Jakarta_EE
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Jakarta EEは、Javaで実装されたアプリケーションサーバの標準規格及びそのAPIを定めたもの。Java Platform, Standard Edition (Java SE) の拡張機能の形で提供される。旧名はJava Platform, Enterprise Edition (Java EE) 。
概要JavaプラットフォームにおけるJava EE(現・Jakarta EE)の位置づけ。Java EEはJava SEの拡張機能として位置づけられた。

1999年に初版である1.2が発表された。主に小規模?大規模サーバーシステムの標準仕様として、動的HTTPサーバ機能、自動トランザクション管理機能、データベース接続機能、メッセージング機能、各種通信プロトコル機能がAPIとして定められている。大規模システムにおける多層システムの構築も想定されており、XAプロトコルを用いた分散トランザクションにも対応している。

過去のリリースに伴い名称が変化しており、2017年現在のバージョンはJava Platform, Enterprise Edition 8 (Java EE 8) と命名されているが、Java EE 5より過去のバージョンはJava 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) と命名されていた。

Java EE自体は仕様であるため、各社・各組織がライセンスを受け実装している。オープンソースのものからプロプライエタリなもの、無償のものや有償のものなど選択肢が多い。

Java EEの権利はサン・マイクロシステムズを買収したオラクルが保有してきたが、同社は2017年にJava EEをEclipse Foundationに寄贈してオープンソース化をすることを発表。Java EEの商標については引き続きオラクルが保有するため、Java EE 9以後はJakarta EEの名で開発が進められる事が発表された[1]
歴史

Jakarta EEは1999年の登場以後、数年おきに新しいバージョンが策定されている。
Java 2 Platform, Enterprise Edition 1.2
最初のJ2EEの仕様。サン・マイクロシステムズが開発をし、1999年12月12日にリリースされた。1.2当初は以下のような技術から構成されていた。JDBC 2.0, JNDI 1.2, RMI-IIOP 1.0, Servlet 2.2, JSP 1.1, EJB 1.1, JMS 1.0, JTA 1.0, JavaMail(英語版) 1.1, JAF(英語版) 1.0
Java 2 Platform, Enterprise Edition 1.3
JSR 58 として2001年9月24日にリリースされた。仕様検討は、Java Community Processの元で行われた。ベータ版が2001年4月にサンによってリリースされている。1.3では新たにJSPの標準カスタムタグライブラリであるJSTLや、JAXP, J2CA(英語版), JAAS(英語版)といった技術が追加された。またEJBが2.0へと更新され、JNDIはJ2SEへの移行により取り除かれた。
Java 2 Platform, Enterprise Edition 1.4
JSR 151として2003年11月24日にリリースされた。ベータ版2002年12月にSunによってリリースされている。SOAPによるWebサービスを実現するJAXP, JAXR, JAX-RPCが導入された他は、小改良に留まっている。
Java Platform, Enterprise Edition 5
JSR 244として2006年5月11日にリリースされた。5からは名称・バージョン体系が改められており、またJ2SE 5.0で導入されたアノテーションを使った仕組みが導入されるなど、仕様自体も大きく変更された。中でもEJBはDIPOJOの概念を取り入れ仕様を全面的に見直した3.0へと更新されており、さらにEJBから派生する形で永続化フレームワークであるJPAも追加されている。また、新たにWebアプリケーションフレームワークであるJSFが採用された。
Java Platform, Enterprise Edition 6
JSR 316として2009年12月10日にリリースされた。6では新たにDIを実現するCDIや、バリデーションを提供するBean Validationといった技術が追加されている。また、JSFが2.0となり大幅に仕様が変更となっている。
Java Platform, Enterprise Edition 7
JSR 342として2013年5月28日にリリースされた。7ではJSFが2.2となりCDIに準拠した上でHTML5にも対応した。WebSocketバッチ処理に関する仕様が追加されている。Java EE 7は以下のような技術から構成されている。WebSocket, JSON Processing, Servlet 3.1, JSF 2.2, EL 3.0, JSP 2.3, JSTL 1.2, Batch Applications, Concurrency Utilities, CDI 1.1, DI 1.0, Bean Validation 1.1, EJB 3.2, Interceptors 1.2, JCA(英語版) 1.7, JPA 2.1, Common Annotations(英語版) 1.2, JMS 2.0, JTA 1.2, JavaMail(英語版) 1.5, JAX-RS 2.0, Enterprise Web Services 1.3, JAX-WS(英語版) 2.2, Web Services Metadata(英語版), JAX-RPC 1.1, JAXM(英語版) 1.3, JAXR(英語版) 1.0, JASPIC 1.1, Java ACC 1.5, Java EE Application Deployment 1.2, J2EE Management(英語版) 1.1, Debugging Support for Other Languages 1.0, JAXB 2.2, JAXP 1.3, JDBC 4.0, JMX 2.0, JAF(英語版) 1.1, StAX
Java Platform, Enterprise Edition 8
JSR 366として2017年9月21日にリリースされた。8ではServletがHTTP/2をサポートした4.0に更新されている。全体としては7の小改良に留まっているものの、JSF 2.3によるHTML処理が大きく改良されている。
主なAPI

