JCSAT(ジェイシーサット)とはスカパーJSAT株式会社保有の通信衛星のうち、前身のJSAT株式会社から手がけている日本を通信範囲に含むシリーズである。現行の機体はいずれも3軸姿勢制御型。 名称衛星バス軌道位置打上日(UTC)運用終了日打上機
衛星一覧
JCSAT-1ヒューズHS-393東経150度1989年3月6日1998年アリアン4
JCSAT-2HS-393東経154度1990年1月1日2002年タイタンIII
JCSAT-3ヒューズHS-601東経128度1995年8月29日2007年アリアン2
JCSAT-R
(現Intelsat 26)
(旧JCSAT-4)
(旧JCSAT-1A)HS-601予備衛星1997年2月17日2009年譲渡アリアン2
JCSAT-1B
<JCSAT-5>HS-601東経150度1997年12月2日2017年7月[1]アリアン4
JCSAT-6
(旧JCSAT-4A)
<JCSAT-6>HS-601東経136度1999年2月16日2021年12月[2]アリアン2
N-SAT-110
(JCSAT-110)
<JCSAT-7>ロッキード・マーティン
A2100AX東経110度2000年10月6日2019年1月[3]アリアン4
JCSAT-8
(旧JCSAT-2A)
<JCSAT-8>ボーイング
BSS-601東経154度2002年3月29日2021年1月[4]アリアン4
JCSAT-5A
<JCSAT-9>A2100AX東経132度2006年4月12日運用中ゼニット3
JCSAT-3A
<JCSAT-10>A2100AXS東経128度2006年8月11日運用中アリアン5
JCSAT-11A2100AXS予備衛星2007年9月5日(打上失敗)プロトン-M
JCSAT-12
(旧JCSAT-RA)
<JCSAT-12>A2100AXS東経169度
(JCSAT-85)オービタル・
サイエンシズ
STAR-2東経85度2009年11月30日運用中ゼニット3SLB
BSAT-3c/
JCSAT-110R
(JCSAT-110R)A2100A東経110度2011年8月6日運用中アリアン5
JCSAT-4B
予備衛星[6]2016年8月14日軌道上待機中ファルコン9
JCSAT-17A2100東経136度2020年2月18日(打上後引取前)アリアン5
JCSAT-1C
<JCSAT-18>ボーイング
BSS-702MP東経150度2019年12月16日運用中[7]ファルコン9
運用中の衛星
JCSAT-1C - Kuバンド・Kaバンド衛星。航空機インターネット接続サービスやインドネシア国内向けの通信(テレグローバル社)等に利用されている。国際通信事業にも利用されている。
JCSAT-6 - Kuバンド専用衛星。当初はJCSAT-4Aの呼称を持ち東経124度にてスカパー!プレミアムサービスで使用されていた。
JCSAT-110 - CS放送に特化した日本向けのKuバンド専用衛星。CS放送のスカパー!のサービスに利用されている。別名・N-SAT-110。なお本衛星は、JSATと同じくスカパーJSATの前身である宇宙通信株式会社との共同利用機であった。同社による呼称「SUPERBIRD D」も用いている。
JCSAT-2A - Cバンドは国際通信に、Kuバンドは日本国内の企業内通信、SNGのほか、ミュージックバードのPCM音声放送、SPACE DiVA両サービスにも利用されている。
JCSAT-5A - N-STARaの後継機。別名:N-STARd。SバンドはNTTドコモの衛星携帯電話であるワイドスター用で、N-STARcと連携をとりながら稼動している。Kuバンドは、固定電話網のバックアップ・離島向け中継回線等のNTTグループの通信に利用される。
JCSAT-3A - 日本初のCSデジタルテレビジョン放送パーフェクTV!(現スカパー!プレミアムサービスのパーフェクTVサービス)に利用された衛星JCSAT-3の後継機。Cバンドは国際通信に利用。
JCSAT-RA - 予備衛星であるが、JCSAT-5Aの一部及びJCSAT-110のバックアップ機能は有していない。当初JCSAT-4としてCS放送のスカパー!プレミアムサービスに利用されていた初代予備衛星JCSAT-R(のちにインテルサットへ売却され、現在の呼称はIntelsat 26)の後継機。
