JR東日本651系電車
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JR東日本651系電車
スーパーひたち」で運用される651系電車
(2013年2月9日 佐貫駅〈現・龍ケ崎市駅〉 - 牛久駅間)
基本情報
運用者東日本旅客鉄道
製造所川崎重工業
製造年1988年 - 1992年
製造数99両
運用開始1989年3月11日[1]
運用終了2023年3月17日
主要諸元
編成基本編成:7両(4M3T
付属編成:4両(2M2T)
軌間1,067 mm(狭軌
電気方式直流1,500 V
交流20,000 V (50 Hz)
架空電車線方式
最高運転速度130 km/h
設計最高速度160 km/h
起動加速度1.95 km/h/s
減速度(非常)5.2 km/h/s
編成定員398名(普通車362名+グリーン車36名)※1
240名(普通車のみ)※2
車両定員普通車 52 - 68名
自重28.1 - 39.6 t
編成重量238.3 t※1
135.7 t※2
全長21,100 mm
21,500 mm(先頭車)
全幅2,900 mm
全高3,515 mm(屋根高さ)
3,855 mm(冷房装置キセ高さ)
4,140 mm(パンタ折りたたみ)
車体高耐候性鋼板
(屋根・床板キーストンはステンレス
台車ボルスタレス台車
DT56形(電動車)・TR241形(制御車・付随車)
主電動機直流直巻電動機 MT61形
主電動機出力120 kW
駆動方式中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比3.95(20:79)
編成出力120 kW×16=1,920 kW※1
120 kW×8=960 kW※2
制御方式サイリスタ位相制御+抵抗制御・直並列組合せ制御
界磁添加励磁制御
制御装置CS57B形
制動装置回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
抑速ブレーキ付き)
保安装置ATS-P, ATS-Ps
備考※1は基本編成
※2は付属編成
※3( )は先頭車
第33回(1990年ブルーリボン賞受賞車両
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651系電車(651けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の交直流特急形電車である。
概要

常磐線の特急「ひたち」で使われていた485系電車の置き換えおよび競合する高速バスへの対抗策として[2]1988年昭和63年)から7両編成・4両編成がそれぞれ9編成、計99両が川崎重工業で製造された。1989年(平成元年)3月11日ダイヤ改正から営業運転を開始した[1]

大きな特徴は最高速度の向上で、滑走再粘着装置の搭載で130 km/hからの制動距離を規定の600 m以内に抑えることにより、在来線特急列車としては初めて最高速度130 km/hでの営業運転を実現した(上野 - 日立間)[注 1][注 2]

速度面の向上に加え、従来の鉄道車両とは一線を画した内外装が高い評価を受け、第33回(1990年)鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した。JRグループの新設計車両でブルーリボン賞の受賞は本系列が最初である。

車両形式は国鉄時代の車両とは大きく異なる新機軸の車両となることから、未使用であった600番台の形式として「651系」と命名された[2]。デザインは剣持デザイン研究所が担当した[3]
構造
車体

車体は高耐候性鋼板製で、屋根と床板の一部にステンレスを使用しており、大型の連続窓が並ぶ構造となっている[2]。ドアはグリーン車を除き片側2か所に設けられている[2]。シートピッチを確保して、さらに停車時分短縮を目的に2ドア構造とするため、車体全長は485系よりも600 mm長い21,100 mmとした(中間車基準)[4]。このため、車体幅は2,900 mmとやや狭くなっている[4]

塗色は、ミルキーホワイト■の地色に屋根部分をサンドグレー■、車体裾部にオリーブグリーン■の帯が入れられた[2]。当時の特急型車両とは大きく異なるカラーリングから、登場時には「タキシードボディのすごいヤツ」というキャッチコピーが与えられた。

前頭部分は非貫通の高運転台で、正面には前照灯と一体化させたLED表示式のヘッドサインを鉄道車両では初めて採用した[2]。ヘッドサインは列車愛称のほか、行先や発車時刻など自由な表示が可能であり、後部標識灯もヘッドサインと兼用している[2]。LEDは3色式であるが、後年一部編成はフルカラーLED化されたものも登場した。

連結部分

側面行先表示器

車内

普通車は2+2の配置でシートピッチは970 mm、グリーン車は2+1の配置でシートピッチは1,160 mm[2]。室内は落ち着いた空間とするために間接照明(落成時)であり、普通車・グリーン車とも読書灯が設けられている[2]。普通車の荷棚は開放式だが、グリーン車はカバー付きのハットラック式とした[2]。床面は普通車は通路部のみタイルカーペット敷きだが、グリーン車は全面タイルカーペット敷きである[2]。グリーン車はオーディオと液晶モニターを設置し、衛星放送受信サービスが行われていたが、1997年(平成9年)の放送衛星の更新によりサービスが不可能となったため、屋上アンテナドームおよび座席液晶モニターは撤去された。

客室の各連結面寄り上部には、LED式車内案内表示器を設置している[2]車内自動放送装置はなく、車内放送チャイムも新造当初は485系などと同様の鉄道唱歌オルゴールだったが、1998年(平成10年)頃に現行の電子音チャイムに交換された。

中間車のモハ650-100には、在来線車両では初となる多目的室および車椅子対応座席が設置された[2]。この部分は客用ドアが車椅子対応のため730 mm から1,000 mmに拡幅されているほか、隣接する洋式トイレも車椅子対応となっている[2]

普通車は2両に1か所とグリーン車の客室端には、スーツケースなどの大型荷物を収納する荷物置き場を備えている[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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