J-WAVE
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開局申請には495社が応募したが、郵政省(当時)は「調整」と称して1社に絞り込んだ[6]

設立時から2006年6月まで、代表取締役会長社長には、長らく郵政省からの官僚もしくは経団連出身者が務めていたが、2008年6月に社長に就任したニッポン放送(2023年現在、同社が同一放送対象区域で10%を超える(18.2%)株式を所有しており支配関係に該当するが、2011年6月の規制緩和で適用除外となっている[7])出身の小笠原徹以降、ラジオ業界経験者が務めることになった。ただ役員の多くは、出資法人の管理職クラス社員が派遣されている。

1993年5月に設立されたJAPAN FM LEAGUE(JFL)において、事実上幹事局の位置付けとなっている(JFLの特性上、J-WAVEはキー局ではない)。2003年にはそれまでの西麻布高樹町)から六本木ヒルズ森タワー33階に移転し「定期放送されている日本一地表より高い場所にあるラジオ局」となる。

2006年5月29日から2011年3月まで、日本国内で初めて音楽番組専門のインターネット無料配信サービス「Brandnew J “Just Like Radio”」を運用していた。2006年8月には主に首都圏を対象としたインターネットサービスプロバイダ事業「J-WAVE@NET」(ジェイウェィブ・アット・ネット)を開始。インターネット放送の融合が云われながらも遅々として進まない状況が続いていた中、放送局自らがプロバイダ事業に乗り出した国内初の例であった[8][注釈 3]

コールサインはJOAV-FM。

放送対象地域の一部である東京都島嶼部には中継局が無い。また同多摩地域にも中継局がない[注釈 4]

2012年4月23日より東京スカイツリーから送信を開始したことにより、高層建築物の影になる東京都港区南西部に難聴地域が発生した。それに伴い、港区南西部およびその周辺部と放送区域としてJ-WAVEみなとFM(六本木ヒルズ森タワー、100W、88.3MHz[注釈 5])の免許を2015年10月21日付で受けた。試験電波の送信を経て、11月1日5:00に開局した[4][3]
事業所所在地
本社
106-6188 東京都港区六本木六丁目10番1号 六本木ヒルズ森タワー33階
大阪支社
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田二丁目4番13号 阪神産経桜橋ビル9階
送信所

種別局名周波数空中線
電力
実効
輻射
電力
所在地備考
親局東京
[10]81.3MHz7kW57kW東京
スカイツリー
かつては東京タワーから送信していたが、東京スカイツリーへの移転を計画し、2010年にNHK東京FM放送と共に移転許可の申請を総務省に提出[11]、2011年2月4日に認可された[12]。これにより2012年1月下旬 - 3月末の試験放送を経て4月23日より送信している[13]
中継局みなと88.3MHz100W110W六本木ヒルズ
森タワー
[3]東京スカイツリーからの送信に伴い、高層建築物の影になる港区南西部の難聴を解消するために設置されたもので、六本木ヒルズ森タワーの予備送信設備を利用し、試験放送や免許交付を経て2015年11月1日より運用を開始した[14]
廃局
親局東京81.3MHz10kW44kW東京タワー予備送信所として東京タワーを継続使用するNHK-FMとは異なり、当局では後述にある社屋内の非常用送信システムを予備送信所として継続使用するため、東京タワーからの送信は完全に廃止された。

出典[1]


非常用送信システム

送信機はFBN-11K01SU(NEC)で送信空中線は六本木ヒルズ森タワー屋上に設置された垂直ダイポールアンテナ2段1面により出力1kW、ERP960Wにて送信される。これは主送信所を東京スカイツリーに移転した後も設備は変わっていない。