JCSAT-110R - JCSAT-110の予備衛星、かつ放送衛星システムとの区分保有機で、同社による呼称は「BSAT-3c」。
JCSAT-4B - Kuバンド専用衛星。CS放送のスカパー!プレミアムサービスのサービスにも利用されている。もともとはJスカイBが利用する予定だったため、スカパーJSATでは「SKYサービス」と呼称していたJCSAT-4Aの後継機であるとともに、アジア及びオセアニア地域における通信・放送にも使用。
JCSAT-2B - JCSAT-2Aの後継機。Kuバンドには国際ビームが追加され、出力が120Wから150Wへ増大した。Cバンドはカバーエリアが広くなり、北米などが追加された。出力は34Wから100Wへ増大した。
出来事
2005年
1月17日 - 軌道制御中のJCSAT-1Bの姿勢が崩れ、衛星を監視するためのテレメトリ信号を見失った。これによりJCSAT-1Bを利用する全回線が不通となった。その後、1月19日から順次サービス復旧。
7月22日 - 軌道制御中のJCSAT-1Bの姿勢が再び崩れ、衛星を監視するためのテレメトリ信号を見失った。これによりJCSAT-1Bを利用する全回線が不通となった。その後、予備衛星(JCSAT-R)をJCSAT-1Bの軌道位置へ移動しサービスを再開した。JCSAT-1Bは推進系のトラブルが原因で故障したという。
2006年
4月13日 - N-STARaの後継機JCSAT-5A(調達名称:JCSAT-9)の打ち上げに成功。軌道上試験の後、6月8日にロッキード・マーティンより引き渡しを完了した。なお、同機のSバンドトランスポンダを用いてワイドスターと呼ばれる衛星電話サービスを提供するNTTドコモは同機をN-STARdと呼称しているが、これは当時ドコモが自社単独で保有していた通信衛星N-STARc(2010年にスカパーJSATが譲受)が存在するためである。
8月12日 - アリアン5ロケットにより、JCSAT-3の後継となるJCSAT-3A(打ち上げ呼称JCSAT-10)の打ち上げに成功。同年10月に衛星引き渡し。
2007年
9月6日 - JCSAT-11をJCSAT-R後継の予備衛星としてプロトン-Mロケットにより打ち上げるも失敗(→バイコヌール宇宙基地を参照)、同日代替衛星JCSAT-12を発注。
9月18日 - 東経110度BS・CSハイブリッド衛星BSAT-3c/JCSAT-110Rの共同調達に放送衛星システムとの間で基本合意締結。
2009年
4月16日 - JCSAT-4Aの後継として、JCSAT-13の調達・打上契約を締結。2013年の打ち上げを目指す。
8月22日 - JCSAT-12の打ち上げ成功。同年スカパーJSATへ引き渡され、JCSAT-R後継の予備衛星JCSAT-RAとなった。
2011年8月7日 - BSAT-3c/JCSAT-110R打ち上げ。BSデジタル新チャンネル用放送衛星現用機(BSAT-3c)と、東経110度通信衛星予備機(JCSAT-110R)を兼ねる。
脚注[脚注の使い方]^ “スカパーJSATグループ 2017年度第1四半期決算説明会”. スカパーJSATグループ. 2020年5月6日閲覧。
^ “2022年3月期第3四半期決算説明会”. 株式会社スカパーJSATホールディングス. 2022年12月12日閲覧。
^ “2018年度第3四半期決算説明会”. 株式会社スカパーJSATホールディングス. 2022年12月12日閲覧。
^ “2021年3月期第3四半期連結業績概要”. 株式会社スカパーJSATホールディングス. 2022年12月12日閲覧。
^ “2023年3月期 第2四半期決算説明会”. 株式会社スカパーJSATホールディングス. 2022年12月12日閲覧。
^ “通信衛星 JCSAT-16 の打ち上げ成功に関するお知らせ”. スカパーJSATグループ. 2020年5月6日閲覧。
^ “2020年3月期第3四半期決算説明会 - スカパーJSAT”. スカパーJSATグループ. 2020年5月6日閲覧。