JJY
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JJYの送信所は福島県田村市のおおたかどや山標準電波送信所(右丸)と佐賀県佐賀市のはがね山標準電波送信所(左丸)に位置する

JJY(ジェイ・ジェイ・ワイ)は、日本標準時(JST)を送信する日本無線局である[1]総務省所管の国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が運用している[1]

JJYは呼出符号であるが、無線局そのものも指す。
概要

電波法令上の無線局の種別は標準周波数局である。原則として常時運用しているが、メンテナンス落雷などで停波することがある。周波数偏差などの情報はNICTより随時アナウンスされており、高精度な周波数の基準として利用できる。また時刻の情報がタイムコードとして重畳されており、これを利用することにより時計の時刻を自動で調整することができる。従前は短波も使用していたが、2001年3月31日正午以降は長波のみを使用している。

送信所は福島県田村市都路町のおおたかどや山標準電波送信所(周波数40kHz空中線電力50kW、.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯37度22分21秒 東経140度50分56秒 / 北緯37.37250度 東経140.84889度 / 37.37250; 140.84889)、および佐賀県佐賀市富士町はがね山標準電波送信所(周波数60kHz・空中線電力50kW、北緯33度27分56秒 東経130度10分32秒 / 北緯33.46556度 東経130.17556度 / 33.46556; 130.17556)の2ヵ所に設けられている[1]。最初に大鷹鳥谷山(おおたかどややま)の送信所が1999年6月10日に設けられ、その後、西日本地域への安定供給や大鷹鳥谷山局の補完を目的に羽金山(はがねやま)の送信所が2001年10月1日に置局された[1]

なお、JJYとしての長波送信を行う前の1966年1月?1999年6月には実験局JG2ASと海岸局JJF-2による40kHzによる実験送信が実施されていた。1966年1月?1977年11月は千葉県千葉市の電電公社検見川送信所からの送信。検見川送信所閉鎖に伴い、1977年11月?1999年6月4日は茨城県猿島郡三和町の電電公社名崎送信所から送信となっていた。なお、2局の使い分けは通常時は海岸局JJF-2が送信し、2分以上休止した場合実験局JG2ASが送信することとなっていた[2]
送信内容

多くの長波報時局と同様に、JJYの信号にはタイムコードが重畳されている。1秒ごとに1ビットの情報を送信し、1分間(60ビット)で1セットの情報が送信される。日本国内で販売されている電波時計は上記いずれかの電波を受信し、時刻を自動的に調整する仕組みになっている。データ放送なので、耳で聴いても内容は理解出来ない。「電波時計」も参照

各秒のタイムコードの信号には、以下の3通りがある。ここで、「高出力」は定格の空中線電力、「低出力」はその10%の出力を意味する。

0ビット - 0.8秒高出力の後、0.2秒低出力

1ビット - 0.5秒高出力の後、0.5秒低出力

ポジションマーカー - 0.2秒高出力の後、0.8秒低出力

毎分0秒にマーカー、9、19、29、39、49の各秒および次の0秒の1秒前(通常は59秒。うるう秒の場合は58秒または60秒)にポジションマーカーが送信される。残りの53ビットで時刻の情報を表す。日本標準時(JST)による0秒のマーカーを送信した時点の分、時、1月1日からの通算日(1月1日を1とする)、年(西暦下2桁)、曜日は、それぞれの桁ごとに二進数に変換する「二進化十進表現」(BCD)で表現される。例えば、"23"は"0010 0011"と表される。うるう秒の有無を通知するビットもあり、うるう秒の挿入・削除が行われる月(UTCにおける月)の初日から、うるう秒の挿入・削除が行われるまで通知される。なお、日本には夏時間がないが、夏時間の有無を表すビットも用意されている。

タイムコードのフォーマットを以下に示す[3][4]。最初の35秒はWWVBと同じであるが、それ以降は大きく異なっている。WWVBにあるDUT1世界時(UT1)と協定世界時(UTC)の差)の情報が省かれており、逆にWWVBにない曜日の情報やパリティビットが加えられている。

ここで、"Weight"はそのビットの「重み付け」であり、1になっているビットの重み付けを全て加算すると、表したい数値になる。

BitWeight意味
:00Mマーカー
分の開始を表す
:0140分
:0220
:0310
:040
:058
:064
:072
:081
:09P1ポジションマーカー
:100(未使用。常に0)
:110
:1220時
:1310
:140
:158
:164
:172
:181
:19P2ポジションマーカー
:200(未使用。常に0)
:210
:22200通算日
1月1日=1
平年の12月31日=365
閏年の12月31日=366
:23100
:240
:2580
:2640
:2720
:2810
:29P3
:308
:314
:322
:331
:340(未使用。常に0)
:350
:36PA1時のビット(:12?:18)の偶数パリティ
:37PA2分のビット(:01?:08)の偶数パリティ
:38SU1(現行では未使用。常に0)
(将来拡張のための予備:6日以内に夏時間開始または終了のとき1)
:39P4ポジションマーカー
:40SU2(現行では未使用。常に0)
(将来拡張のための予備:夏時間実施中のとき1)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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