K1A1戦車
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K1[1][2][3][4]
性能諸元
全長K1:9.67m
K1A1:9.71m
車体長7.47m
全幅3.60m
全高2.25m
重量K1:51.1トン
K1A1:53.2トン
懸架方式油気圧/トーションバー併用
速度65km/h(整地
40km/h(不整地
行動距離440km
主砲K1:K68 51口径105mmライフル砲(47発)
K1A1:KM256 44口径120mm滑腔砲(32発)
副武装12.7mm重機関銃M2×1(2,000発)
7.62mm機関銃M60E2×2(8,600発)
装甲K1:複合装甲(車体前面および砲塔前面)、空間装甲(側面)
K1A1:複合装甲
エンジンMTU MB871 Ka-501
4サイクルV型8気筒液冷ターボチャージドディーゼル
1,200hp
乗員4名
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K1は、アメリカのクライスラー(後に軍事部門が売却され現:ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ)の設計のもと韓国ヒュンダイロテムで製造・近代化改修された韓国軍主力戦車のシリーズであり、K2戦車が戦力化された2020年代初頭においても韓国軍の中核的装甲戦力である[5]
概要

クライスラーが開発した原型となるM1エイブラムスの設計を色濃く受け継いでいるものの、山岳地帯の戦闘を想定し軽量化し機動性を向上するとともに、油気圧式のHSUとトーションバーのハイブリッドサスペンションを採用する事による姿勢制御機能により高俯仰角を得ることができ[6]、これにより起伏の激しい山岳地帯において車体を隠したハルダウン射撃や高所に対する高仰角射撃による戦闘を実施する事が可能である[7]

後述する通り、シリーズ原型のK1はFCS制御の105oライフル砲、初期型の複合装甲の装備など初期型M1エイブラムスに準じた最初期型第3世代戦車の特徴を備え、近代化改修により主砲口径の増大や複合装甲の換装、C4I機能の強化などが行われている。

シリーズ総生産数は1,500両超であり、約2,200両の韓国保有戦車の半分以上を占める数的主力となる[8][9]

K1シリーズ主要各型の比較バリエーションK1K1E1K1A1K1A2
主砲K68 105mmL51ライフル砲
(47発)KM256 120mmL44滑腔砲
(32発)
就役1988年?2014年?2001年?
2022年2014年?
製造数計1,027両計484両
車長潜望鏡VS-580KCPSA1KCPS
砲手潜望鏡初期型445両GPSS
後期型582両GPTTSKGPS
主装甲M1戦車用SAP[10]KSAP複合装甲
全長×
全幅×
全高(m)9.67×3.60×2.259.71×3.60×2.25
重量51.1トン51.5トン53.2トン
最高速度65km/h60km/h
C4ISR無線のみ敵味方識別装置
自己位置共有機能
敵目標共有機能等無線のみ敵味方識別装置
自己位置共有機能
敵目標共有機能等

設計
火力120o砲弾を装填するK1A1装填手
主砲


K1/K1E1…K68 51口径105mmライフル砲[注 1]

K1A1/A2…KM256 44口径120mm滑腔砲[注 2]。有効射程は約2000m[12]
それぞれNATOの代表的な105o砲、120o砲をライセンス生産したものであり、砲システムとして自動装填装置を有さず、装填手による手動装填となる。
車長用潜望鏡


K1…フランスSFIM社(現サフラングループ)製[13]VS-580[14][注 3]

K1E1…KCPSのサーマルセンサーを第3世代型に改良したKCPSA1を装備[5][14]

K1A1/A2…SAMSUNG THALES(現Hanwha Systems[15] )製KCPS(Korean Commander's Panoramic Sight)[16][14]を装備しており、第2世代型サーマルセンサーを備え、360度旋回可能で府仰角は±35度、昼夜兼用の3倍/10倍切り替え式となる[17]

砲手潜望鏡


K1/K1E1初期型445両…ヒューズ社(現レイセオン)製GPSSを装備[18]、サーマル機能無し[7]

K1/K1E1後期型582両…テキサス・インスツルメンツ社(防衛事業は現レイセオン)製GPTTS(Gunner's Primary Tank Thermal Sight)[14]サムスン電子にてライセンス生産[19]、サーマル機能有り

K1A1/A2…国防科学研究所で開発[13]、SAMSUNG THALESで製造されサーマル機能を持つKGPS(Korean Gunner's Primary Sight)[14][20]

副火器

主砲同軸に7.62mm M60E2機関銃、装填手ハッチに7.62mm M60D機関銃が搭載されている一方、車長用には.50口径(12.7mm)K6重機関銃が搭載されている。砲塔前方の両側には6連装発煙弾発射基盤がそれぞれ配置されている[4]米韓合同演習において斜行進射撃を行うK1戦車
火器管制システム


K1…横風センサー等を含む多数のセンサーを搭載した16bit弾道コンピュータをのGeneral Dynamics Canada製デジタル式射撃指揮装置を有し、静止目標・移動目標問わず射撃可能である事に加え、行進射撃能力を有する
[4]

K1A1…搭載コンピュータをSAMSUNG THALES製KBCSに換装[21]、32bitとなり処理能力が向上[4]

防護力
受動装甲


K1/K1E1
[注 4]については米国M1戦車の複合装甲[注 5]をベースに開発されたSAPを直輸入して装着している[25][10][注 6]

K1A1/A2については韓国Samyang Comtech社が開発したセラミック系KSAP複合装甲を装備している[26][25]

防弾鋼板については米国製となる[注 7]。また、砲塔側面の雑具箱は空間装甲の効果を期待されている[7]

K1E1/A2までの正面装甲厚は、輸入品の初期型複合装甲でRHA換算400?500mm水準、国産複合装甲でRHA換算600mm水準とされている[28]。このため、韓国軍内部資料によれば、北朝鮮が使用する貫徹力RHA600?800o相当のBulsae-4(火鳥4)対戦車ミサイルに対しては全K1系列戦車の正面装甲及び側面装甲が貫徹される恐れがあると報告されている[29]
CBRN防護システム

M8A1警戒システムとM13A1ガス除去粒子フィルタ[注 8]で構成される[4]


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