートする[22][3][23]ことにより、移動目標対処や行進射撃能力を有し[4]、機動しながら距離2700mの目標を正確に射撃する事が可能である[10]

砲及び砲塔駆動装置はDoosan Corporation Mottrol製駆動システム (28-260VDC) であり[18]、油圧式ではなく電気式となっている[23]。。後述の姿勢制御機能と連動する事により、仰角24度の間接照準射撃(射程5q)や対ヘリコプター射撃が可能である[12]
砲弾

K2戦車が運用する砲弾は以下の通り (CN08用弾薬) [3][24]

NATOスタンダード砲弾

国産APFSDS弾(K276、K279、K279改)[注 5]

国産HEAT弾(K277、K280)[注 6]

KSTAM-U (KSTAM) …ドイツのディール社との共同開発。間接照準射撃で発射し、敵戦車上空で減速パラシュートを展開、赤外線シーカー及びレーダーにより目標を補足、EFPを発射し装甲の薄い敵戦車上面を攻撃するトップアタック誘導砲弾。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:188 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef