JR貨物コキ100系貨車
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コキ100系貨車
コキ100系貨車で組成された貨物列車(2021年2月17日 大磯駅 - 二宮駅間)
基本情報
車種コンテナ車
運用者日本貨物鉄道
所有者日本貨物鉄道
製造年1987年 - 2017年
製造数7,082両
主要諸元
軌間1,067 mm
荷重40.5t
最高速度110 km/h
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コキ100系貨車(コキ100けいかしゃ)とは、日本貨物鉄道(JR貨物)が1987年度から製作する貨車コンテナ車)である。
概要

コンテナ輸送の競争力を向上するため、日本国有鉄道(国鉄)末期から速度や輸送力向上の対策が進められてきた。主要拠点間の輸送は、輸送効率に難があり高速走行ができないコキ5500形最高速度 85 km/h)や、100 km/hで走行可能なものの輸送効率と整備性に難のあるコキ10000形に代わり、コキ50000形(最高速度 95 km/h)やその改造車で対応されてきたが、生活関連物資輸送などの特に速達性の要請が強い分野でトラック輸送に対抗することと、将来想定される輸送分野に対応できるよう、高速走行と汎用的な積載能力を兼ね備えた新型車両の開発が1987年の国鉄分割民営化直後から開始され、同年に製作されたコキ100形の試作車4両 (1 - 4) が各種試験に供された。

この成果を基に1988年から量産された車両が、本系列の嚆矢となるコキ100形・コキ101形である。海上コンテナ輸送のための低床車体、拠点間輸送に適応した4両ユニット方式、コストを抑えるためユニット単位での集中搭載とした電磁ブレーキ装置などの新機軸が盛り込まれた。

1988年3月のダイヤ改正で設定された最高速度 110 km/h のコンテナ列車「スーパーライナー」に暫定使用されていたコキ50000形350000番台を置き換えたほか、拠点間の主要列車に重点的に投入された。

本系列は、その後従来のコンテナ車置き換えや海上コンテナ輸送への対応など輸送の実態に合わせた仕様の変更を重ねた結果、複数の派生形式が開発されて2010年代においても製作が続いており、2016年時点での総数は6,000両を超えている[1]

製造メーカーは川崎重工業日本車輌製造の2社であるが、試作車のうちコキ100-2のみは、JR貨物新小岩車両所ノックダウン生産[2]されている。
構造


コキ100 - コキ105の各形式に使用されているFT1形台車(根室本線新富士駅、2005年6月26日)コキ104-504の台枠上部(根室本線新富士駅、2005年7月17日)

台枠は従来のコンテナ車と同様な魚腹形側梁であるが、海上コンテナなどで一般的な高さ 8 ft 6 in (2,591 mm, ISOコンテナ標準サイズ) を積載できるよう床面高さを従来車より 100 mm 下げ、1,000 mm とした[3]。このため台車周辺の台枠寸法が変更されている。車体長はコキ50000系と同一の 19,600 mm を基本とする。

車体の一端に手すりとデッキ、昇降用ステップを有する。「突放禁止」とされたため手ブレーキは留置専用とされ、操作ハンドルは側梁側面に移設された。外部塗色はコンテナブルー(明るい青)、台車は灰色である。ユニットで運用される形式の中間車は手すりとデッキを廃止し、車体長が短くなったものもある。

台枠上のコンテナ緊締装置は 5 t コンテナ (10 ft , 12 ft) 用を左右5組、 20 ft コンテナ用を左右3組装備するほか、着脱式のインターボックスコネクタ(IBC、海上コンテナ用緊締装置)により各種の海上コンテナを積載できる構造である。20 ftコンテナ(総重量13.5 t)3個積載できるように積載重量は40.5 tとした[3]

台車はコキ50000形のTR223形を基に開発されたFT1系列である。枕ばね配列の変更や左右動ダンパの取付、軸受の軸ゴム追加などが施された。

ブレーキ装置はコキ10000系と同様な CLE 方式(応荷重装置付電磁自動空気ブレーキ)を装備する。ただし、ユニットで運用される形式では電磁弁をユニット中の一部車両のみに搭載し、ここからユニット内他車の CL 方式(応荷重装置付自動空気ブレーキ)ブレーキ装置を集中制御する。最高速度は 110 km/h である。

各部寸法は以下の一覧のとおり形式毎に詳細が異なる。

形式荷重
(t)自重
(t)換算最大長
(mm)最大幅
(mm)最大高
(mm)車体長
(mm)車体幅
(mm)床面高さ
(mm)台車中心間
距離
(mm)
積空
コキ100形40.518.55.01.819,9102,6401,16219,1102,3761,00013,710
コキ101形40.518.75.01.820,4002,6401,86719,6002,3761,00014,200
コキ102形基本番台40.518.55.01.819,9102,6401,16219,1102,3761,00013,710
500番台40.518.55.01.820,4002,6401,16219,6002,3761,00014,200
コキ103形40.518.75.01.820,4002,6401,86719,6002,3761,00014,200
コキ104形基本番台40.518.75.01.820,4002,6401,86719,6002,3761,00014,200
5000番台40.518.75.01.820,4002,6401,86719,6002,3761,00014,200
10000番台・改造前40.518.95.01.820,5502,6451,88919,6002,3961,03014,200
コキ105形40.518.75.01.820,4002,6401,86719,6002,3761,00014,200
コキ106形40.718.95.01.820,4002,6632,01719,6002,3961,00014,200
コキ110形40.718.95.01.820,4002,6632,01719,6002,3961,00014,200
コキ107形40.718.65.01.820,4002,6632,01719,6002,3961,00014,200

形式毎の概要

コキ100 - 105には製造当初車体に「JR貨物」の文字が入れられていた(コキ105形の画像も参照)が、その後「JRF」のCIに変更されている。2017年以降に検査出場した車両は「JRF」マークを省略している[4]


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