JR四国2000系気動車
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2000系気動車
(共通事項)
2000系気動車で運転されていた頃の特急「南風」
(2008年10月12日 / 茶屋町駅)
基本情報
運用者四国旅客鉄道(JR四国)
土佐くろしお鉄道
製造所富士重工業
製造年1989年(試作車)
1990年 - 1992年
(量産車)
1995年 - 1998年
(N2000系)
製造数80両(2000系:64両 ・N2000系:16両)
運用開始1989年3月
主要諸元
軌間1,067 mm狭軌
最高運転速度120 km/h
130 km/h(N2000系)
全長21,300 mm(2000形)
20,800 mm
全幅2,839 mm
全高3,385 mm
床面高さ1,105 mm
車体ステンレス鋼
台車制御付自然振子装置組込ロールゴム式ボルスタレス台車
車輪径810 mm
動力伝達方式液体式
機関水冷 直列6気筒 直噴式ディーゼル
インタークーラー付ターボチャージャー
変速機液体
(電磁油圧式 液体式自動変速式)
制動装置電気指令式空気ブレーキ
(機関・排気ブレーキ併用)
保安装置ATS-SS
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2000系気動車(2000けいきどうしゃ)は、四国旅客鉄道(JR四国)の特急形気動車。本項では土佐くろしお鉄道に在籍していた同形式についても解説する。
概要

四国島内の高速道路網整備に伴い、特に四国山地を縦断し急勾配・急カーブが続く土讃線における特急列車の速度向上を目的としてJR四国と鉄道総合技術研究所(鉄道総研)が共同で開発した日本初となる制御付振り子式車両であり、振り子式気動車としては世界初の導入例となった。

西暦2000年を目前に開発されたことから、『2000系』という、日本国有鉄道(国鉄)式の「キハ」等の文字を使用せず四桁数字だけで表記する私鉄車両のような形式称号が付与され[1][注 1]、以後、JR四国の新製車両はすべて四桁数字の形式称号を名乗ることとなった[注 2]

試作車両のTSEは1990年鉄道友の会ローレル賞」を受賞している。
車両概説

本形式は製作年度により以下の3種類があるが、TSE+量産,量産+Nといったように1両単位[注 3]で自由に編成を組むことが可能である。本項では共通事項について述べ、制作時期毎の差異については当該項目を参照。

試作車両「TSE」

量産車

N2000系

オールステンレス車体を採用し、客用扉はキハ185系に合わせて片側2箇所にプラグドアを採用した。客用扉が開いたまま動き出しても、5km/hを超えると自動的に閉まるようになっている。

ブレーキシステムは電気指令式空気ブレーキで、制動距離の短縮のために機関ブレーキ排気ブレーキを併用している。重心を下げるため車輪径を810mmに小径化し、客用扉部分のステップをなくす[注 4]とともに、ステンレス製の車体外板に1.2mm厚[注 5]の薄いものを使用して車体の軽量化を図っている。連結器は密着連結器が採用された。

TSEと量産車のエンジンはコマツ製の直噴式SA6D125H形[注 6]で出力は330PS、N2000系のエンジンはSA6D125H-1A形で出力は355PS。新潟コンバータの直結2段式液体変速機TACN22-1601との組み合わせで、25パーミル上り勾配での均衡速度は95km/hを達成している。
制御付自然振り子式気動車の実現

気動車における自然振り子式は、エンジンから台車への動力伝達の反作用として生じる車体への回転力によって技術的に困難と考えられていたが、当形式では1両に2基のエンジンを対称に搭載し、エンジンの回転方向を互いに逆向きにし反作用を相殺させることで実現した[注 7]

同時に当形式では、遠心力による車体傾斜に先行して油圧装置によって車体傾斜・傾斜復元をさせ、381系で課題であった傾斜タイミングの遅れによる乗り心地の問題の改善を図る「制御付自然振り子方式」が採用された。
この方式はあらかじめ走行線区の線形データをコンピュータに記憶させ、これに応じて車体傾斜させるため、線形データが入っていない線区では傾斜制御が使用できない(自然振り子式としては使用可能)。また、当形式では四国島外においては振り子を使用しない。振り子機構はコロ式。振り子作用時の車体最大傾斜角は5°で、曲線半径600mで本則[注 8]+30km/hの120km/hの運転を可能とした。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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