スタジオなど
本社スタジオ
生放送用スタジオはA,B,C Studioからなる。 音声調整卓は2021年2月より
Roland社のM-5000を使用[15]。森タワー移転当初からスチューダー社の928ミキシング・コンソール(アナログ式)を使用していた。モニタースピーカーはスチューダーとKRK両社の製品を使用。CDプレーヤーなど回転系の機材は、他局より更新サイクルが短い傾向がある。A,Bスタジオの窓からは、かつての送信所だった東京タワーが眺望出来る。しかし、東京タワーから送信される各放送局の電波がガラス窓を透過するため、可能な限りガラス窓に張られたシールドフィルムで弾いている[注釈 6][16]。ブース内、回転式のアナウンステーブルと、電動モーションコントロールマイクシステムにより、天井から吊ったマイクを移動できるシステムとしており、マイクスタンドを排除した。これはDJ・出演者の構成によって向きを変えられるようにしたため。録音スタジオとして1,2 Studioを配置。1 Studioからも東京タワーが眺望できる。また、2013年10月に「ゼロスタジオ」が完成し、2013年10月からは『ZAPPA』が、2017年4月からは『SATURDAY NIGHT VIBES』が放送されている。ここはアナブースがなく、副調整室内にマイクも置かれ、番組ナビゲーターが自らミキシングやプレーヤー操作などを行うスタイルのワンマンスタジオとなっており、番組ナビゲーターは選曲から送出までを一人でこなす。この他編集用スタジオが設けられており、2021年末頃に2つの編集室の間仕切を撤去して、1つの大きな部屋に改修する更新工事が行われた[17]。各生放送スタジオからはワーキングエリアの「D-Room」と直結。近接箇所に「CDライブラリー」がある。けやき坂スタジオ
けやき坂スタジオ
六本木ヒルズ内のサテライトスタジオ。本社演奏所マスター(主調整室)までは光ケーブルとメタルケーブルで結ばれる。音声調整卓は、2018年2月よりRoland社のM-5000を使用[18][19]。開設当初からスチューダー社の928ミキシング・コンソール(アナログ式)を使用していた。メインのマイクは、歴代的にベイヤーダイナミック(Beyerdynamic)のリボンマイクを使用している。かつてはHMV渋谷にサテライトスタジオを設置していた(1998.10 - 2009.9)。西麻布三井ビルディング(2019年解体)
本社移転プロジェクト
2003年10月、開局15周年を迎えるに当たり、本社・演奏所を西麻布三井ビルディング[注釈 7]から六本木ヒルズ森タワーに移転することを決定した。当初は西麻布三井ビルディングでの改修を計画していたが、条件などを検討して六本木ヒルズ森タワーへの移転を決めた[注釈 8]。2003年2月、移転計画を発表。六本木ヒルズオープンは4月。本社・演奏所工事は実質6月から開始され、10月1日完成とスケジュールは極めて過密であった。特に放送技術関係は困難を極めたが、予定通り2003年10月1日移転、開局15周年を迎えた。このプロジェクトは社内で、六本木ヒルズのある六本木6丁目から66、六本木ヒルズ森タワー33階に移転することで33、と語呂を合わせた66-33プロジェクトと名付けられた[注釈 9]
本社・演奏所の電源システム
六本木ヒルズ本社の電源は、六本木エネルギーサービスから供給を受けている。森タワー地下6階にある都市ガス使用のガスタービン(6360kWが6台[注釈 10])と、その廃熱利用による補佐的なスチームタービン(500kWが1台)により発電している。さらに、両タービン点検時のバックアップとして、東京電力の66kVを2回線で受電しているなど、高信頼性を持った電源システムである。ここより発電された電力は、6.6kVの複数ある回線をビル内の複数の変電所に送り、低電圧に変換する。J-WAVEは2ヶ所のビル内変電所から、三相210Vが2回線、三相415Vも2回線、合計4回線を受電。2ヶ所の変電所から受電するので、1か所の変電所でトラブルが起きても、最低限の電源確保はできると二重の冗長化システムになっている。さらに万が一の停電に備えた30kVAの無停電電源装置2台も設置され、これとは別に、東京スカイツリーに放送を伝送するバックアップ用回線装置向けの非常時用無停電電源装置も設置している。


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