Jakarta EE APIは Java SE APIを元に機能拡張された様々な技術を包含している。

Java EE 8 Specification APIs


Java EE 7 Specification APIs

Java EE 6 API Specification

javax.servlet.*

Servletパッケージでは、主にHTTPリクエストのためのAPIが定義されている。またJavaServer Pages (JSP) に関するAPIも含まれる。
javax.websocket.*

WebSocketパッケージでは、WebSocketの通信に関するAPIが定義されている。
javax.faces.*

Facesパッケージでは、 Java Server Faces (JSF) に関するAPIが定義されている。JSFはコンポーネントによるUI構築技術である。
javax.el.*

ELパッケージでは、Java EEのEL式に関するクラスインターフェースが定義されている。EL式はJSPやJSFを作成するWebアプリケーション開発者のためにデザインされた簡単な構文である。主にJSFにおいてコンポーネントに管理beanを結びつけるために用いられるが、仕様自体は独立しており、それ以外の部分でも使用可能である。
javax.enterprise.inject.*

Injectパッケージでは、 ⇒Contexts and Dependency Injection (CDI) APIのためのインジェクションアノテーションが定義されている。CDIは依存性の注入 (DI) に関する仕様である。
javax.enterprise.context.*

Contextパッケージでは、Contexts and Dependency Injection (CDI) APIのためのコンテキストアノテーションとインタフェースが定義されている。
javax.ejb.*

Enterprise JavaBeans (EJB) パッケージでは、EJBコンテナがサポートするトランザクション処理 (JTA)、RPCRMIまたはRMI-IIOP)、並行性制御依存性の注入 (DI)、ビジネスオブジェクトのためのアクセス制御といった軽量APIが定義されている。またこのパッケージは、エンタープライズBeanとそのクライアント間、エンタープライズBeanとEJBコンテナ間の取り決めを定義したクラスとインタフェースも含む。
javax.validation.*

Validationパッケージでは、Bean Validation APIのためのアノテーションとインタフェースが定義されている。Bean Validationはbean(例えばJPAのモデルクラス)に対する統一されたバリデーション(値の検証)手法を提供する。Java EEの各要素では、JPAが永続化層におけるバリデーションに、JSFがビュー層におけるバリデーションにまた関与する。
javax.persistence.*

Persistenceパッケージには、永続化プロバイダと管理クラス、それにJava Persistence API (JPA) クライアントの間の取り決めを定義したクラスとインタフェースが含まれている。
javax.transaction.*

Transactionパッケージでは、Java EEのトランザクション処理を担うJava Transaction API (JTA) のインタフェースとアノテーションを含むAPIが定義されている。これらのAPIは低レベルAPIが抽象化されたものであり、通常のアプリケーション開発者がJava EEを用いて開発する場合は、EJBのより高レベルのトランザクション管理を用いたり、このAPIのアノテーションとCDIの管理Beanとを組み合わせて使用することが想定されている。
javax.security.auth.message.*

Messageパッケージでは、Java Authentication SPI (JASPIC) のインタフェースやクラスを含むAPIが定義されている。JASPICはセキュアなJava EEアプリケーションを構築するための仕様である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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